東京・生活者ネットワーク
トップページ都議会情報 > 2004年
都議会情報
第三回定例会代表質問:大河原雅子
都議会生活者ネットワーク 新役員決定
急がれる小笠原の環境保全 東京都を中心に国、村の連携で:新井 美沙子
第二回定例会代表質問 :新井 美沙子
都立公園に「冒険遊び場」導入へ :山口文江
規制だけではなく、子どもの育つ力の育成を!:大西由紀子
都の新銀行は勇気ある撤退を!:大西由紀子

「食品安全条例制定」都に制定:大河原雅子

都は「子どもの権利擁護委員会」存続を!
世界の流れに逆行するな!:執印真智子

第一回定例会一般質問 :山口 文江
第一回定例会代表質問 :大西由紀子
新銀行創設  厳しく問われる知事の説明責任 :藤田あい子
水余りに逆行するダム建設に反対

第三回定例会代表質問
大河原雅子

2004年9月28日

地方分権型義務教育の財源について
Q1 「三位一体改革」に関する政府と地方団体の協議会が開かれましたが、地方側が示した補助金削減案に対し閣僚は反論を行い、早くも省庁側の抵抗が露呈した状況です。ローカルパーティーとして分権を強く望む私たちとしては、今回の知事会の決定については、初めから3兆円の数あわせと見る向きもありましたが、分権など頭にない国の政治家と官僚が、「三位一体改革」の中身を提示できなかったことを考えれば、一応の評価をするものです。
しかし、義務教育国庫負担については、義務というからには補助金ではなく全額国庫からの支出があってしかるべきです。今回の議論の悲しむべきは、教育水準と財源が同じ土俵でなされたことです。地域にあった教育を実践したい、地域の工夫で画一的な教育から脱皮したいと、多くの自治体は考えています。地方の裁量が広がったとはいえ、国に対して、お金を出しても、口は出させない方法を議論しなければなりません。「地方分権型義務教育についての見解」を東京都から出すべきだと考えます。今回、国庫補助負担金改革に関し、知事会案が政府に投げ返されましたが、都は、基本的見解で補助金や交付税の改革の必要性を訴えています。今後、改革の具体的な考え方をいつ、どのように示されるのか、知事の見解を伺います。

A1(知事答弁)
経済財政諮問会議は、11月半ばを目途に、国庫補助負担金や交付税などについて、「改革の全体像」をとりまとめるとしている。しかし、現状は、関係各省などの抵抗で、いまだに補助金改革の方向すら定まっていない。私自身、すでに小泉総理をはじめ関係閣僚や経済財政諮問会議のメンバーに直接都の見解を伝え、本質的・抜本的改革を促してきた。今後とも、真の地方分権改革につながる考え方を具体的に示しながら、世論に訴え、国に働きかけていくつもりだ。

第二次財政再建プランの実行について
Q2 先日発表された4〜6月期のGDP改定値は、設備投資が増えたことで上方修正されると考えられていましたが、実際には在庫投資の寄与度が下方修正されるなど、景気が上昇するばかりとは読みきれないようです。
都財政においても、法人二税の増収が伝えられていますが、6割を占める消費動向は将来不安から上昇せず、また原油高騰や金利の上昇など大変不安定要素が大きい中、第二次財政再建プランを着実に実行していくことが重要と考えますが、知事の見解を伺います。

A2(知事答弁)
 第二次財政再建推進プランについてであるが、巨額の財源不足や隠れ借金が依然として存在し、基金残高も減少するなど、都財政の再建は途半ばにある。景気の先行きを楽観視する一部の声に流され、ここで財政再建の手を緩めると、これまでの努力すら水泡に帰してしまうことになりかねない。中期的にも安定的に行政サービスを提供できる、持続可能で強固な財政体質を確立することを目指し、財政構造改革の取り組みを進めていくことが重要である。短期的な景気動向にとらわれることなく、さらに気持ちを引き締めて、第二次財政再建推進プランを強力に推進していく。

水道料金について
Q3 水道はすべての人のライフラインとして、事業運営にあたっては、本来の目的である公共の福祉の増進をはかり、同時に、効率的な事業運営が求められてきました。水道料金は平成6年の改定以来10年間値上げを行なわずにきましたが、言い換えれば、需要構造の変化や都民ニーズに応える料金制度の見直しは、今日まで先送りされてきたともいえます。
水道会計は独立採算といいながら、経営構造について都民にわかりやすい説明がなされてきたとはいえず、今後の情報提供のあり方が重要となります。また「公共事業やさまざまなサービスを、一つの商品としての価値を見極める、消費者の厳しい目が注がれている」と、水道事業経営問題研究会のまとめのことばがあります。今回の料金体系の見直しを提案するにあたり、水道局としてアカウンタビリティの確保をどう認識されていますか。 

A3(水道局長)
 水道事業においても、アカウンタビリティの確保は重要であると認識しており、経営に関する情報は、積極的かつわかりやすく公開していくことが必要。このため、定期的に経営計画を策定し、施設整備長期目標を設定するなど、目標管理を徹底するとともに、事業評価を導入し、その成果を公表することなどで経営内容を都民に分かりやすく説明。今回の経営計画における料金体系の見直しについても、パンフレットやホームページといった広報媒体を活用するなど、あらゆる機会を通してこれまで以上に積極的かつ分かりやすいPRに努める。

Q4 都民にとって値下げは歓迎されるはずですが、財政不足や料金収入の減少がありながらの値下げは、わかりにくいものです。公営企業たるもの、内部努力は最大限行なうことは当然ですが、サービスの質が落ちるようでは困ります。都民アンケートでも安全性をもとめる声も多く、水道・水質などの検査体制が簡素化・簡便化されるのではないかとの危惧も生まれます。見解を伺います。
A4(水道局長)
 今回の料金改定は、事務事業の一層の効率化など、最大限の企業努力を実施することにより、料金水準を引き下げるもの。経営プランにおいては、より信頼性の高い水道システムを構築していくとともに、都民ニーズに的確に対応した、質の高いお客さまサービスを展開していくこととしており、そのために、必要な事業を計上。水質に関しても、検査体制の強化をはかるなど、今後とも水道水質の安全性の確保に万全を期す。

Q5 水道料金の見直し案は、基本水量を10トンから5トンに引き下げ、逓増型料金体系は維持しつつ、最高単価を引き下げて逓増度も下げるなど、水道事業経営問題研究会の報告を丁寧にトレースしており納得のいくものです。しかし、研究会報告では、節水のインセンティブをより働かせるため、将来的に基本水量の全廃を提案しており、今後、環境への配慮をもった節水インセンティブが働くしくみや、コストに見合った料金体系に向けた検討をすべきであると考えますが、見解を伺います。
A5(水道局長)
 基本水量は、水道の普及促進や、公衆衛生の向上を目的として導入。今日では、水道の普及率は100%に達し、むしろ、節水など、環境への配慮が社会的な要請。一方で、基本水量のさらなる見直しなどについては、都民生活に与える影響など様々な課題。今回の見直し結果を十分に検証しつつ、慎重に見極める。

水循環について
Q6 都は野川流域を対象地区とし、水循環再生事業として地下水かん養に最も効果的な雨水浸透ますの設置に補助を行っています。野川流域の住民や自治体からの強い要望を受け、平成2年度から湧水保全モデル事業として国分寺から始まり、順次対象区市を拡大してきた事業です。
 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の規定に基づき、地下水の保全をはかるため、雨水の地下浸透の方法などについて定めることを目的に、「東京都雨水浸透指針」が平成13年度に策定されました。平成14年度に、全国に先駆けて湧水を取り上げ「東京都湧水等の保護と回復に関する指針」を策定しました。翌年には、湧水に対する都民の関心を集め、その保護と回復をはかるため、57カ所の湧水を「東京の名湧水」として選定しています。都市の市街化により、著名な湧水までも開発の波にさらされるなど、湧水等の消滅が進む現状の中、都は、地下水のかん養、湧水量の増加による池や河川の浄化作用、河川の氾濫防止、水辺環境向上などに大きく寄与する雨水浸透ます設置補助事業を推進し、これまでの湧水の保全に関わる施策は高く評価できます。
野川流域において、清らかで豊かな水の流れを、将来の世代に残すためには、雨水をより多く地下に浸透させて、地下水や湧水を守ることが重要です。
そのために、これら2つの指針の趣旨を踏まえ、都は地下水を保全するために、どのような対策に取り組む予定でいますか。

A6(環境局長)
 地下水の汲み上げ規制の実施、雨水浸透施設の普及促進、「東京の名湧水57選」の選定及び周知などにより、地下水の保全や湧水の保護と回復を推進。野川流域における地下水や湧水の保全は、流域全体での広域的な取り組みが必要。関係自治体と連絡会を設け、連携して雨水の地下浸透の効果的な対策を検討。都民や事業者が、自発的に雨水浸透対策に取り組むことができるよう、地下水保全の重要性や雨水浸透の方法に関する情報を積極的に提供。

男女平等施策について
Q7 都は、他県に先駆け、2000年より「男女平等条例」を施行しています。その前文で「男女平等は前進してきているものの、なお一方の性に偏った影響を及ぼす制度や慣行などが存在している」と指摘しています。「男女雇用機会均等法」の制定にみるように、あからさまな直接差別は減少したかにみえます。しかし、性には関わらないようにみえながら、実質的にどちらかの性に不利になる規則や制度が間接差別としてあり、都の「男女平等条例」前文ではそこを指摘しています。まだ途半ばにある男女平等参画のため、東京都行動計画「チャンス&サポート」が策定され、差別解消に向けた取り組みが進行中です。学校における男女混合名簿の推進もそのひとつで、行動計画では「出席簿において男女に順序をつけるような取り扱いをしないため、都立学校において、混合名簿の全校実施を推進する」としています。
8月26日の東京都教育委員会の男女混合名簿に関する決定は、「男女平等条例」や行動計画とは、相容れないように思われます。東京都の今後の男女平等および男女混合名簿の推進について、取り組みの姿勢を伺います。

A7(生活文化局長答弁)
今回の教育庁の通知は、「男らしさ」や「女らしさ」をすべて否定するような誤った考え方としての「ジェンダー・フリー」に基づく男女混合名簿を作成することがないよう、都立学校長に配慮することを求めるもの。行動計画の策定などに係わる、東京都の男女平等参画の考え方と基本的に矛盾するものではない。今後も、男女平等参画基本条例に基づき、都民、事業者と連携・協力し、男女平等参画施策を着実に推進していく。

Q8 東京都教育委員会が、都立学校長に宛てた混合名簿に関する通知で「学校において混乱を招いている」と述べた箇所について、具体的にどこの学校でどのような混乱が生じているのかを伺います。
A8(教育長答弁)
 東京都教育委員会は、男女が互いの違いを認めつつ、個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を児童・生徒に理解させ、その具現化をはかるため、男女平等教育を推進してきたところである。一部の小学校では、身体計測や内科検診を男女混合名簿に基づき男女混合で行なったり、高学年の組体操を男女混合で行なったりする指導があり、これらの指導は、体に変化が生じている時期の児童に対して配慮に欠けたものであり、児童が苦痛に感じているとの苦情が保護者等から寄せられている。一部の小・中学校では、出席簿が学級担任の判断によって男女混合名簿であったり男女別名簿であったり、学校としての方針が統一されていないことから、学校全体で行なう教育活動等に支障が生じている。こうしたことは、校長の学校運営に支障をきたすとともに、保護者や都民からの信頼を損ねる問題でもあるので、関係の区市町村教育委員会と連携をはかり、指導・助言等を行ってきたところである。東京都教育委員会は、これまで望ましい男女平等参画社会の実現に向けた取り組みの一環として、男女混合名簿の導入を推進してきたところであり、今後とも外部からの圧力に影響されることなく、男女平等教育が適正に行われるよう各学校を指導していく。

