東京・生活者ネットワーク
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2009東京政策2009東京政策PDFデータ
市民の自立と参加による生活圏の形成
大事なことは市民が決める
 2000年に 「地方分権一括法」 が施行され、 国と地方の役割が明確にされたが、 税源配分は国に偏ったままである。 国や都の補助金を包括的なものにし、 自治体の財源を増やしていくことで、 地域の実情に合った制度や運営が可能となる。
 東京都は、 その行政領域を広域性、 専門性などに特化してスリム化し、 市民に見えやすく参加しやすい構造をつくっていくことが必要だ。 市民の意見が行政に生かされるよう、 情報の共有と意見の表明、 対案の提示や見直しなどを可能とするしくみをつくり、 制度化している自治体も増えている。 都市計画や税配分など、 決定の場への市民参画、 当事者参画をすすめなければならない。
  1. 東京都から区市町村へ、 さらに市民への分権をすすめる
  2. 「無作為抽出による市民討議*1」 など新しい参加のしくみを導入する
  3. 広域的な公共サービスを担うNPOや中間支援組織としてのNPOを積極的に育成、支援する
  4. 自治体発の先駆的事業を支援し、 自治体の自主性を誘導する

*1 無作為抽出による市民討議: [ドイツのプラーヌンクスツェレ] 参加者は無作為抽出の市民。 「参加者全員への情報提供」 「5人程度の小グループに分かれての討議」 「発表(投票)」 を1セットとして繰り返す。 ファシリテーターはつけない。 参加者に報酬を支払う。 公募などによる市民参加、 市民参画は、 興味のある人だけ、 あるいは、 情報をキャッチした人だけの参加になりがちである。 新たな手法である無作為抽出による市民参加では、 討議をするにあたって行政と共通の十分な情報が提供される。

<実践例>
多摩市:図書館サービス
三鷹市:まちづくり基本計画改定
町田市:遊びの視点から人づくりまちづくり


都議会を変える
 これからのまちづくりに地方議会がどう機能していくかは、 自治体の自治、 さらに市民自治を広げていくための大きな課題である。 特に議会には、 これまで以上に立法機関として重要な役割が期待されているが、 そのような状況はまだまだできていない。 東京は地方自治の規模としては大きく、 市民にとって見えにくい現状が改革を遅れさせている。 情報公開をすすめ、 市民参画への切り口を広げながら、 党利党略に終始する議会に決別しなければならない。 立場の違いを超えて合意形成能力を高めていく都議会にするためにも、 議会基本条例をつくり、 議会の役割やその実践のためのルールづくりをすすめる。
  1. 議員特権をなくす
    (1)少数会派も尊重する民主的な議会運営をすすめる
    (2)請願陳情の趣旨説明や市民と議員が政策議論できる場を制度化し、 都議会への市民参加をすすめる
    (3)議員同士の自由討議を実現する
  2. 議員特権をなくす
    (1)政務調査費をすべて公開する
    (2)議員年金や期末手当、 費用弁償、 公用車を廃止する

市民がつくる安全・平和
 平和な国際社会をつくるためには、 地球市民としての国際交流が重要である。 互いの文化や歴史を知り、 国際理解を深め、 特に歴史認識を共有しなければならないアジアの国々と連携することが必要だ。 2002年から始まった韓国との市民レベルの交流では、 アジアの平和構築のために市民に何ができるのか議論を続けている。 互いの歴史認識をどう共有するかは継続する課題であるが、 市民社会の違いを認識し、 類似性・同一性を見出してきた交流の意義は大きい。
 世界各地で起きている紛争は、 いまだ解決を見ない。 平和憲法の精神を生かし、 NGOなど市民と市民の信頼にもとづく連携によって、 新たな世界平和を構築するべきだ。

  1. アジア地域との国際理解を深め、 多文化共生のまちづくりをすすめる
  2. 多様な外国人が参加する外国人都民会議を定期的に開催する
  3. 基地の返還と、 跡地の平和利用をすすめる

 

