ヒトは食によりて人となる 東京・生活者ネットワーク
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2006 年 11 月 15 日     カテゴリ:子ども・教育
ヒトは食によりて人となる
〜政策員会学習会 食文化が人間を育てる〜
 最近、にわかに「食育」なるものを政府が唱え始めた。
 命を育む食の安全は、何よりも優先して守るべきもので、生活者ネットは設立当初より「食の安全」や「食文化」にこだわってきた。しかし、世界の政治の力に翻弄されている「食」をさておいて、国は今、なぜ食育基本法を制定し、「食育」を推進するのか?単に言葉に踊らされることなく、食のあり方の基本に返り、“子どもたちにとって必要な食育とは何か”を求めて、学習会を開催した。

講師の竹下和男さんは、2001年、香川県の小学校で、「子どもが作る弁当の日=vを開始。異動した中学校でも「自分で作る弁当の日=vを実践している。
「子どもが作る弁当の日=vは、献立、食材の購入、調理、盛り付けのすべてを子どもたちの手で行う。保護者は手伝わない。対象は、家庭科がある小学校5・6年生のみ。1学期に家庭科の授業で知識や技術を指導し、10月以降の第3金曜日(年間5回)に実施している。
物質的には豊かでも、子どもたちは、『心の空腹感』を訴えている。いじめや引きこもり、万引き、摂食障害、リストカット、援助交際、薬物乱用…これらは、子どもたちの『心の空腹感』が引き起こす悲鳴である。
「弁当の日」に取り組んだ子どもたちは、食材の買出しから親に同行し、中国野菜の安さやトレイやパックの多さに気づき疑問を持つようになった。台所に立ったことのない子どもたちが、夕食の準備を手伝うようになった。親が自分のために何をしているのかをつぶさに見て、今まで食事を作ってくれたことに感謝するようになった。そして自分も誰かのために食事を作ることで、自分が役に立てることを知り喜ぶ。子どもは、大人が考えている以上に一人前になろうとしている。役に立った経験が自己肯定感を充足し、子どもたちを変えていく。子どもたちが変わる姿を見て教師も変わった。


 一人で食事する「孤食」や、食事を抜く「欠食」が増え、子どもたちの食生活が乱れている。食育基本法は制定されたが、明確な具体策は見えない。競争と評価にさらされるだけでは、子どもは育たない。子どもたちを取り巻く環境は厳しいが、子どもが本来持つ「生きる力」を目覚めさせることが重要である。「弁当の日」は、子どもの育つ力を促す「食育実践」であり、このような活動こそ、「食育」として広めていきたい。

 講師 竹下和男さん 香川県高松市立国分寺中学校校長
 著書『弁当の日≠ェやってきた』『台所に立つ子どもたち』




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