Q9 1999年に「改正男女雇用機会均等法」が施行され、それまで努力義務だった募集・採用・配置・昇進など女性に対する差別が禁止されました。しかし、昨年の国連女性差別撤廃委員会において、日本は労働市場におけるポジティブ・アクションの推進やコース別雇用管理に基づく事実上の間接差別の是正を求める勧告を受けています。また、今年6月に厚生労働省が発表した「男女雇用機会均等政策研究会報告」は、「ポジティブ・アクションについては、企業の理解は進みつつあるが、なお、大きな広がりを持った動きには至っていない」と指摘しています。
男女間の明白な差別的取り扱いは払拭されつつありますが、事実上の格差が雇用の場に依然として残っています。都も2003年に、企業がポジティブ・アクションに取り組む際の指針として「ポジティブ・アクション実践プログラム」を作成するなど、普及啓発に努めてきました。こうした取り組みに、さらに踏み込んだ対応が必要です。ポジティブ・アクションの効果的な普及のため、今後どのような取り組みを行なう予定かを伺います。

A9(産業労働局長)
 ポジティブ・アクションの普及啓発を効果的にすすめていくためには、企業の意識や取り組み状況を的確に把握し、問題点を分析していくことが重要。このため、今年度「企業における女性の活躍とポジティブ・アクションに関する調査」を実施し、今後の普及啓発に活用していく予定。また、新たに企業間の意見交換や情報収集を行なう「ポジティブ・アクション・ネットワーク会議」を開催するなど、引き続き、普及啓発に積極的に取り組む。

(参考)
「ポジティブ・アクション」とは、固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から生じている差の解消を目指して個々の企業が進める自主的かつ積極的な取り組みのこと。

公立学校の教員不足について
Q10 今年度、都内公立中学校の教員が9月現在で、約50人も不足し、学校は臨時採用の教員で対応せざるを得ず、保護者の間から不安の声があがっています。東京都は、昨年より400人多く教員を採用しましたが、教員不足は隠せない事実です。一般退職や年度途中退職などの増加が要因だといわれますが、子どもの学びを保障する上での環境整備は都教育委員会の果たすべき責務です。こうした事態を来年度避けるためにどのような対応をされるのか。
A10(教育長答弁)
 平成16年度は、年度途中の退職者が想定を上回ったため新規採用者で補充できないケースを、非常勤講師を充てるなど、教育活動に支障を生じないように対応した。平成17年度は、平成16年度の状況を踏まえ、児童・生徒数の推移、年度途中の退職者の数等を十分精査し、人材の確保に努めていく。

Q11 5年後、団塊の世代が定年退職を迎える時期には、教員の数は激減します。都教委は今春、東京教師養成塾を設置し、小学校教員志望の大学4年生約100人を集め、1年間の実習や講義プログラムで指導力を磨いた塾生を特別選考で採用することや、都内公立校での5年以上の正規教員経験者を再採用する特例を設けています。しかし、安定した教員の確保には、子どもたちを取りまく状況の変化や、学校運営において教員に求められる職務の多様化、そして何よりも都教委からの管理体制の強化のもとにおかれている教員の現状について、厳しい分析を都教委自らが行なわなければなりません。教員が働きやすい学校運営が行なわれなければ、教員確保の根本的な問題解決につながらないと考えます。今後、習熟度別指導など少人数指導の定着や、特別支援教育の推進には、専門性の高い教員の配置が求められることからも、都の教育行政そのもののあり方を問い直す時と考えますが、見解を伺います。
A11(教育長)
 都教育委員会は、人物評価の重視など選考方法の改善、採用後の研修の充実などで、人材の確保・育成に努めている。また、学校の経営基盤を強化するために、主幹制度の導入や異動要綱の見直しなどの施策を展開している。今後とも、施策の積極的な展開により、優れた教員の確保に努めていく。

個人情報保護について
Q12 情報処理技術や通信技術の進展で、情報の大量自動処理や多面的な利用が可能になり、公的部門のみならず、民間部門においても個人情報が大量に収集、データ化され利用されています。生活の利便を増すのに役立つ反面、個人情報の取り扱いに適正を欠いた場合には、個人のプライバシーが侵害される恐れが広がっています。
国において、2003年5月、「個人情報の保護に関する法律」をはじめ関連5法が成立し、個人情報保護制度が整備されました。これを受け、7月、東京都情報公開・個人情報保護審議会は、「個人情報保護制度の新たなあり方についての提言」を発表しました。
今回の提言では、自己に関する個人情報の開示及び訂正を求める請求権に加え、「利用停止請求権を設ける」とされています。ただし、「開示決定された情報だけ」が対象であり、種々の状況から見て、個人情報が利用されていると本人が判断しても、文書不存在といわれることも懸念されます。都民のプライバシーを積極的に保護し、基本的人権の擁護をはかるうえの権利保障としては不十分と考えます。
また、個人情報保護の徹底のため公安委員会が実施機関に加えられています。しかし、警察責務の遂行に支障が生じることのないよう「犯罪の予防、捜査等公共の安全と秩序の維持にかかる事務」について例外規定を定める必要がある、との提言です。犯罪の予防と言えばすべての警察業務が例外規定になるとも受け止められます。条例改正にはこの点において公安委員会と十分な話し合いをもつことが必要です。開示、収集の制限、取り扱い事務の届出・公表がその対象ですが、事務の届出については、情報の取り扱いの透明性を確保するために、できるだけ例外規定を排除すべきと考えます。見解を伺います。

A12(生活文化局長答弁)
 審議会答申は、都公安委員会(警視庁)が取り扱う個人情報についても、その存在を広く都民に知らせる必要があることは他の事務と変わりない。遺失物に関する事務、運転免許証の発給に関する事務等は都の一般的な事務と同様に扱われることが適当。犯罪の予防、捜査等公共の安全と秩序の維持に係る事務については、秘匿性が要求され、届出・公表の対象外とするのが適当。都は、答申の趣旨を踏まえ、検討。

Q13 オンライン結合は、高度情報通信社会における都民の利便性や、行政の効率化に寄与しますが、アクセスによる情報の不当な改ざん、破損、漏洩といった事故が発生する危険性も生じます。オンライン処理は、プライバシー保護のために十分な安全対策が求められます。現行条例の「事務の執行上必要かつ適切と認められ、必要な保護措置が講じられている場合を除き、原則外部提供してはならない」という点について、国は「原則提供してはならない」を削除するよう求めていますが、条例改正にあたってはこの考えを遵守すべきと考えます。見解を伺います。
A13(生活文化局長答弁)
 現行条例は、事務の執行上必要かつ適切と認められ、必要な保護措置が講じられている場合を除き、オンライン結合による外部提供をしてはならないとする。審議会答申は、この規定を維持すべきとしている。今後も、オンライン結合の制限を維持し、都民の利便性の向上、行政の効率化を達成しつつ、都民の個人情報の保護を一層はかっていく。

遺伝子組換え作物について    
Q14 遺伝子組み換え作物については、アメリカやオーストラリアなどの自治体で栽培規制をするなど世界的に動きが活発になっています。ドイツ議会では非遺伝子組み換え(非GM)食品の生産を保護する法案が採択されています。日本においても、北海道や岩手に続き滋賀でも遺伝子組み換え作物に対する栽培指針が策定されました。いずれも、消費者や農業者などの不安に応えてのことです。
都は、「遺伝子組み換え作物について、多くの都民や農業者の不安に応えるため、年内に検討組織を設け、検討する」としており、期待しています。
この検討委員会は、東京産農産物に対する不安や風評被害などの混乱を未然に防ぐ対策を、多くの農業者や都民(消費者)の参加で進めるべきですが、検討方向について伺います。

A14(産業労働局長)
現在、検討委員会の設置に向け準備しているところであり、学識経験者、農業者、消費者等の様々な立場から幅広い参加により論議を深めていく。この検討委員会では、国の制度の問題点を明らかにし、栽培予定者からの事前の情報提供や、近隣住民等への説明を求めることなど、都の指導指針のあり方などについて検討していく。

Q15 今年4月に内閣府大臣官房政府広報室は、「科学技術と社会に関する世論調査」の結果を発表しました。科学技術の発展により不安を感じる分野を聞いたところ、「遺伝子組み換え食品などの安全性」を挙げた人の割合が約60%と最も高くなっています。
「科学技術に関する政策の形成には、研究者や行政官といった専門家だけでなく、国民自身の参画がより一層必要となってくる」と思う人の割合は約72%、「科学技術について知りたいことを知る機会や情報を提供してくれるところは十分ある」と思う人の割合は約18%となっています。遺伝子組み換え農作物に対する市民の関心に的確に応えていくことが重要です。このため、農林水産省では遺伝子組み換え作物に関する市民からの要請・提案に応える取り組みとして、市民会議を開催しています。
 東大農場での実験栽培に関して、東大側からの説明が都民の理解を得られなかった経緯を踏まえ、都においては都民との相互理解の醸成や信頼関係の構築をはかるためにリスクコミュニケーションのあり方について重点を置いた取り組みが重要であると考えます。
都としても今後、遺伝子組換え技術のあり方をめぐる社会的合意形成に向けた、市民対話、市民参加のあり方、情報提供のあり方等、相互理解のための場づくり等、様々な手法を試みていくべきであると考えますが、見解を伺います。

A15(産業労働局長)
 専門家が、遺伝子組み換えに関する技術開発等を行なう上で、その技術に関する情報を積極的に提供するとともに、都民の抱く不安や関心について理解することが重要。現在準備を進めている検討委員会では、意見交換の場づくり等も指導指針策定上の課題。今後とも、相互理解を進めるための様々な手法について考えていく。

<再質問>
Q 男女混合名簿による混乱とは、小中学校だけのことと解してよいか。
A 事例として小中学校について述べただけであり、高校でも混乱がある。


都議会生活者ネットワーク 新役員決定

7月21日の会派総会で以下の通り決定しました。 
 幹事長 藤田愛子
 政調会長 新井美沙子 


急がれる小笠原の環境保全

東京都を中心に国、村の連携で

 小笠原諸島は、 父島列島・母島列島・硫黄島列島など、 太平洋に散在する30余りの亜熱帯の島々の総称です。 小笠原は第2次世界大戦の戦局により、 1944年に7000人近い島民が強制疎開させられ、 敗戦により米軍の占領下に入るという特異な歴史をもつ島です。 68年に日本に返還され、 島民の帰島が許されましたが、 その歴史が自然や地域振興に与えた影響が大きいことは言うに及びません。 自然保護、 地域活性の両面から対策が急がれる小笠原諸島を視察しました。 7月3日〜7日。

報告 東京・生活者ネットワーク都議会議員(多摩市・稲城市) 新井美沙子

絶滅の危機にある島固有の貴重な動植物

 珊瑚さんごがいっぱいの青い海、 緑の木々が揺れ、 固有の珍しい動植物が生息する小笠原の島々は、 72年にはその大部分が国立公園に指定されました。 昨年5月、 国の 「世界自然遺産候補地に関する検討会」 においては、 その候補地のひとつとされましたが、 惜しくも指定されませんでした。 理由は、 動植物ともに外来種 (移入種) がはびこっていること、 兄島の飛行場予定地だった部分が自然保護地区に指定されていないことでした。
 東京都では移入種の駆除と在来種の保護に本格的に取り組み始めていますが、 アカギ・モクマオウなどの樹木やノヤギ・ノネズミ・アノールトカゲといった移入種の生き物退治は一筋縄ではいきません。 一方で、 島固有の貴重な動植物たちは次々と絶滅の危機に瀕しています。 小笠原独自の 「乾性低木林の上に背の高いマルハチやセボレーヤシが大きな円を描く風景」 は消えつつあります。  