セーフティネットの充実

誰もが安心して地域で暮らす
 2006年から 「改正介護保険制度」 「障害者自立支援法」 が施行されているが、 当事者の自己決定が尊重され、 社会参加が保障される状況には未だなってはいない。 高齢になっても、 障がいがあっても住み慣れた地域でともに暮らし続けるためには、 一人ひとりの生活に合わせたサービスが提供される必要があり、 市民参加型福祉の一層の充実と福祉の人材確保が不可欠である。 一方、 社会保険庁の数々の不正で年金制度への信頼が大きく揺らぎ、 介護保険の利用制限や医療制度改革による負担増とあいまって、 老後の生活への不安が高まっている。 さらに小泉改革のもとで貧富の差や都市と地方の格差が広がり、 生活困窮者は若年層から高齢者まで増加し続けている。 社会保障制度そのものをしっかりと確立するとともに、 直接的な支援が急務である。

  1. 在宅を支える生活援助サービスを確保する
  2. グループホームや小規模で多様な機能をもつ施設をたくさんつくる
  3. 福祉に関わる人材を養成するとともに、 労働に見合った収入を確保する
  4. 「障がい者差別禁止条例」 をつくる
  5. 障がい者が主体的に参加して働く場を創出する
    (1)社会的事業所制度*1を導入する
    (2)知的障がい者、 精神障がい者の就労を、 まず都庁内ですすめる
  6. 母子家庭、 ワーキングプア、 長期失業者、 ホームレスなど生活困窮者への支援をすすめる
    (1)総合相談窓口をつくる
    (2)緊急保護のためのシェルターをつくる
    (3)ケースワーカーの適正人員配置を実施する
    (4)住宅扶助、 生活扶助、 失業扶助など、 個々の生活支援施策を充実する
  7. 個人単位の年金制度一元化をすすめる

※1 社会的事業所:障がいのある人もない人も、 対等な立場で一緒に働くことができる職場形態。 滋賀県で制度化された。 指定要件は、 (1)障がい者従業員が就労を継続し、 維持できるように支援をする機能を有する(2)障がい者従業員は5名以上、 かつ全従業員の一定以上を占める(3)従業員全員と雇用契約を締結(4)事業所の経営機関に障がい者自身が参画(5)労働保険の適用事業所である(6)事業所としての経営方針、 経営計画が適切であり、 利益をあげるための経営努力がなされていること。


周産期*1から終末期まで、地域で支える医療
 増え続ける医療費抑制のために、 2000年からは 「介護保険制度」 を創設して介護と医療を切り離し、 2006年には 「医療制度改革関連法」 が成立した。 在宅での療養を想定したにもかかわらず、 介護サービスの利用制限、 療養病床の削減などが打ち出され、 不安の声があがっている。 医療体制の整備と保健・福祉のネットワークづくりで、 地域での在宅医療とターミナルケアを充実していく必要がある。 さらに今年度からは、 「後期高齢者医療制度」 が創設され、 高齢者の不安は怒りに変わっている。
 一方、 医療現場では、 リスクの高い小児科や産科の医師や看護師が不足し、 分娩を休止する病院が相次ぐなど、 社会的な問題になっており、 安心して子どもを産み、 育てられる環境整備は急務である。

  1. 医療・福祉・保健を統合し、 在宅ケアを支える地域システムを確立する
    (1)療養、 リハビリ、 緩和ケアまでの一貫した受け皿を地域につくる
    (2)24時間在宅医療を充実させるために、 中核になる地域医療支援病院、 および在宅療養支援診療所と訪問看護ステーションとの連携をすすめる
  2. 安心して子どもを産み、 育てられる環境を整備する
    (1)高次医療機関、 産科医、 助産師の役割を明確にするとともに、 院内助産院※2や助産師外来※3を活用する
    (2)地域周産期医療センターのNICU※4、 GCU※5を増床するとともに、 周産期医療ネットワークを確立し、 地域の受け皿づくりを行なう
    (3)周産期情報センター、 および搬送コーディネーターを早急に整備する
  3. 医師・看護師の人材確保と養成を行なう
    (1)特に産科・小児科・救急医療などリスクの高い部門の医師確保を早急に行なう
    (2)事務補助員の導入や保育所の充実などで、 医療従事者の労働環境を改善する

※1 周産期:医学的には、 妊娠満28週、 または胎児の体重が1000グラムに達したときから、 出生後1週間までの期間。 ここでは、 妊娠後期から新生児早期までのお産にまつわる時期を言う。
※2 院内助産院:正常分娩可能と判断されれば、 病院内の助産師が安全で自然なお産の介助を行なう。
※3 助産師外来:妊婦検診や妊娠中の保健指導、 お産や育児の相談指導などを助産師が行なう。
※4 NICU:新生児集中治療室:出生体重が2300g以下の低体重児、 在胎週数が36週未満の出生児、 生後早期から集中治療を必要とする新生児を受け入れる。
※5 GCU:継続保育室:急性期を過ぎ、 症状が落ち着いたら、 NICUから移り、 退院準備をする。


