春の憂鬱−「内心の自由」はどこに?  東京・生活者ネットワーク
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2008 年 4 月 4 日    
春の憂鬱−「内心の自由」はどこに? 

 3月28日に告示された小中学校の新学習指導要領は、一昨年12月に改正された教育基本法に「わが国と郷土を愛する態度を養う」との表現で愛国心の養成が盛り込まれたことを受け、小中学校とも総則に「わが国と郷土を愛し」という文言が追加された。君が代についても小学音楽で「いずれの学年においても指導する」から「“歌える”ように指導する(“”は引用者)」と踏み込んだ内容になっている。

 1990年、文部省が学校の式典での日の丸・君が代を義務付けて以来、公立学校の卒業式や入学式では日の丸・君が代が強制され、公務員の処罰の対象にもなっている。新しい出会いや学びへの期待に胸膨らませる子どもたち、その成長を喜び合う保護者や教師たちにとって大切な卒業式や入学式が、愛国心の踏み絵の場にされていることに多くの人が憤りを感じている。1999年国旗・国歌法が成立したとき、当時の小渕恵三総理大臣は「この法律が国旗、国歌の強制をすすめるものではない」と明言していたが、新指導要領で子どもたちは、授業で君が代を叩き込まれることになる。

 この春、紀伊国屋ホールで永井愛作・演出の「歌わせたい男たち」が再演された。卒業式当日の学校の保健室で、ピアノの演奏に自信がない上にコンタクトレンズを落として混乱している新米音楽教師、国歌だけは演奏させたい校長と起立を拒否し続けている社会科教師のそれぞれに必死の掛け合いが展開する。最後に追い詰められた校長は、屋上から全校放送で絶叫する。「憲法で保障されている内心の自由は犯されることはありません。内心は自由です。ガイシンにしない限り、あなたたちの内心は自由なんです!」 最後まで笑いの渦に巻き込まれながら、教育現場にひたひたと押し寄せる国家権力の怖さ、理不尽さに心が重くなる。 

 子どもたちが日本に生まれてよかったと実感できるような社会を実現することが私たちに問われている。

 代表委員 池座俊子


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