保全とともに欠かせない地域振興・まちおこし

 視察で明らかになった大きな課題のひとつは、 世界自然遺産指定にむけて、 国・東京都・村の連携がまったくできていないことです。 国に関していえば、 林野庁がアカギ対策に取り組んでいるものの、 環境省は島に来てもいません。 上陸するのさえたいへんな兄島などのノヤギやノブタ、 はびこる外来種の樹木駆除は自衛隊が取り組めば可能かもしれませんが、 都が独自に実施することは困難です。 すでに絶滅してしまった種、 絶滅しそうな種が多く、 昆虫は手つかずの状態で調査さえ行われていません。 都が中心になって国や村と協議の場をつくり、 分担して取り組まなければ外来種の駆除も在来種の保存も進まないでしょう。
 もうひとつの課題は、 進まない小笠原の地域活性化で、 都の 「亜熱帯農業センター」 の役割を見直すことも必要です。 同センターは亜熱帯農業の研究と植物園の経営を行っていますが、 植物園は地元NPOに任せて、 たとえば「地域資源開発センター」 として亜熱帯果実の流通を図るなど、 小笠原の地域振興・まちおこしを視野に、 自立支援をしていくことが望まれます。 強制疎開、 そして強制帰還という特異な経験をもつ島の自立にむけた振興は重要な課題です。
 さらに、手術を要するような重い病気になると、病院がないため自衛隊のヘリで内地(東京)に運ばざるを得ず、高齢化率が12%と低いというのが実態です。 船は6日に1回しか出ず、親の死に目にも会えないことがたびたびなど、課題は山積しています。

小笠原の島々を世界自然遺産の地に

 東京都小笠原村。 竹芝桟橋から父島までは1007km。 船に揺られて片道25時間かかるこの島々で、都の環境局は例年エコツアーを行っていますが、 来年には高速艇が就航し、 16時間で小笠原を結ぶことができるようになります。 早急に局関連携を図り、 自然保護と地域振興の両面から支援のあり方を模索することが必要です。
 東京都は、 村や住民の信頼を得ており、 小さいながらも地元で活躍するNPOと都との連携も始まっています。 今回の視察では、 自然保護や小笠原文化の継承を目的に活動している4つのNPOとも交流してきました。
 東京に世界自然遺産に指定されるような小笠原という島々がある……、 素敵だと思いませんか。 なんとか課題をひとつづつ解決し、 登録を実現させたいものです。


2004年6月8日

第二回定例会代表質問
新井 美沙子

地方分権をすすめる財源について
Q1 石原知事は、1999年に都知事に就任されてから、3人の副知事体制で都政運営を進められてきました。昨年には、「第2次財政再建推進プラン」や「都庁改革アクションプラン」を出され、大幅な職員削減にも取り組まれています。さまざまな見直しが求められている厳しい時代に、4人の副知事体制をしくにあたっては、その役割と全体的な都政運営の構想を、所信表明などで、都民に対し明確に説明する責任があったと考えます。
さて、「地方分権改革に関する東京都の基本的見解」で、都は財政的に国と地方のこれまでのシステムがすでに破綻したことを明確に示されました。地方財政制度の抜本改革を具体的な数値を掲げて提起したことは、分権・自治を最大の課題とする私たちにとっては評価できるものです。
この基本的見解に示されたように、日本の社会システムは大きな変革期にあります。政府単独で多様化した市民ニーズを満たすことは不可能ですし、財政的にもこれまで行ってきたサービスが提供できなくなったことは明らかです。国から都道府県へ、そして市民に一番身近な市区町村へ税財源の委譲を進めなければなりません。しかし、改革案を提示して、国が実施するのを待つばかりでなく、自らが実践することで、実質的な分権を進めることも必要です。
寄付金控除制度の抜本的な強化を進め、自治体の政策を提示して、そこに納税者から寄付を募ることも、分権推進の効果があります。都は、国に向けた制度改革を要求するだけではなく、地方が起債や交付税に頼らない自治が獲得できるような具体的なしくみを提示するべきではないでしょうか、考えを伺います。

A1(知事答弁)
地方分権改革の目的は、全国の自治体が自立し、地域の実情に即した政策を自主的に展開できるようにすることである。ご提案も含め、さまざまな議論があることは承知しているが、今、何より肝要なのは、現行制度の枠内での工夫にとどまらず、制度そのものを抜本的に改めることだと考えている。また、改革は、単に国に要求するだけで実現するものでないことは、十分承知している。首都圏をはじめ全国の自治体と連携しながら、改革に取り組むことが重要であると考えている。都議会のご支援もいただきながら、庁内一丸となって取り組んでいく。

NPOとの協働推進について
Q2 社会の大きな変化に伴い、期待されているのがNPOです。NPO法が制定されてから6年。認証数は東京で3323、全国では16000を超え、資金難や制度面での課題を抱えながらも、環境、福祉、教育、まちづくりなど様々な分野で、社会の大きな担い手に育ちつつあります。NPOとの協働を進めることは、市民にとってはきめ細かなニーズが満たされ、NPOにとっては経営基盤の強化につながり、結果として地域社会全体に活気が生まれることになります。
都ではH13年にNPOとの協働の指針、そして協働のマニュアルを策定し、その推進に取り組んできましたが、この4月の組織改正に伴い、都民協働部が都民生活部へ、市民活動推進課が管理法人課へと変更になりました。都民協働、市民活動推進、というふたつの象徴的な名称が組織図から消えましたが、その取り組みについて、都の姿勢を伺います。

A2(生活文化局長答弁)
都は、これまでNPOと行政との協働を推進するために、市民活動の促進に向けた環境整備を図ってきた。現在、各局や区市町村においては、共催や委託、情報交換などさまざまな形態でNPOとの協働が実施されている。この4月に、都民生活部に名称変更したが、引き続き行政と都民やNPOなどとの連携を推進する立場から各局や市区町村への情報提供などを図っていく。

Q3 直接的な現場を持つ市区町村ではNPOとの協働事業が進みつつあります。都においては、公の施設の管理・運営に対して指定管理者制度導入方針を打ち出すなど、NPOの参入への取り組みは緒についたばかりといえます。他県では、県民税の1%をNPO支援に導入を予定する、また、契約の仕方に工夫を凝らし、NPOのみを対象としたプロポーザル方式を採用するなど、着々とNPOとの協働を進めています。
NPO活動の一層の推進のために、行政とNPOとの協働に対して、さまざまな情報を把握する生活文化局が、各局や区市町村に強力に働きかけることが重要と考えます。推進の考え方を伺います。

A3(生活文化局長答弁)
 現在、行政とNPOとの協働については、災害対策や自然保護、防犯等、具体的な分野において行われている。NPOの中には、専門性や優れたアイデアを有するものもあり、事業内容や規模によっては、行政とNPOが協働することで、多様できめ細やかなサービスを安価に提供できる場合もある。先駆的な協働事業を行っている他県の事例なども含め、具体的で幅広い情報を各局や区市町村に提供するなど、今後とも、行政とNPOとの協働事業を適切に推進していく。

公務員の働き方について
Q4 先般、人事院は「営利企業への就職に関する年次報告」いわゆる「天下り白書」を国会と内閣に提出しました。課長・室長級以上の天下りは78件で、就職に至る経緯では「官の斡旋・仲介」が56%、「自発的就職活動・知人の紹介」が27%、「公正な人材活用システム」が12%、ということでした。国家公務員の場合、在職中の仕事とつながりの深い企業への再就職に一定の法的制限があり、役所の許認可などを必要とする民間企業への再就職は人事院規則で禁止されています。しかし、地方公務員には定めがないため、都には、「職員の民間企業への再就職に関する取り扱い基準」がありますが、強制力はありません。
いうまでもなく、東京都は日本最大の自治体です。毎年多額の公共事業を発注し、さまざまな補助金支給、許認可の決定を行う権限を有しています。特に局長級以上の幹部の再就職に関して、都の公共事業の公正さへの影響が懸念されるのは当然です。
これまで知事は様々な行財政改革に取り組まれていますが、不況が続く中、「公務員はリストラも無く、再就職にも手厚く、優遇されている」といった都民の声を真摯に捉え、自治体としての説明責任を果たすためにも、「東京版・天下り白書」を作成し、公表する必要があるのではないでしょうか。まず、局長級以上の再就職先を公表すべきだと考えますが、知事のお考えを伺います。

A4(知事答弁)
 国家公務員の離職後の営利企業への再就職については、法律に基づく制限があり、再就職の状況について、国会・内閣に対しての報告が義務づけられている。地方公務員の再就職については、国家公務員とは異なり法律による制限はなく、公表も義務付けられていない。しかし、都では独自の取り扱い基準を作成し、局長級職員については、退職後2年間は、退職前5年間に担当した職務に関連した民間企業への就職を原則として禁止するなど、一定の規制を設けている。たとえ局長級であっても、離職後は一私人であり、都の独自基準に基づき適正に運用していることから、再就職先との関係も考慮すれば、再就職状況を公表することは考えていない。

Q5 近く導入が決まる「一般職の任期付き職員」について伺います。この制度によって、任期付き短時間労働公務員の採用が可能になります。この「短時間労働の公務員」という制度は、フルタイムでは勤務できない人たちにも、地方公務員としての就労を可能にするという点、さらに勤務時間を短縮できる「部分休業」などが盛り込まれている点で画期的な制度です。私たちはこれまでも、オランダ型ワークシェアリングを1つのモデルとして、ライフスタイルに応じた働き方が選択できるような、新しいワークルールを提案してきました。この任期付き短時間労働の導入は新しい働き方に一歩近づくものと考えられます。
東京都の職員の働き方は常勤以外に、再任用、再雇用、専門的非専務的非常勤など、非常に多岐にわたっています。この際、それぞれの勤務形態や仕事内容を整理、把握し、短時間職員を導入するための条例化を検討すべきだと思いますが、見解を伺います。

A5(総務局長)
 今般の法改正は、地方公共団体の公務の能率的かつ適正な運営を推進するため、任用・勤務形態の多様化を図ることを目的としている。都においては、これまでも非常勤職員をはじめとする多様な勤務形態を設定し、きめ細やかな活用を図ることで効率的・効果的な業務運営に努めてきた。今後とも、最小の経費で最大の効果を上げることのできる都政運営を目指し、人材活用のあり方について研究していく。