安心して人間らしい生活ができる働き方をすすめる
 仕事と生活の両立のための法整備はすすんでいるものの、 育児介護休暇などは、 まだまだとりにくい現状がある。 社会全体にむけた意識啓発を拡大するとともに、 制度を使いやすいものにするなど職場環境を改善する必要がある。 労働相談においては、 生活のさまざまな要因が絡んでいることから、 外国人への対応も含め、 総合的な相談体制にしていかなければならない。 また、 安心して働くためには、 保育施設を質・量ともに確保し、 同居する高齢者に対するサービス制限を是正していくことも重要である。
 格差社会の要因となっている非正規雇用については、 同一価値労働・同一賃金の考え方のもと、 適正な労働対価と社会保障を確立し、 誰もが 「ワーク・ライフ・バランス」※1を保つことのできる働き方をすすめていく。

  1. ワーク・ライフ・バランスを推進する
    (1)育児休業、 介護休業、 看護休暇、 時間外労働の制限、 勤務時間の短縮などの制度活用を推進する
    (2)ジェンダーの視点をもった労働相談のしくみをつくる
    (3)保育、 介護の質や量を確保する
  2. パート・アルバイトなど非正規雇用の均等待遇と社会保障を確立する
  3. 公契約の入札制度を、 社会貢献や環境への配慮、 障がい者や女性の雇用をすすめる企業を評価するものに変え、 公正な労働環境を誘導する

※1 ワーク・ライフ・バランス:仕事、 家事・育児・介護、 地域活動や自己啓発など、 仕事と生活全般について、 生きがいや喜びを実感できるよう調和を図ること。


若者が希望をもって働き、生活できる社会をつくる
 2004年、 生活者ネットワークは、 若者支援政策立案のためのアンケート調査を実施し、 ジョブカフェin繁華街など、 “若者を応援する”政策を掲げた。 一方、 国や都も若者の自立を促すため、 地域若者サポートステーションやインターンシップ、 ひきこもり対策などさまざま施策を打ち出している。 しかし、 若者たちの現状は、 改善されているとは言い難く、 ニートやフリーターは増加、 ネットカフェ難民など住宅困窮者の問題も発生し、 格差は広がるばかりである。
 定職に就かない若者に対し、 就労に特化した若者支援では、 効果を高めることは難しく、 若者の問題は若者が解決策を講じなければならない。 情報発信をはじめとして、 若者の視点に立ったツール、 若者自身が必要としているソフト、 ハード面としての居場所づくりなど体系的な対策・支援が必要である。

  1. 就労や住まい、 教育、 健康など若者に関することがらを、 ワンストップサービスで対応する、 若者プラットホーム※1を、 若者がおおぜい集う場所につくる
  2. 働きながら勉強できる奨学金制度を充実する
  3. 若者の心と体の自己管理をサポートする 「ユース・クリニック」 をつくる
  4. 一人暮らしやルームシェアを可能にするために、 公営・民営を問わず住宅を確保する

※1 若者プラットホームのイメージ:行政が運営する形ではなく、 若者が集い、 情報が集まり、 情報が得られる場。 ジョブカフェin繁華街の機能を拡大する。 東京都は、 運営するNPOの事業を支援する。


すべての施策をジェンダー*1の視点で見直す
 1999年、 「男女共同参画社会基本法」 が成立し、 翌年、 東京都にも 「男女平等参画基本条例」 が制定された。 21世紀は男性も女性もともに働き、 子育て・介護・地域活動を担っていく社会となることをめざしているが、 男女の性別による固定的な役割分業意識は根強く残っており、 あらゆる場面での意識改革が求められている。
 特に、 配偶者からの暴力 (DV※2)、 若者におけるデートDV、 薬物・性感染症の増加などに対して、 未然防止と被害者支援の充実のために、 人権の視点からの生と性の教育、 年代別保健教育の取り組みが重要となっている。 生涯を通じて健康な生活を送ることができるよう支援するとともに、 性差に基づく医療体制の確立、 特に東京に多い乳がん・子宮がんなど女性のがん対策に力を入れ、 がん撲滅に努める必要がある。
 性別に関わりなく個人として尊重され、 男女が対等な立場であらゆる分野で参画できるよう、 すべての施策をジェンダーの視点で見直し、 男女平等参画社会の実現を求めていく。