産業廃棄物について
Q6 今年5月に東京都廃棄物審議会より産業廃棄物の適正処理の徹底についての最終答申が出されました。この中にあるように、産廃の不法投棄事件は全国的な社会問題であり、違法に捨てられた側では環境破壊にとどまらず、地域産業にも影響を与える状況になっています。
生活者ネットワークでは、全国最大級の事件となった青森・岩手県境の不法投棄現場をこの5月に視察してきました。88万立方メートルの廃棄物で埋め尽くされた現地に立つと、鼻をつくような揮発性の臭気と共に、ヘドロ状態の水分が流れ出し、これが麓の川にまで流れ込んでいました。地元や周辺住民は「安全な自然を次世代に」との思いで国や県に原状復帰を働きかけていますが、廃棄物の全量撤去には、10年以上の年月と660億円の費用がかかるといわれています。両県とも、まず不法投棄した処理業者の責任を問いましたが、2社とも倒産、1社の社長は自殺という状況です。許可を出した県職員も責任を問われ、許可のない業者に委託した都内の排出事業者6社にも撤去命令が出されました。しかし、首都圏だけで約7000ある排出事業者のほとんどは、責任を問われていません。
産業廃棄物は広域処理が前提ですが、可能な限り排出元での処理が望ましいのはいうまでもありません。
受け入れ地域側では首都圏からの産業廃棄物の流入を抑制しようとしており、首都圏自治体は適正処理の徹底に向けて、これまで以上に真剣に取り組んでいかなければなりません。特に排出事業者を多数抱える東京として、排出事業者責任の徹底についてどのように考えるか、知事の見解を伺います。

A6(知事答弁)
 今日の大量消費文明の中で、東京の旺盛な経済活動に伴って発生する産業廃棄物の多くが他県で処分され、一部が不法投棄されている。廃棄物処理法は排出事業者責任をうたっているが、不徹底で十分機能しておらず、処理業者任せが実態である。そこで都は、不法投棄の防止に向けて、排出事業者に対して、その責任を徹底するため、適正処理の報告を義務付けるなど法令以上の取り組みを求めていく。さらに、八都県市をはじめ、広域的な連携を一層強化し、不法投棄の撲滅に取り組んでいく。
Q7 企業の社会的責任、いわゆるCSRに対する関心が高まり、CSR会計や環境会計、環境報告書に積極的に取り組んでいるところが増えています。
今回の審議会の答申では、排出事業者に適正処理への取り組みの報告を求め、それらを公表する制度が提言され、企業の社会的責任を徹底していく上で、大変有意義です。
今後、排出事業者が優良な処理業者を選定できるような仕組みを構築する必要があります。都は優良な処理業者の育成に向けて、インセンティブを働かせる取り組みが必要と考えますがいかがでしょうか。

A7(環境局長答弁)
 廃棄物審議会の答申では、処理業者に対して、廃棄物の搬入・排出量や保管状況、施設の稼働状況などを報告するように求め、公表する制度が提言されている。この制度を構築することによって、処理の透明性が高まり、排出事業者が信頼性の高い処理業者を選定しやすくなることから、産業廃棄物処理業が健全な発展が促されるものと考えている。併せて、環境への配慮や情報公開などに積極的に取り組む処理業者が、第三者機関により客観的に評価される仕組みについても検討していく。 

遺伝子組み換え作物の生産について
Q8 遺伝子組み換え食品の安全性について、消費者の関心は極めて高く、アメリカでのすさまじいともいえる普及に強い不安を抱いています。食物に関する技術開発は目覚ましく、安全性が未解明なまま、私たちは、食品の安全行政の新たな段階に直面しています。この5月に西東京市の東京大学付属農場内で遺伝子を組み込んだジャガイモの屋外栽培実験が計画され、東大は、栽培計画書を公表して説明会を開催しました。多くの都民や生産者からの疑問や不安の声に応え、東大が試験栽培を見送る決断をしたことは評価できます。遺伝子組み換え農作物については、多くの都民が食品として食べることに不安をもっているだけでなく、花粉が飛んで交雑・混入がおこり、一般農作物の生産・販売に混乱が生じる恐れもあります。しかし、今回、東大は、重要な当該者たる一部の農協への説明を欠くなど、その対応はあまりにも不充分でした。都が、情報提供等についてすぐさま対応されたことには、一定の評価はできます。しかし、今後、都民の不安や混乱を未然に防ぐためにも、屋外実験等に関する、周辺住民への説明責任を果たすための基準を都が示していく必要があると考えますが、見解を伺います。
A8(産業労働局長答弁)
 今回の栽培実験は、法に基づき、国が承認した基礎実験であり、説明責任を義務付けられたものではない。しかし、遺伝子組み換え作物には、多くの都民が食品として食べることに不安を抱いている。また、他の作物との交雑に対する不安があり、農業者の中でもこうした栽培実験などについてのコンサンセスを得られていない状況にある。このまま、栽培実験を行えば、都内の農産物の生産・販売に混乱が生じる恐れがある。このため、こうした課題への対応について、都としては、年内に、学識経験者を含めた検討組織を設け、検討していく。

Q9 遺伝子組み換え作物については、生態系などの周辺環境への安全性の研究は確立されていません。都民が交雑防止対策について不安を持つのは当然です。今回の説明会においても現行の防止策に対して、多くの不安が寄せられました。今後、同様な例が出てきた場合、情報開示や指導方法など、都はどのように対応していくのか、見解を伺います。
A9(産業労働局長答弁)
 遺伝子組み換え技術は、社会的に有用な面もあり、その研究自体を否定するものではない。しかし、遺伝子組み換え食品に対し、都民の不安があるので、法により栽培承認を受けた遺伝子組み換え作物であっても、混乱を未然に防ぐための指導が必要。このため、当分の間、遺伝子組み換え作物の栽培実験を行う場合には、事前に都に対して情報提供を行うことや実験計画の公表と説明会の開催などにより、関係市町村、近隣農業者・住民の理解を得ていくなどの指導を行う。

Q10 今や、消費ばかりでなく生産においても選択の権利をいかに確保するかが重要な時代です。有機農産物の生産の原則には、遺伝子組み換え技術により育成された種子・種苗、作物体及び収穫物は使用しないことがあげられていますが、仮に交雑してしまえば、農家の苦労も無になる可能性もあります。ドイツの有機農業に取り組む一部農業者は、遺伝子組み換え作物の汚染から消費者と有機農家を守るために、GMOフリーゾーンを設置し、種苗の純血性確保の自衛策に取り組んでいます。都でも国に先んじた「有機農産物認証制度」の経験があり、都内農家にも見られる「GMフリー」の努力を育て、消費者の選択を確保する仕組みづくりは可能です。「東京GMOフリーゾーン」の基準づくりを積極的に検討すべきだと考えます。東京のブランド豚であるTokyoXの飼料のトウモロコシと大豆は遺伝子組み換えではないものを指定しています。都として、GMO汚染から、都内農家のGMフリーを含めた、有機農産物などへの努力をどのように守っていくのか、見解を伺います。
A10(産業労働局長答弁)
 いわゆるGMフリーについてであるが、ドイツでは、有機農業に取り組む農業者等が遺伝子組換え作物を栽培しないという地域を、GMOフリーゾーンとして自主的に設定し、本年4月からEUで解禁された。我が国では、遺伝子組み換え作物の商業栽培は未だ行われていない。いずれにしても、都としては今後、遺伝子組み換え栽培に対し、都内農業者の意向の把握や遺伝子組み換え作物に関する様々な動向を注視し、的確に対応していく。

水資源の考え方について
Q11 生活者ネットワークは、貴重な自前の水源である地下水の保全から地域の水循環の回復、河川やダム問題まで、幅広く水問題に取り組んできました。
多摩地区では都営水道への一元化計画が立てられ、その結果、計画対象28市町のうち、25市町が都営水道に統合されています。この間、都は、地下水を地盤沈下や水質の面から長期的には安定性に欠ける「予備的な水源」としながら、「可能な範囲で活用を図る」として、実際には、日常的に汲み上げて都民に給水してきました。多摩地域の地下水については、汲み上げの実態があることから、私たちは、長年、その正規水源化を求めてきたものです。ところがこの春、都は国の指導を受けて、地下水35万トンを認可水源に加えました。長年の正規水源化の要請をはねつけてきた東京都の姿勢が変わったことは、まさに、晴天の霹靂です。国の指導は、日常的に汲み上げ実態のある多摩の地下水は「予備水源」には当らないという、私たちの主張通りのものでした。国の指導を都はどのように受け止めたのか、国のいう「予備水源」と都が使ってきた「予備的水源」とは、大きく意味合いが異なると考えますが、見解を伺います。

A11(水道局長答弁)
 多摩地区の地下水についてであるが、平成15年度末に受けた水道事業の変更認可では、予備的な水源であっても、水道水として、現在供給されているという実態があることから、
認可対象として整理されたものである。しかし、長期的に見ると、多摩地区の地下水は、地盤沈下や水質の面から、将来にわたる安定的な水源として位置づけることは困難であると考えている。こうした認識について、都と国は基本的に一致しており、今後の水源確保については、少雨傾向により利根川の実際の供給能力が低下していることなどから、地下水の活用や節水施策などとあわせて、八ッ場ダム等の建設促進が、都民に安定給水を確保していく上で必要である考えている。

意見 国の指導は、昨年6月の時点で明らかになっていました。秋には八ッ場ダム事業費の増額議論の中で、都は新しい水需給計画を示し、新たな水需要予測をしましたが、正しい保有水源と水需要予測値を比較して水需給の過不足を議論すべきでした。実際に認可水源となった日量35万トンは奈良俣ダムなら2基分にも匹敵するものであり、これを計上しないままで、将来の水需給の過不足を論じたことは、到底、認められるものではありません。正規水源として、多摩の地下水源を入れた水需給計画を示すべきであり、異なったデータに基づく八ッ場ダムの同意議決については、検討しなおすべきであると申し上げておきます。

DV被害者の二次被害防止について
Q12 DV被害者の自立支援について、今国会で「配偶者暴力防止法」、いわゆるDV防止法が改正され、都議会の男女議連でもこの法改正についてのシンポジウムを開催しました。まだ課題は残っているものの、様々な支援策が明記され、DV被害者や支援者にとっては朗報です。都も積極的にDV被害者の支援を進めるよう強く求めるものです。 
改正DV防止法には「被害者からの苦情の申し出に対する、適切かつ迅速な処理」が明記されました。被害者が相談したことで責められたり、不愉快な思いをしたりという二次被害被害について、都では調査をしていませんが、栃木県の調査によると、回答のあった193件のうち、警察と行政機関で79件の二次被害がでており、看過できるものではありません。最近、相談を受けた警察官が立場を利用してDV被害者をレイプし告訴され、容疑を認めたとの記事が新聞に掲載されました。これは二次被害を超えた事件ではありますが、相談や支援の現場での二次被害を防止するために、職員に対する研修等の充実に努めるとともに、法に明記された迅速な苦情処理を進めるための対策が必要です。見解を伺います。

A12(生活文化局長答弁)
 これまでも、区市町村や民間団体も含め、相談窓口や関係機関の職員を対象にしたマニュアル等を作成するとともに、相談員等の研修を実施し、被害者への適切な支援に努めてきた。職員の対応に苦情等があった場合は、当該機関に事実関係を確認し、処理経過を調査の上、必要な措置を講じている。また、苦情等の内容によっては、関係機関との連絡会議等の場で対応のあり方を検討し、情報の共有化を図っている。今後さらに、苦情の対応を含め、二次被害に関する研修を強化するなど、法改正の趣旨を踏まえ、各機関において適切な対応が行われるよう努めていく。