  1. 女性管理職登用など、 都庁でのポジティブ・アクションをすすめる
    (1)都の重要決定機関に参画する女性管理職の登用をすすめる
    (2)審議会など付属機関における女性参画をすすめる
  2. リプロダクティブ・ヘルス/ライツ※3の視点に立って、 性差医療※4の確立及び性教育の充実をはかる
    (1)乳がんや子宮頸がんへの情報周知を徹底し、 女性が検診を受けやすい環境を整える
    (2)ライフサイクルを通し、 妊娠・出産の調節、 不妊、 性感染症、 HIV/エイズ、 性暴力、 売買春、 女性特有の病気など必要な知識について、 学校教育などあらゆる場で周知していく
  3. DV防止及び被害者支援対策をすすめる
    (1)DV相談センターを設置し、 一貫した総合的な自立支援を行うとともに、 DV被害者のシェルターの充実に向けた支援をする
    (2)加害者となる男性への相談支援体制を確立し、 更生プログラムを実施する
    (3)学校教育の中でデートDV防止に向けたプログラムを実施する

※1 ジェンダー:社会的・文化的な性のありよう。
※2 DV:DVは、 Domestic Violence (ドメスティック・バイオレンス) の略。
※3 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ: 「生涯を通じた性と生殖に関する健康」。 特に女性の健康の自己決定権を保障する考え方。
※4 性差医療:これまでの男性を基準として作成した診断方法や治療方法をそのまま女性に適用した場合、 最良の医療とはならない可能性があることから、 男女のさまざまな差異により発生する疾患や病態の差異を念頭において行なう医療。


子どもの育ちを応援する
 1.29ショック以来、 少子化対策が国の最優先課題に位置づけられ、 10年以上にわたって子育て支援が展開されたものの、 いまだ出生率の上昇にはつながっていない。 手当てや医療費の無料化などの経済的支援はわかりやすいため注目されがちだが、 むしろ男女の働き方の見直し、 多様な家族や多様な子育てを認めることが重要であり、 孤立した親子を救うための在宅での子育て支援、 地域での子育ち、 子育て力を高める取り組みなど親と子を支える総合的な施策が必要である。
 子どもを取り巻く状況をみても、 いじめや虐待など権利侵害に関わる事件はあとを絶たない。 子どもを権利の主体としてとらえ、 最善の利益を原則に子ども施策を見直すことが必要である。 国連で子どもの権利条約が採択されて20年目の節目のこの時期に、 あらためて子どもの意見の尊重や参加をすすめることが不可欠であり、 東京都に子どもの権利条例の制度化を求めていく。

  1. 子どもの権利条例を制定する
    (1)子どもの意見表明権を保障する
    (2)子どもの参加を保障する
    (3)子ども支援のための相談・救済の制度 (子どもオンブス) をつくる
  2. 子育ち・子育てを地域で支えあうしくみをつくる
    (1)広場事業やファミリーサポート事業、 ショートステイ、 一時保育など市区町村での在宅での子育て施策を支援する
    (2)子育て支援ボランティアの育成など、 地域の 「子育て力」 を高め活用していく
    (3)認証保育所など保育施設の質を担保するための評価・指導を徹底し、 情報を公開する
  3. 子どもの虐待をなくすため、 予防と自立までの切れ目のない支援のしくみをつくる
    (1)虐待を受けた子どものシェルターをつくり、 自己回復プログラムを充実する
    (2)子どもへの虐待を繰り返さないように、 矯正プログラムを受けることを義務づける
  4. 子どもがのびのび遊べる環境をつくる
    (1)都立公園や都有地にプレーパークをつくる
  5. 子どもの視点に立った安全対策をすすめる
    (1)すべてのものに、 子どもが使うことを前提にした安全基準=子ども基準をつくる
    (2)子ども自身の危険回避能力を高め、 エンパワメントしていくための事業に対して支援をおこなう (CAPプログラム※1の導入など)
    (3)メディアリテラシー教育をすすめ、 急増する携帯やパソコンを使った犯罪を未然に防止する

※1 CAP(キャップ)プログラム:子どもたち自身が人権意識をしっかり持ち、 暴力から自分を守るための知識や能力を身につける。 安心・自信・自由をキーワードにワークショップ形式で行われる。 おとなを対象とするプログラムもある。 CAPは、Child Assault Prevention(子どもへの暴力防止)の略。


すべての子どもの学びを保障する
 国から地方への分権の流れがすすみつつある中、 教育の分権はなかなかすすまず、 地域主体の学校運営や子どもが主役の学校づくりとはほど遠い状況である。 いじめや不登校、 家庭の経済力による教育格差などさまざまな課題が指摘されつつも、 対処療法的な対応に終始し、 本質的な改善が行なわれていない。 教育の分権をすすめ、 学校運営の主体を子ども自身、 保護者、 教員、 地域に取り戻し、 子どもが安心できる学校づくりをすすめなければならない。 またインクルージョンの実現をめざし、 障がいのある子どもも、 外国籍の子どももすべての子どもが地域の中でともに学び、 ともに育つための環境を整備していくことが必要である。

  1. 教育の地方分権をすすめる
    (1)学校は、 子ども・保護者・教員・地域の主体で運営する
    (2)教員人事や学級定数は地域で決める
  2. 教育委員会のあり方を見直す
    (1)教育委員には若者や女性など幅広い人材を登用する
    (2)都教育委員会からの一方的な通達や通知をなくし、 地域の自主性を支援する
  3. インクルージョンの実現をめざす特別支援教育をすすめる
    (1)教育、 福祉、 医療の連携で、 幼児期から就労までのトータルな支援を行う
    (2)支援の必要な子どもをサポートするために特別支援コーディネーターやスクールソーシャルワーカーの養成をすすめる
  4. 外国籍の子どもへの支援をすすめる
    (1)都立高校における外国籍生徒枠を確保する
    (2)外国籍の子どもへの日本語教育を充実し、 学習権を保障する
  5. 不登校の子どもたちへの支援を多様につくる
  6. 教育のあらゆる場面で、 男女平等の視点を徹底する
  7. 命の教育としての性教育をすすめる
    (1)増加傾向のエイズ・性感染症の予防教育を徹底する
    (2)教職員への研修を行なうとともに、 産婦人科医や助産師、 保健師などとの連携をすすめる
  8. 学校安全基準を定め、 点検・評価のしくみをつくる

 

環境と調和した持続可能な都市づくり

省エネ・省資源・省廃棄の循環型都市・東京をつくる
 猛烈な暑さと局地的な豪雨など、 地球規模の気候変動が私たちの体感でも捉えられる。 人間の築いた文明が大量の温室効果ガスを排出し、 その影響がさまざまな現象となって現れている。 温室効果ガス抑制に早く取り組まなければ地球の存亡につながるという不安は、 もはや世界共通のものとなった。 大量生産、 大量廃棄で支えられた経済成長への決別と持続可能なまちづくりのために、 自然との共生はまさに今世紀の大きな課題である。 足元での生活の見直しと実践、 そしてその広がりをどのようにつくっていくかが問われている。

  1. エネルギー自立都市東京をつくる
    (1)公共的な施設に太陽光発電など自然エネルギー活用を義務づける
    (2)自然エネルギーでつくられる電力の普及、 支援のためにグリーン証書化を促進する
    (3)太陽光パネル設置などにあたっては、 市区町村、 NGO/NPO、 設置事業者などの連携で、 身近な地域にサービス体制をつくる
    (4)自然エネルギーを普及させるために電力の買取価格を高く設定し固定化する
    (5)公共交通や自転車の利用を促進する
  2. 水循環の確保・緑地保全を優先したまちをつくる
    (1)森―里山―公園―農地などをつなげた緑のネットワークをつくる
    (2)ヒートアイランド現象を防ぐ風の道を確保する
    (3)川の水質を浄化し自然を再生しながら、 水辺を市民のいこいの場にする
    (4)地下水を保全し水循環を推進する条例をつくる
  3. ごみゼロをめざす
    (1)生産者責任を拡大する
    (2)リユース・レンタルをすすめる
    (3)プラスチックは、 発生抑制をすすめる
    (4)産業廃棄物発生抑制と再利用のネットワークをすすめる
  4. 都市の成長を管理する
    (1)建物の高さ、 景観、 街並みなども加味した戦略的環境アセス制度※1を創設し、 まちづくりの成長管理を市民とともにすすめる
    (2)ダムや幹線道路の建設、 臨海部、 都心再開発を見直す
  5. 温暖化防止のため、 NGOとも協力し、 他国の都市と人的・技術的協力をおこなう