最後に、一言申し上げます。
知事が、所信表明において「ジェンダーフリーへの対応」として述べられた内容について、都議会生活者ネットワークは、大きな失望と危惧を抱きました。
ジェンダーという考え方は、「文化的・社会的につくられた性差」として、1940年代に文化人類学者のマーガレット・ミードによって構築され、その後、第3回国連世界女性会議で「ジェンダーからの解放」の概念が取り入れられました。英語の文献には、1980年代から「ジェンダーフリー教育」という言葉があり、「ジェンダーによる偏り・固定観念をなくした教育」の意味で使われています。日本においては、1999年に「ジェンダーフリー」や「ジェンダーにとらわれない教育」に関する国会質疑が行われ、ジェンダーの課題がやっと認識され、「男女共同参画社会基本法」が制定されるに至りました。
このようにジェンダーフリーとは「男女の性別をなくす」ことではなく、文化的・社会的につくられてきた男女の性に対する偏見や先入観を取り除こうとするあたりまえの考え方です。
しかし、知事は、「男女の違いを無理矢理 無視しようとするジェンダーフリー論の跋扈」として、本来のジェンダーフリーとは誤った捉え方で、歪められたジェンダーフリー論にすべて集約させてしまいました。これは、「東京都男女平等参画基本条例」の推進を後退させることになりかねず、男女がともに自分らしい生き方を発揮できる社会づくりを阻害することになります。
今回の知事発言は、誠に不適切であると指摘し、ジェンダーフリーへの正しい認識を深められることを強く求めて、私の代表質問を終わります。


2004年5月

都立公園に「冒険遊び場」導入へ

山口文江の一般質問より

 都立公園の役割のひとつとして、子どもの居場所づくりをすすめていくことを明確にすることができました。現在、都立公園でプレーパークなどの「冒険遊び場」を通年で取り組んでいるのは、戸山公園1ヶ所です。昨年、都立光が丘公園で市民団体が開催した「一日プレーパーク」には1300人もの参加があるなど、身近な都立公園でも、「冒険遊び場」が求められています。
  都は、都立公園が、自然と触れ合い仲間との遊びを通じて社会性を身につける場所としてきわめて重要な場として、「冒険遊び場」は普通の公園ではできない木登りや泥んこ遊びなど自由に遊ぶ場で、子どもの遊びをサポートするプレイリーダーの配置とボランティアの協力が重要なことを踏まえ、地元と連携しながら「冒険遊び場」を都立公園に導入することを検討すると答弁しました。プレイリーダーや地域住民が中心となって遊び場を運営することは、大人の目が行き届き、公園内の犯罪、非行などの抑止力にもなります。地域から声を上げ子どもの居場所づくりを進めていきましょう。


2004年4月8日

◆ 規制だけではなく、子どもの育つ力の育成を!

大西由紀子

 子どもを取りまく社会環境の悪化や、子どもが犯罪に巻き込まれる事件が多発するなどの状況に、誰もが不安を感じています。
今回、健全育成や非行防止の目的で条例改正が提案されました。
改正案の主な内容は、不健全図書の包装義務、着用済み下着の買い受け禁止、風俗店への勧誘行為禁止などで事業者への規制を行うと同時に、子どもがカラオケボックスやまんが喫茶などへ深夜に立ち入ることを制限し、深夜午後11時から午前4時まで子どもを外出させない努力義務を保護者に課し、警察官の立ち入り調査権を付与することなどです。
女性や子どもの人権の視点から、事業者に対して規制をかけることには、一定の理解はできます。しかし、規制強化による治安対策だけで「健全育成」を行うのでは抜本的な解決には至りません。育成の主体であり、被害者になり得る子ども自身に、メディアリテラシー(情報を主体的に読み解きコミュニケーションを図る能力)や自己決定能力を育てる教育こそが「健全育成」であり、同時に、子どもの権利擁護や救済のしくみが不可欠です。 
今の東京都は規制強化を優先し、条例改正も表面は事業者への規制であっても、結局は子ども自身の規制につながるものです。子ども自身が自分を守るための教育や学習の場などの必要性について理解を示さない点に、大きな問題があります。


2004年4月1日

都の新銀行は勇気ある撤退を!

東京・生活者ネットワーク
都議会議員 大西由紀子


緊縮財政の中 都債で新銀行設立

 2004年度予算は、「第二次財政再建推進プラン」の初年度予算として編成されました。「東京の再生を確実に進める予算」として、@内部努力の徹底、歳出額の削減と財政再建への取り組みの強化・向上、A都民の安全・安心の確保、東京の活力再生のため、財源の重点配分と新たな行政需要に積極的に取り組む、ことがあげられています。
一般会計の予算規模は緊縮型予算で、前年度に比べ215億円=0.4%減の5兆7080億円です。歳入の見込みが3兆9206億円と昨年とほぼ横ばいであるなかで、歳出は景気低迷期に発行した大量の都債償還、団塊世代の職員の退職金が膨大にあります。
このような緊縮予算にもかかわらず、「新銀行設立」が予算に盛り込まれ、借金にあたる都債発行700億円を含む1000億円もの出資が、事業内容の詳細な説明なしに提案されました。

破綻すれば税金処理?
新銀行設立の目標は、技術力がありながら金融機関の融資が受けられない中小企業に無担保融資することとされています。確かに既存の金融機関には問題があります。しかし、すでに都には、信用保証協会を通じた融資やベンチャー支援の投資組合が存在し、これらが十分機能してきたか、といった検討のないまま、新銀行を設立することは問題です。
融資先の破綻によって銀行経営が悪化する懸念は大きく、都が税金を使って処理しなければならない事態も予測されます。

見出せない 新銀行設立の意義
設立方法にも問題があります。新銀行設立に必要な認可手続きを省くために、都は経営悪化した既存の金融機関を買収する予定です。議会や都民に計画を明らかにしないまま準備を進めてきたことは、最低限の説明責任の放棄です。
中小企業救済という行政目標のために、都が何をすべきか、今こそ冷静に考えなければなりません。すでに過剰な銀行業界に、行政が1000億円もかけて参入する理由は、都自身すら説明しきれていません。引き返す勇気こそが求められています。

生活者通信152より
詳しい内容は生活者通信でご覧いただけます。
ご購読はこちらから


2004年3月30日

「食品安全条例制定」都に制定

厚生委員会/大河原雅子

 東京都議会は、3月30日全会一致で東京都食品安全条例を可決し、都民の直接請求から14年ぶりに条例が制定されました。
 
 一昨年の予算特別委員会での生活者ネットワークの質問が、条例化に前向きの知事答弁を引き出し、昨年8月には「条例制定に向けた基本的な考え方」が公表され、都が都民意見を募集し、同時に知事の諮問を受けた食品衛生調査会は専門委員会を設置し、11月に答申を提出しました。
 これを受けて議会に提出された条例案は、全国をリードしてきた都の食品の安全確保対策の基本方針である「未然防止」の考え方、事業者の自主回収報告制度や食品表示の適正化なども盛り込まれ、基本的に評価できるものとなりました。
 しかし、大消費地・東京が定める条例は、全国に影響を及ぼす力があることから、生活者ネットワークは「消費者の権利」「申し出制度」「食品安全の乳幼児・子ども基準」「遺伝子組み換え作物の栽培規制」「リスクコミュニケーション部会」の設置を盛り込んだ修正案を厚生委員会に提出しました。
 新設の条例にもかかわらず議会での議論は低調で、残念ながら修正案への賛同は一部にとどまりました。しかし、修正案は、今後策定される食品安全推進計画の施策の方向性や将来の条例改正への提起でもあります。都民の役割が「意見表明と安全確保のための積極的な役割を果たすこと」であれば、食品安全審議会への市民参加、食品安全推進計画、地域の食品監視指導計画、農業方針、学校給食計画などへの提案を今後も積極的に行っていきます。


2004年3月5日

都は「子どもの権利擁護委員会」存続を!
世界の流れに逆行するな!

執印真智子

 東京都は、 これまで5年間続けてきた 「子どもの権利擁護委員会」 を2004年度から廃止しようとしています。 当委員会は、 子どもへの虐待やいじめの深刻化にともない、第三者の相談・救済制度の必要性を「東京都児童福祉審議会(以下児福審)」が提言し、 98年から試行実施されてきたものです。 5年半で約6200件の電話相談を受け、 うち約200件のいじめ、 虐待などの困難事例について「子どもの権利擁護専門員」 が調査にあたってきました。  
 相談の8割は子ども自身からで、 東京の子どもたちが、この施策に救われてきたことは確かです。 生活者ネットは、 04年度にむけた予算要望でも、本格実施を求めてきました。ところが、03年度の1441万円に比べ120万円の予算削減が判明し、さらに、本格実施どころか「子どもの権利擁護委員会」をなくす考えであることがわかりました。
「子どもの権利擁護委員会」 は、 「子どもの権利擁護会議(困難事例に対応する 「権利擁護専門員」 3名と専門員をスーパーバイズする 「委員」 3名の合議体)」と電話相談員で構成されてきました。 都は120万円の削減でこの合議体をなくし、 児福審の下部機関である「権利擁護部会」に困難事例の対応を委ね、これで本格実施と説明しています。 しかし、 「子どもの権利擁護委員会」 の要綱が廃止されることとなり、 合議体と名称が消滅し、要綱で規定された 「子どもの権利擁護システム構築にむけた環境づくり」 「子どもの権利擁護のために必要と思われる場合、 都の子ども施策について知事および関係機関に提言することができる」 などの第三者機能も、 失われることになります。
 児福審の答申でスタートしたしくみが、 児福審の検証もなく行政判断だけで改編されることも問題です。 さらに、 「国連・子どもの権利委員会」による、「子どもの権利条約実施状況・日本政府報告書への勧告」(1月30日・ジュネーブ)に照らしても、 子どもの権利救済の新しいしくみである子どものオンブズパーソン機能として 全国に影響を与えてきた 「子どもの権利擁護委員会」 を存続拡充することこそ急務です。 都がこうした勧告に無関心であることも大きな問題です。
 東京・第一東京・第二東京の3弁護士会をはじめ、 各方面からも今回の東京都の方向に対し、 見直しを求める声があがっています。 生活者ネットワークは、 東京都が世界に対して恥ずかしくない判断をするよう、 各委員会の質疑を通して、 全力で働きかけていきます。


2004年3月4日

第一回定例会一般質問
山口 文江

介護保険制度について
Q1 厚生労働省は、2005年の介護保険制度見直しに向けて本格的な検討を行っています。  
昨年6月厚生労働省老健局長の私的研究会は「高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて」において『2015年の高齢者介護』のキーワードを「尊厳」とし、報告書の基本的理念としています。また、介護を必要とする高齢者の50%近くが、痴呆の問題を抱えていることから、介護の問題は、痴呆のケアを合せて考える必要があることも提言しています。
痴呆になっても地域で生活できる「痴呆性高齢者グループホーム」が「老いの住まい」として介護保険サービスに位置づけられ、東京都は重点事業として取り組んでいます。整備目標を高齢者人口の0.18%、約4300人とし、概ね順調に推移していると聞いています。課題としては、都内の設置状況に偏在が見られること、入居者の経済的な負担が大きいこと、また、要介護度が重くなると退所しなければならないことなどが挙げられています。住み慣れた地域で、尊厳ある自立を支えるという理想の裏で、通過施設になることが危惧されています。在宅に最も近い住まい方であるにもかかわらず、現行制度では、在宅サービスが併用できないため、住み慣れたグループホームで終末期を迎えることが、難しい状況にあります。痴呆性高齢者グループホームのターミナルケアについて、都としての認識と課題および対応策について、伺います。

A1(福祉局)住み慣れたグループホームで、いかに人生の終末を迎えるかということは、高齢者の尊厳を支えるケアという観点から、考えるべき課題と認識している。しかしながら、ターミナル・ケアを行う場合には、家族や他の入居者との十分な調整とともに、医療との密接な連携が重要であるが、グループホームでは、介護保険の訪問看護等医療系サービスの利用は認められていない。このことから、グループホーム利用者に対し、介護保険による医療系サービスが併給できるよう、都は国に対し提案している。