※1 戦略的環境アセス制度:「政策段階」 「計画段階」 で行なうアセスメント。 早い段階でのアセスメントは他の事業による累積的・複合的影響に対処できる。 「選択しない」 も含め複数案を提示し市民に選択させるしくみ。


もうひとつの住まい方※1で新しいコミュニティをつくる
 オートロックマンション、 さらに敷地内には居住者と招待者以外は入れない 「ゲーテッド (閉鎖型要塞) タウン」 と呼ばれる大規模開発など、 東京の住まいは、 コミュニティづくりに逆行している。 防災・災害復興には、 コミュニティが必要であるといわれながらも、 住宅そのものがコミュニティづくりに不向きのため、 コミュニティの再生がなかなかすすまないのが現状である。
 一方で、 コーポラティブハウス、 コレクティブハウス、 シェアハウスなど、 自主的に新しいコミュニティを創出する、 安全で安心な住まいを共同でつくるという 「もうひとつの住まい方」 が増えつつある。 今後、 地域のなかで安心して住み続けられるコミュニティづくりのためには、 「もうひとつの住まい方」 は欠かせないテーマである。 さらに、 一人暮らしをしたくても自立できない若者が急増している現状、 今後増えることが予想される高齢の一人暮らしの女性など、 「もうひとつの住まい方」 の必要性は高まっている。 「もうひとつの住まい方」とは、 住まいの協同組合的発想であり、 これまで住まいは、 自助と公助しかなかったが、 共助ですすめる新しい住まいづくりである。

  1. コミュニティを創出するための共同の住まいづくりを支援する 「新しい居住権 (使用居住権※2)」 を確立する
    (1)居住者組合の法人化制度※3をつくる
  2. もうひとつの住まい方 (多様な住まい方) を支援する
    (1)デベロッパーやハウスメーカーだけでなく、 多様な事業体が住宅をつくることができるよう、 居住者組合などの居住再生事業に無担保低利融資制度をつくる
    (2)都営住宅建て替えで民間を活用する※4とき、 居住者組合を導入して、 「もうひとつの住まい方」 が参画できるしくみをつくる
    (3)UR住宅※5の建て替えに際して居住者組合が、 幅広い出資を獲得できるようにする
    (4)出資者、 出資事業体、 融資機関などへの優遇税制を創設する
    (5)NPOバンクが公益的な共同住宅計画に出資したり、 金融機関がNPOバンクや居住者組合に低利融資を行った場合に、 事業体もしくは出資個人に税優遇策などのインセンティブを与えることができる制度をつくる
  3. コミュニティ形成のためのソーシャルミックス (多様な世帯の混在) を促進する
    (1)公営住宅制度(法)※6を見直す。 住宅政策を大きく変換し、 住宅群をひとつのコミュニティと捉え、 都営住宅のソーシャルミックス (多様な世帯の混在) をすすめる
    (2)公営住宅制度の見直しにより、 都営住宅の同居親族要件を緩和する
    (3)住宅困窮者で、 都営住宅に入居できない人のための、 家賃補助制度をつくる
    (4)民間の一定規模以上の住宅を建てるとき、 障がい者のための住宅を確保する