Q2 介護保険施設には、昨年4月からケアマネージャーの配置が義務付けられ、来年度から痴呆性高齢者グループホームの計画作成担当者はケアマネージャーとなります。今後、こうした施設のターミナルケアの課題にもその調整能力が問われることになります。一般的に施設におけるケアマネージメントは取組みが遅れているといえますが、資質向上に向けた今後の取組みの推進について伺います。
A2(福祉局)施設は、集団生活の場であることから、画一的な援助に陥りがちであるため、施設の介護支援専門員は、利用者個々人の状態に応じたケアプランを作成できる力量を身につけることが必要である。
 このため都は、介護支援専門員現任研修の中に、施設におけるケアプラン作成のためのカリキュラムを設けることなど、研修の充実を図ってきた。さらに、今年度中に、施設におけるケアプランの作成から、サービス実施状況の把握、評価に至るまでの手順などを記載した手引書を作成し、施設の介護支援専門員の資質向上に努めていく。

Q3 一方、居宅においても、ケアプランに対する利用者の苦情や不満も多く、ケアマネージャーの資質向上は急務の課題です。都ではケアマネジメントリーダーの養成も進み、今年度、リーダーを活用してケアプランの評価を行うケアプラン指導チームの運営をモデル的に実施しました。今後、さらにリーダーを積極的に活用して、地域のケアマネージャー全体の資質向上に役立てる必要があると思われますが、考えを伺います。
A3(福祉局)ケアマネジメントリーダーは、地域の介護支援専門員の技術向上を図る指導者として、H14年度から養成を開始し、今年度末までに173名を養成する予定である。養成したリーダーは、現在、在宅介護支援センターなどで、地域の介護支援専門員に対する相談・援助や、研修の講師などの活動を行うとともに、福祉・保健・医療の連携の推進に努めている。さらに来年度からは、ケアマネジメントリーダーを中心にケアプランの評価・指導を行う「ケアプラン指導チーム運営事業」を本格実施していくこととしている。

福祉サービス第三者評価制度について
  Q4 福祉サービスの質を向上させるしくみとして、都は、国に先駆けて第三者評価の導入に取組み、昨年7月に本格的にスタートしました。NPOなど多様な評価機関の活用など独自性が注目されますが、利用者が自らサービスを選択していく上で、その選択に資する情報とするには、評価のばらつきや受審費用が高いこと、事業者の経営部分の評価に比重が偏りがちであることなど、解決すべき課題が多いといえます。利用者本位の評価手法が求められる中、利用者や事業者など関係者の意見を聴きながら改善すべきと考えますが、見解を伺います。
A4(福祉局)第三者評価制度は、利用者のサービス選択を助け、サービスの質の向上に向けた事業者の取組みを促すものとして極めて有効である。こうしたしくみを普及定着させていくためには、内容を常に検証し、改善を図りながらより信頼されるものとしていくことが重要である。こうした観点から、すでに都は、第三者評価を受審した事業者や利用者から意見を幅広く聴取しながら、現在「東京都福祉サービス評価推進機構」内に外部委員からなる6つのワーキング・グループを設置し、評価手法等の検討を行っている。今後ともより信頼度の高いものとなるよう努めていく。

Q5 痴呆性高齢者グループホームの第三者評価については、国の制度として受審が義務付けられていますが、その他の福祉サービスについては、事業者の任意となっています。第三者評価の意義を十分に理解し、積極的に受審することが求められますが、一方で事業者にさらにインセンティブをもたらすことが必要です。都としても、受審促進を図っていく必要があると考えますが、具体的な取組みについて伺います。
A5(福祉局)都は今年度、第三者評価制度の本格実施にあたって、より多くの事業者が、制度の意義を理解し、積極的に受審するよう、事業者向け説明会40回以上にわたり開催するとともに、第三者評価を受審した事業者に対し、評価費用の一部を補助している。今後は、評価結果の活用事例などの紹介を通じて、第三者評価の意義を啓発するシンポジウムの開催や補助制度の拡充等により、受審促進に努めていく。

Q6 また、評価の対象についても、現行の施設系の福祉サービス中心から、在宅系のサービスにも拡げる必要があるかと思いますが、見解を伺います。
A6(福祉局)都は、今年度から、特別養護老人ホームなど35の福祉サービスを対象に、第三者評価制度を実施している。来年度は、乳児院や精神障害者ホームヘルプサービスなど、新たに10のサービスを加え、45のサービスまで対象を拡大するとともに、訪問看護など在宅系を中心とする10のサービスについても、評価項目等の検討を行っていく。

都立公園における市民との協働について
Q7 昨年6月東京都公園審議会から「都立公園の整備と管理のあり方について」が答申されました。この答申の中には都民・NPOなどとの協働と連携が提言されており、現在、NPOや市民団体を対象に「都立公園の維持管理に関する都民協働アンケート」が行われています。指定管理者制度の流れもあり、地域住民のパートナーシップが期待される地域資源活用として、都立公園の新たな方向が模索されていると考えます。
都立公園は、規模が大きい故に保護者の目が行き届かないなどの理由で、子どもだけで遊びに行かせるには安全面に不安があるという声をよくききます。2004年度は、次世代育成支援対策推進法の行動計画策定の年にあたり、中高生を含め子どもの居場所が、地域で求められている中で、都立公園の役割としてどのような見解をお持ちか、知事に伺います。

A7(知事)今、東京では、子どもが自然に触れあう機会が少なくなるとともに、身近な遊び場が減少し、子どもが集団で遊ぶ姿もほとんど見られない。都立公園は、子どもが自然を学び、心身を鍛え、仲間との遊びを通じて社会性を身につける場所として極めて重要である。ところが、一方で現況を見ると都心の公園の中には一部が事実上、ホームレスに占拠されているものが見られる。こうした現状を是正しなければ、子どもの遊び場として機能するはずがない。都は、区とも協力しながら、ホームレス自身の自立への努力を支援し、同時に、都立公園の適正利用を実現する取組みに、条例改正を含めて着手していく。子どもが元気に安心して遊べる魅力ある公園づくりに努めていく。

Q8 今の子どもたちの遊びの環境は空間も時間も仲間も乏しく、子ども時代に子どもらしい遊びを充分に体験できないことも、心身の発達や発育に歪みをもたらしていると思われます。また、子どもを対象とした犯罪が多発するなか、親が安心して外遊びをさせることができないため、屋内での遊びや習い事を余儀なくされ、子ども時代ならではの創造的で自由な遊びの体験から培われる『集中力、忍耐力、協調性』などを体得する機会が妨げられているのではないでしょうか。
 こうした現状を変えていくために、世田谷の羽根木プレイパークをはじめ全国で展開されている「冒険遊び場」を、都立公園内に設けることは、問題解消のひとつの有効手段であると思われます。冒険遊び場は、プレイリーダーが常駐していても「自分の責任であそぶ」遊び場であり、禁止事項がないため、中高生や大人にも魅力があります。「冒険遊び場」に類似した活動は、すでに都立戸山公園でも実施されています。昨年、市民団体が、都立光が丘公園を利用して「一日冒険遊び場」を開催したところ、1300人もの親子連れが集まったと聞いています。区立公園とは規模も違い、敷地の利用の工夫では、他の利用者とすみ分けられる点でも都立公園は適切かと思われます。またプレイリーダーや、地域住民が中心となった遊び場の運営が可能であれば、大人の目が行き届き、公園内の犯罪、非行などの抑止力に地域の力が生かせます。
市民との協働については、管理・運営だけではなく子どもの居場所づくりへの取組みが期待されますが、今後「冒険遊び場」としての都立公園の活用についての考え方を伺います。

A8(建設局)「冒険遊び場」は、通常、公園ではできない遊びについて、子どもが自分の責任で自由に出来る場所。運営に当たっては、プレイリーダーの配置や、ボランティアの協力が必要であり、地元からの発意と十分な態勢づくりが重要である。実験的に実施している戸山公園や光が丘公園での運営状況を踏まえ、地元区市とも連携しながら、都立公園での導入を検討していく。

男女平等施策について
Q9 ドメスティック・バイオレンス防止法が、2001年に制定され、配偶者暴力相談支援センターや警視庁で受けたDV相談は2002年で8204件、市区町村では8113件、DV被害者の一時保護件数はDV相談支援センター開設前の1.4倍となり、被害の掘り起こしが進んできたといえます。2月には、DV法改正案骨子がまとまり、地方公共団体の責務として、暴力防止とともに、被害者の自立支援を含め、適切な保護を図ることを規定しています。また防止と保護のために、都道府県は、基本計画を定めることとし、DV相談支援センターは、DV被害者支援などの活動を行う民間団体との連携に努めるべきことを規定しています。今回の法改正作業における最大の特徴は、NGOとの連携、当事者参画であり、実効性がいかに求められているかがわかります。
都が1997年に実施したDV調査は画期的であり、DVを表面化させた取組みとして評価するものです。さらに昨年3月から東京都男女平等参画審議会では、「配偶者からの暴力対策の状況について」の取組みをすすめ、実態調査と暴力加害者の対策について意見聴取を重ねたとも聞きます。
被害者支援の一環として重要な加害者対策については2002年から国も検討を重ねてきた経緯がありますが、都の加害者対策に向けた現在の取組みと方向性について伺います。

A9(生活文化局)被害者の支援のためには、加害者対策が大切であると認識している。これまでも、東京ウィメンズプラザで、加害者からの相談に応ずるとともに、配偶者暴力防止に向けた普及啓発に取組んできた。現在、配偶者暴力対策については、男女平等参画審議会でご審議いただいているところであるが、被害者の安全の確保とともに、更なる被害の発生を防止する視点から、加害者対策も重要な課題の一つとして今後のあり方を検討して参りたい。

Q10 DV防止と被害者の生活再建、自立に向けた取組みには、一貫したコーディネートと支援活動を行うNGOなど民間団体との連携が不可欠です。都の責務として被害者支援策の体系化の必要性と民間団体との協働について、考え方を伺います。
A10(生活文化局)配偶者暴力の被害者の支援に当たっては、被害の早期発見から、被害者や子どもの心のケアなどを含め、自立に向けた総合的な支援を継続的に実施していくことが必要であると認識している。このため、福祉事務所をはじめとする関係機関だけでなく、一時保護や付き添いなど、様々な活動を行っている民間団体との連携を進めていく。

Q11 DV防止については、抜本的な解決として若い世代からの教育が重要です。アメリカでは若い人の間のDVを「デートDV」といい、防止プログラムが実施され効果をあげています。各局間連携として全庁的な「家庭等における暴力問題対策連絡会議」が開設されていますが、教育庁のDV防止に対する認識および、子どもたちを将来のDV加害者・被害者にしないための、学校教育や社会教育における積極的な取組みを求めて、考えを伺います。
A11(教育庁)都教育委員会では、人権尊重の理念を広く社会に定着させ、あらゆる偏見や差別をなくすためには、教育のはたす役割が極めて重要であるとの認識に立って、人権教育を推進している。学校教育においては、教育活動全体を通して、人権尊重の理念についての正しい理解や実践する態度を育て、男女が互いの人格を尊重し、望ましい人間関係を築く教育を推進している。そのために、公立学校の全教員に人権課題にかかわる指導事例を掲載した「人権教育プログラム(学校教育編)」を配布したり、男女平等教育推進のための研修会等を開催したりしている。
 社会教育においては、都区市町村の社会教育関係職員およびPTAをはじめとする社会教育関係団体指導者が、様々な人権課題についての理解と認識を深めるために人権啓発資料の作成や研修を実施している。DVについては、学習資料や教材ビデオ、社会教育関係職員研修で取り上げている。都教育委員会は、今後とも、人権尊重の精神を基調とした人権教育を推進する。


2004年3月2日

第一回定例会代表質問
大西由紀子

Q1 分権改革の焦点は、三位一体の改革です。ところが、税財源移譲のないまま単なる国の支出カットの道具にされてしまい、地方によっては16年度予算が組めない自治体が出るなど、本末転倒の事態を招いています。国は「補助金1兆円削減」というノルマを果たさんがために、省庁間の争いに終始し、国と地方の関係をどうするかの議論が忘れ去られています。今こそ原点に立ち返り、国税と地方税の税源配分を見直すことから着手すべきと強く国へ訴えなければなりません。
しかし、憂慮すべきは、昨年暮れの東京都の行動がきっかけとなり、分権が自治体間の税財源争いなど地方同士の争いになりかねないことです。これでは、知事、「壺は壺」でも、蛸壺ではなく、国の思う壺ではないでしょうか。昨年12月の全国知事会では、各県の知事から東京都に対して、「大都市と地方の間でオープンな議論をすべきだ」とか、「大都市を抱えたところのみが利するような改革とならないよう痛みを分かち合わなければならない」などの提案がされました。東京は食べ物も、水も、エネルギーもそしてその廃棄物処分さえも自立することはできません。東京、地方も栄えて、国全体が栄えることが重要です。
全国の自治体の雄である東京都としては、これらの期待に応え、どのようにして国の制度を改革すればいいのか、共存共栄できるような地方制度とは何かを提言し、実現するための具体的な行動が求められています。知事の見解を伺いします。

A1,(知事答弁)
 日本が国家として歴史的な岐路に差し掛かっている今、将来を見据えた大胆な政策転換を行ない、地方分権を実現しようというのが、三位一体改革の本旨である。ところが、国が示した内容は、改革の本旨から大きくはずれたものであり、全国知事もまた、目先の利益を守ろうとするあまり、本来の地方自治の展望を持ちえていない。今必要なのは、日本全体の発展を図る見地から、地方分権の実現を図ることである。問題の本質をすり替え、大都市対地方という構図に矮小化してはならない。都としてはあらためて、地方自治のあるべき姿を明らかにし、広く国民に示していきたい。

Q2 大企業のリストラが進み、不良債権の処理がある程度目途が立ちそうになって、底を打った景気の回復がようやく目を出し始めましたが、東京の、それも地域の中小企業にとって見れば実感できない、また消費の回復もないままの、実質経済成長率前年比7%であると思います。
このような中で、都の16年度予算は、再び緊縮予算となりましたが、ちぐはぐな点もあります。例えば、新銀行に対する1,000億円の出資です。さすがにその全額を一般財源で工面することはできず、700億円は起債を充てました。出資金は、起債の対象として認め、都の資産・権利としてその価値を持ち続けるという説明ですが、本体で赤字を出してまでも、銀行をつくることは、納税者として大きな疑問です。
今後の都財政に目を向ければ、三位一体改革の結果として18年度までの経過措置としての所得譲与税の行方は不透明で、一方、職員の大量退職期を迎えての退職金増、起債償還期など、財政支出が確実にふくらむ要素は多々あります。ここを考えずに借金を増やし続けることは許されません。本年は第二次財政再建プランの初年度です。新たな決意を持って予算編成に臨まれたと思いますが、見解を伺います。

A2,(財務局長答弁)
 16年度予算編成についてであるが、16年度予算は、引き続き都税収入が4兆円を下回る状況の中、内部努力のさらなる徹底や、新たな視点からの施策の見直しなど、財政再建への取組をより強化・向上して、現下の緊急かつ重要な課題に財源を重点的に配分するとともに、財源不足額を圧縮することができた。さらに、持続可能な財政基盤の確立に向けて、基金残高の確保や都債の発行抑制に努めるなど、今後の不安定要素を抱える都財政の将来を見据えた取組もきちんと行なった。都は今後とも、都民の期待に応え、都民のサービスの一層の向上を図るため、「第二次財政再建推進プラン」に基づき、財政再建に全力で取り組んでいく。

Q3 今予算に「都市と環境の再生」があげられています。知事の強いリーダーシップのもと、ディーゼル車規制は着実に効果を見せています。資源のない日本でこれからの産業は必ず環境問題に直面しなければならなくなります。それは環境対策が新たな産業として成り立つということであるともいえます。ここでは、今回の予算の施策体系で述べられている東京が率先する環境重視の都市づくりにある「地球温暖化対策」について述べさせていただきます。97年に開かれたCOP3で温室効果ガス排出の削減目標が合意されましたが、ロシアの批准が遅れて京都議定書が発効されていないこともあり、日本国内の対策は先延ばしとなっている感が否めません。
しかし、先進国の中では、イギリスが大胆な政策をとって効果を挙げ、京都議定書の合意目標を早々と達成しています。主要なエネルギー源を石油から天然ガスに変えたことなどが有効でした。また、気候変動の「税」とその減免措置を盛り込んだ国と事業者の「協定」、「排出権取引制度」の3本からなるプログラムをつくりました。日本にとっても参考になると評価も得ています。また自治体として、ロンドン市内では、混雑税を導入するなど、排出規制につながる目標を打ち出しています。
一方、東京ではCO2排出量は2010年には約15%増と推計されており、削減目標6%との乖離は21ポイントなり、達成は極めて厳しい状況です。このような中、環境審議会が大規模事業者に対して削減計画を作らせ、達成結果の報告の義務付けを求める「中間まとめ」を発表しました。しかし、事業所によって削減可能な量がバラバラで、一律の義務化は難しいことなどから、見送られることになりました。目標を達成するためには経済的手法を取り入れることが必要であると考えます。
自然エネルギーである太陽光発電や風力発電などが実施されていますが、今後はキャパシターの世界へと拡がり、再生可能エネルギーへの転換が実現可能となってきます。 
昨年RPS法が施行されましたが、電力会社の再生可能エネルギー買い取り義務量があまりにも小さく民間の再生可能エネルギー開発のインセンティブになり得ていません。エネルギー問題は国の問題とはいえ、大消費地である東京の責任は重大で、実行性ある再生可能エネルギー転換計画を展開すべきですが、知事の見解を伺います。

A3,(知事答弁)
 東京を持続可能な都市に変革するためには、環境負荷の少ない再生可能エネルギーの導入をすすめることが重要。再生可能エネルギーの普及には、国の役割が決定的に重要であるが、EUの取組に比べ、日本は大きく立ち後れている。都は、昨年、大都市部で初めて風力発電施設を導入するとともに、本年には、太陽光発電を設置し、更にはバイオマス発電事業を開始する予定である。今後とも、地球温暖化対策の一環として、再生可能エネルギーの利用拡大を幅広く検討していく。

Q4 青少年健全育成について、不健全図書の包装や生セラ買取の禁止など、女性や子どもの人権の視点から、また、事業者に対して規制をかけるおとな社会の「意志」が示される観点から、今回の改正案は一定の理解はできるものです。
しかし、トータルに見たとき、表面は、事業者への規制としても、行き着くところは子ども自身の規制に繋がるものです。今年1月、「国連子どもの権利委員会」は日本政府の第2回報告書に対し、58項目の総括所見を出し「政府が青少年施策大綱を立案したことに留意しつつも、青少年施策大綱が包括的な行動計画ではないこと、大綱の立案・実施への子どもおよび市民社会の参加が不十分であることを懸念するものである」と述べた上で、「権利擁護のしくみを構築すること、市民社会及び若者と連携しながら同大綱を強化し、継続的に見直すこと」を今後の課題と指摘し、包括的な行動計画や青少年・市民社会の参加を求めています。
今回の東京都青少年問題協議会の答申の「終わりに」には「青少年を健全に育成するための方策には特効薬や万能薬のようなものは存在しないし、本答申の提言の有効性が及ばない世界が急速に広がっていることも否めない。生セラや有害サイトから青少年を守るための新たな方策の検討や、子供の自立支援、自分を守るための教育の推進なども不可欠である。 青少年が希望をもてる社会づくりを進める総合的な対応なしには、抜本的な改善は望めないことを、強く銘記すべきである。」とあります。
規制だけではなく、子どもの育つ力を支援する施策の拡充が必要ですが、見解を伺います。

A4,(生活文化局長答弁)
 極度に悪化した有害環境を改善するために、条例改正を提案し、大人や事業者に対する規制の強化を図る。青少年の健全育成を図るためには、青少年が自ら危険を避ける能力を育てることも必要である。来年度からセーフティ教室を本格実施するなど、各種施策の拡充に努めてまいりたい。

Q5 子ども達に今の社会がどのように見えているか、どのように変えたいか、どのような支援を必要としているかなど、子ども自身の意見を聞く場を設けながら、子ども自身の力を引き出す施策への転換が必要です。そのために、子ども参加をしながら、今後の青少年施策をすすめる必要があると思いますが、見解を伺います。
A5,(生活文化局長答弁)
 今回の条例改正に当っては、青少年問題協議会の検討の中で、有識者や関係業界から意見陳述をいただいた。また、青少年を含む多くの都民からさまざまな意見が寄せられた。今後ともより一層、青少年も含めた各界各層の意見も聴取しながら青少年施策を進めていく。

Q6 現条例第18条の3には、「青少年の性に関する健全な判断能力の育成を図るため、普及啓発、教育、相談などの施策の推進に努めるものとする」とあります。性教育をはじめとして、男女平等教育、メディアリテラシーなどの強化は条例改正以前の喫緊の課題であるはずです。近頃の子どもは手に負えないと嘆いたり、親が悪いとののしったり、教師が行き過ぎだと処分する前に、科学的な性情報の提供と育ちを応援するまなざしが必要です。「性に関する健全な判断能力を育成」するための各種施策の点検が必要であると考えますが、いかがでしょうか。 
A6,(生活文化局長答弁) 
 都は、これまでも、青少年への普及啓発に努めてきた。青少年を取り巻く環境が著しく悪化していることから、条例改正を行なう。今回、少女の着用済み下着の買受けや風俗店への勧誘を条例で禁止することにより、大人や青少年などの性に関する誤った意識に警鐘を鳴らすこととしている。今後とも、条例の実施状況を踏まえ、各種施策の充実に努めてまいりたい。

Q7 今回の改正では、夜11時から4時の深夜外出禁止の親への努力義務も盛り込まれています。社会整備の不備が家庭へのしわ寄せとなっている状況がある一方で、子どものいる場所に規制をかけ締め出していくことになれば、新たな場所を求めて、町をさ迷い歩くことにもなりかねません。
さらに、今回の罰則は、事業者や連れ歩いたおとなに対するものですが、なぜその子がそこにいなければならないのか、子どもの真の姿に届くような実態調査が必要と考えますが、見解を伺います。

 A7,(生活文化局長答弁)
 青少年を取り巻く環境は著しく悪化し、有害情報も氾濫している。この状況を緊急に改善するために、不健全図書の規制強化や深夜外出の制限などを内容とする、条例改正を提案した。今後、条例改正の実施状況を踏まえ、親や大人・子ども達の意識と生活について、把握に努めてまいりたい。