※1 もうひとつの住まい方: [Alternative Housing & Living /AHL] 住まいの形として、 コーポラティブハウス、 コレクティブハウス、 グループリビング、 シェアハウス、 エコヴィレッジなどがある。 目的は、 自主的な新しいコミュニティの創出、 安全で安心な住まいを共同でつくるというもの。 特徴は、 所有と賃貸の間の 「権利・責任」、 「自由度」、 「コスト」、 「管理運営」 などの面における中間性であり、 そこに優位性がある。
※2 使用居住権:現在の日本では、 居住の権利の考え方は、 所有居住権 (区分所有) と賃貸居住権 (賃貸) の2つしかない。 それに対して、 使用居住権という新しい住まい方の提案。 これは日本では存在していないが、 海外では普通に見られる権利である。 居住者などからなる協同組合などが建築物を所有し、 そこに住む権利を居住者が所有するというものであり、 その使用居住権を売買することで移転が行われる。
※3 居住者組合の法人化:居住者によって構成される法人格をもった組合。 北欧やカナダ、 アメリカなど欧米諸国のコーポラティブ住宅の多くは、 居住者組合法人が土地や建物を所有し、 組合員の居住者は使用権で居住する。 区分所有と比べ、 組合の権限が強く、 保守管理修繕が組合主導で適確に行え、 居住者が運営するため良好なコミュニティが育ちやすいとされる。 日本では、 法人格をもつ居住者組合が制度化されていないので、 組合として不動産を所有できないため、 コーポラティブ住宅も建設組合で建設資金の融資を受け建設したあとは、 個々の居住者が通常の分譲マンションと同様に区分所有をする。
※4 民間活用:都営住宅建て替えの際、 土地の高度利用により (戸数を変えず高層にする)、 都市再生用地(民間施設ゾーン)を創出し、 これを民間事業者に貸し付ける。 民間事業者は、 土地を定期借地権にして、 マンションを建て分譲する。
※5 UR住宅:独立行政法人都市再生機構の住宅 (旧公団住宅)。
※6 公営住宅制度(法):都営住宅の入居については、 公営住宅法 (制度) 規制がある。 入居資格は、 (1)同居親族要件、 (2)入居収入要件、 (3)住宅困窮要件がある。 また、 入居に際しては、 公募の原則がある。


食べることは生きること
 食べ物の安全を求める粘り強い活動の結果、 2004年、 大消費地である東京に 「食品安全条例」 を制定、 また有害化学物質の「子どもガイドライン食事編」を策定することができた。 しかし、 グローバル化がすすむ中で、 その安全性を揺るがす事件は後を絶たず、 遺伝子組み換え食品の表示義務も不十分な現状にある。 食の問題とともに環境保全、 防災の面も含め、 都市農業を推進するための基本姿勢を示す条例を提案していく。
 また、 自給率39%という現状が、 いかに他国の資源や食料を奪っているかについて、 「フードマイレージ」※1や 「バーチャルウォーター」※2の視点から、 地産地消の重要性をわかりやすく伝え、 生きるために必要な安全な食べ物への意識啓発をすすめていく。

  1. すべての人の安全を確保するため、 食品添加物や有害化学物質には 「子ども基準」 をつくる
  2. 遺伝子組み換え作物は作らせない
  3. 遺伝子組み換え食品の表示義務を徹底する
  4. 地産地消をすすめ、 環境保全、 防災に役立つ農地を守る
  5. 東京都に 「都市農業推進条例」 をつくる
  6. 学校や地域で 「生きるための食べ物」 の学習をすすめる

※1 フードマイレージ:食べものが生産国から消費国まで運ばれるのに要する距離を積み上げていく考え方。 「フードマイレージ=食料輸入量(t)×輸送距離(km)」。
※2 バーチャルウォーター:輸入しているものと同じものをもし自分の国で生産したら、 どれくらいの水が必要か、 を表したことば。


災害に強いまちをつくる
東京の災害対策は、 大地震を想定してつくられているが、 地域の市民による地域の実情に合わせた災害対策が必要だ。 いつ来てもおかしくない地震に対する構えは、 地域のコミュニティだけでなく、 人が集中する場所にも必要だ。 1995年の阪神淡路大震災、 さらに2004年新潟県中越地震での避難所運営などの体験から、 女性の視点が不可欠であることがみえてきた。 高齢者、 子ども、 外国人や障がいのある人など、 災害時要援護者・情報弱者に対する対応も整っていない。
 また、 短時間に局地的に降る豪雨による水害対策も急がなくてはならない。 都市型水害は無秩序な都市開発によるものだ。 都市の地盤の情報を公開し、 共有しておくことが災害に備える基本である。 地域のまちづくりのルールを市民主体でつくり、 防災力を強化していく。

  1. 住宅の耐震化、 避難所の耐震化をすすめる
  2. 防災計画、 災害復興支援にジェンダーの視点を取り入れる
    (1)計画・マニュアル策定における女性の参画をすすめる
    (2)避難所運営、 地域復興活動に女性の視点を活かす
  3. ターミナル駅や人のおおぜい集まる場所で、 その地域の事業者や住民と帰宅困難者対策協議会をつくる
  4. 都市型水害を防ぐ
    (1)雨水利用・雨水浸透マスを義務づけ、 設置を支援する
    (2)道路や駐車場の雨水浸透及び公園や学校の校庭に雨水貯留槽の設置をすすめる
    (3)自治体のハザードマップ情報を把握し、 広域災害対策に活かす

 

   

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