Q8 「子どもの権利擁護委員会」について伺います。
子どもの権利侵害を迅速に解決・救済するための電話相談と権利擁護委員・専門員からなる子どもの権利擁護システムは、児童福祉審議会の意見具申を受け、新たな子どもの権利保障の仕組みとして平成10年11月から試行が開始されました。
電話相談の約8割が子ども自身からの相談であることをみても、いかに「子どもの権利擁護委員会」が子どもたちから信頼され、子どもたちの拠りどころとなっているかがわかります。福祉分野に限らず、相談の半数を占める教育分野については、その第三者性が重要な役割を果して公立・私立を問わず、学校での人権侵害に対応してきました。「子どもの権利擁護委員会」への信頼はこの試行期間に着実に培われたと考えます。子どもが、いじめや虐待にあい、あるいは、犯罪に巻き込まれて被害者となるケースは後を絶たず、子どもの権利侵害はますます深刻化している日本社会において、国連子どもの権利委員会の勧告にもあるように、子どもの人権を救済するオンブズ機能の確立が欠かせません。全国に先駆けて東京都が試行してきた「子どもの権利擁護システム」は、一層その重要性を増してきており、活動や機能の充実の必要性は言うまでもありません。
都は、5年間の試行を経て「子どもの権利擁護委員会」を見直すとのことですが、これまでの試行への評価とこの事業の今後の展開をどのように構想されているのか、伺います。

A8,(福祉局長答弁)
 子どもの権利擁護委員会事業の電話相談では、日常の悩み事から虐待や学校でのいじめなどの深刻な問題まで、年間約1500件にのぼる子ども達からの様々な相談に対応。そのうち、事実関係の調査や関係機関との調整が必要な事例については、弁護士等の専門員が第三者の立場に立って問題の解決にあたり、一定の成果をあげてきた。来年度からは、これまでの成果を活かしつつ、より実効性を高めるため、新たに「子どもの権利擁護専門事業」として、引き続き電話相談や専門員の活動を行なうとともに、特に対応が困難な事例について法定の付属機関である児童福祉審議会が関与する仕組としていく。

Q9 食品安全条例について、伺います
鳥インフルエンザへの対応を含め、ここ数年だけを見ても食品安全に関わる重大事件が発生しています。こうした中で、今定例会に上程されている「食品安全条例」は、食品の安全確保について、都民が健康で豊かな生活を営む上で、都民自らが都民の健康を守ることが条例内容となっています。都においては、昭和50年に、国に先駆け、消費者の権利を盛り込んだ「東京都消費生活条例」を制定し、消費者は保護される主体でなく、主体的に行動することが明記されています。
しかし、残念ながら本条例の策定過程においての市民参加の状況は、パブリックコメントなどで都民意見を求めたにすぎず、条例づくりにおける市民参加は不十分であると言わざるを得ません。しかも、策定過程におけるパブリックコメントの中で消費者の権利の明記を求める多くの都民意見があったにもかかわらず、明記されなかったことは都民にとり納得のいくものとなっていないのではないでしょうか。消費者の権利は必要不可欠です。全国への影響が大きな大消費地東京としては、国を上回るものを先駆けて行なうことが、食の安全政策を誘導してきた東京都の役割です。
この点で食品安全確保における消費者の基本的立場をどのように考えていくのか、知事に伺います。

A9,(知事答弁)
 食品安全条例では、都・事業者はもとより、都民自身も食品の安全について正しく理解し行動するなど、一定の役割を担い、お互いの取組について理解と協力を深めることが不可欠。消費者の権利については、すでに消費生活条例において規定。

Q10 BSE(狂牛病)の発生や相次ぐ食品の偽装表示事件は、食の安全をめぐる問題に対する制度や行政機構が全く未整備なことをさらけ出すとともに、消費者の権利を担保する情報提供の基本的な部分が機能していないことを示しました。こうしたなかで、食に対する都民の不安や不信の申し出により調査を行なう制度についても、さらに強化していく必要があると考えますが、見解を伺います。
A10,(健康局長答弁)
 食品安全確保対策をすすめる際には、都民や事業者の意見を施策に反映させることが重要。消費生活条例第八条の申出制度は、そのための具体的な方法の一つであり、食品についても数多くの申出。食品安全条例は、食品の安全確保という視点から都の施策を包括する性格を持ち、他の条例等に基づく施策と一体となって、その目的を達成。今後とも、関係局との連携を密にし、都民意見の反映に努めていく。

Q11 増加する建築紛争を未然に防ぐために、各地で市民参加のまちづくり条例への取組みが進んでいます。国立市では、長年、市民の手で景観を大切に守り育てている大学どおりの住宅地を蹂躙するように建てられた巨大マンションの景観破壊をめぐって住民が起こした裁判が進行中です。実際1昨年の12月に出た「建築基準法は最低基準で、これを守れば何を建ててもいいというものではない」という趣旨の民事訴訟の地裁判決は、もっとしっかり都市景観を守らなければ日本の街はいつまでたってもよくならない、風格が出て、文化の香りがするようにならないと言っているように聞こえます。そしてこうした声が都市に住む多くの人々の思いと重なったことが、ついに「景観法」の制定を促したのではないでしょうか。国では、「景観法」を3文字にし重要な法律だとしていますが、確かにこれが景観形成元年とも言うべき流れをつくることになれば意義があると考えます。
そこで、まず、都として景観法制定の動きをどのように見ているのか、所見を伺います。

A11,(都市計画局長答弁)
 都及び11の区市は、国に率先して条例を定め、景観形成を推進。景観法は、基本理念と責務、建築行為の規制誘導策や支援措置を創設。景観法は、現行の景観施策の実行性を高めるために活用。

Q12 景観立法は、自治体の条例が先行し、法律が後を追った格好になりました。景観法と都及び区市の景観条例との連携のあり方や、画期的な法律とはいえ、景観法には大規模な景観アセスメントの規定はありませんし、またいわゆる眺望景観に関する規定もありません。こうした不十分性に関してどのように補っていくのか、お考えを伺います。                 
A12,(都市計画局長答弁)
 景観形成には、国と地方が適切に役割分担をし、地方の主体的な取組が必要。既存の取組と景観法に基づく施策と調整を図り、それぞれを活用。建築行為の規制誘導や、歴史的建造物の支援などには景観法を活用。景観アセスメントや眺望景観は、施策として確立されていないため、環境アセスメント制度や景観条例などの既存のしくみを活用。今後ともこれらの取組を充実。

Q13 景観問題と大いに関連するのですが、平成11年から民間の確認機関でも建築確認が行えるようになりました。その結果、建築確認時に建築計画を把握して、地域の歴史や条例、要綱などに照らした指導を行う機会が失われたと指摘されています。確かに単体規定については民間の資格のある機関でも確認可能かもしれませんが、集団規定については地元の実情を熟知していないと確認できないケースが少なくありません。したがって、特に大規模建築物の集団規定に関しては、自治体などによって確認事務を行うのが妥当であると考えますが、見解を伺います。
A13,(都市計画局長答弁)
 建築確認の中で、景観誘導を行なうことには限界。景観誘導には予めルールを定め、計画誘導を行なう事が必要。そのために地区計画や街並み景観づくり制度、景観地区などを活用。これらの制度を活用し、区市町村等と連携し、景観づくりを推進。

最後に、景観法が成立すれば、条例をつくりながらまちづくりに取り組んでいる自治体にとって追い風となります。そこで問題になるのが、「用途地域の決定権の市区町村への移譲」です。全国市長会が2003年に行った調査でも、三大都市圏の約7割の自治体が最も強く主張したのが、「用途地域の決定権限の市区町村への移譲」でした。スタッフも充実している大都市圏の市区がなぜ、用途地域を決定できないのか、全く理解に苦しみます。本来国が分権改革を行うべきですが、国を動かし、分権化を進めるために、都が、地方自治法の「事務処理の特例制度」を活用して、条例により市区町村へ権限移譲し、地方分権の流を一層確かなものとすべき時期に来ている事を強く指敵し質問を終わります。


2004年1月

第4回都議会定例会代表質問から
新銀行創設
厳しく問われる知事の説明責任

藤田愛子

 第4回都議会定例会での課題は、第2次財政再建推進プラン、都庁改革アクションプラン、2004年重点事業が出され、新銀行のスキームが出された中での都政運営をめぐってでした。都税収入は景気の動向を色濃く反映する法人二税に頼っていることから、現在は3兆9000億円前後となっています。これに対し、一般会計で5兆7000億円の予算を立てるのですから、赤字が積み重なるのは必然です。もちろん、国庫や起債(借金)を補充しますが、都庁各局の危機意識は薄く、2004年度予算の要求額は昨年比5.6%増で、5300億円の不足額が生じています。
 なかでも大きな予算は、新銀行に対する出資1000億円です。財政危機に陥ってからの予算は、スクラップ&ビルドが原則で、新規事業を実施するには、これまでの事業を廃止して財源を生み出さなければならないとしていることから、新銀行に対する1000億円は何を廃止して生み出すのかを質しました。
 新銀行設立の目的は、貸し渋りや貸しはがしという現状の銀行の体質では中小企業にお金が回らないということを解決するためとしています。しかし、行政が銀行をつくる意味、それも財政難に陥っているときの1000億円の重み、さらにリスクの大きい中小企業へも無担保融資をするという手法に対する採算性への不安など、都議会、都民への情報開示が全くなされません。「株式会社の戦略的な部分であるために情報開示ができない」とされてしまっては、私たちとしても判断のしようがありません。最悪のケースを想定した議論をつみ、責任の所在を明確にするように求めました。


2004年1月

水余りに逆行するダム建設に反対

 群馬県長野原町に建設中の八ッ場ダムは、東京・埼玉・千葉・茨城・群馬への都市用水の供給を主目的に50年前に計画された多目的ダムです。17年前に基本計画が作られましたが、地元の激しい反対運動の結果、工事は大幅に遅れ、いまだダムの本体工事には至っていません。

 今回、国は事業費を2110億円から2.2倍の4600億円に引き上げるという基本計画の変更を関係各知事に意見照会しました。石原都知事は他県に先駆け12月都議会に提案。これを承認すると、東京都の負担は事業費ベースで870億円、水源対策特別措置法事業や基金事業、起債の利子を含めれば1300億円となります。

なぜ急ぐ石原都知事
 生活者ネットワークは、代表質問・常任委員会質疑で、完成済みのダムで水道水量が充足している現状と照らして、都が拠所としている過大な水需要予測は誤りであること、渇水対策を含めた利水と治水の両面からも八ッ場ダムを建設する必要性はないこと、を指摘しました。
 1都5県の合同調査チームは150項目にのぼる疑問や意見を国に提出しました。回答は納得できるものではなく、議会への資料提供も不十
分で、議論が尽くされたとはいえません。
生活者ネットワークは都の独自調査を求めましたが、知事はその必要性を答弁しながら、なんら対応を行いませんでした。また、他県に先駆けて容認する緊急性もなく、都民への説明責任の放棄であると言わざるを得ません。

東京の水を使おう
 生活者ネットワークは、自然を破壊して遠くから水を持ってくることよりも、都内の水資源を利用すべきと考えます。かねてからか多摩地域での地下水利用をすすめるため、地下水保全条例の提案をしています。
 八ッ場ダム計画の即時中止を求め、東京から「脱ダム」の声を大きく広げます。
八ッ場ダム建設予定地を視察
 昨年12月8日、八ッ場ダム建設予定地を視察。ダム建設に向け、県道をつけ替えるために既に完成したトンネルを見学。地すべりがおこりやすい地質にもかかわらず、山肌があらわになっている。

   

当ページはInternet Explorer4.0以降を推奨しています。
当サイトの著作権は東京・生活者ネットワークにあります