東京・生活者ネットワーク
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平成17年度第4回定例会を終えて 大西由紀子
第4回定例会一般質問 大西由紀子
平成17年度第三回定例会討論 都議会生活者ネットワーク 山口文江
第三回定例会一般質問 原田恭子
常任委員会他、委員が決定
第二回定例会代表質問 山口文江
第一回定例会代表質問 藤田愛子

2005年12月15日


平成17年度第4回定例会を終えて

都議会生活者ネットワーク
幹事長 大西由紀子

 本日平成17年第4回都議会定例会が閉会いたしました。
 生活者ネットワークは、本議会に提案された第197号議案「東京都学校経営支援センター設置条例」に反対し、その他の知事提出議案について賛成しました。
 連日、子どもと学校の安心・安全が脅かされ、児童・生徒の安全を守る取組にこそ、人手をかけ整備を急がなければならない時であるにも係わらず、新たな行政機関として学校経営支援センターを設置し、総勢200名もの担当者が学校経営、教育課程および教育活動、人事管理等の支援を名目に都立学校に日常的に出向くことになります。教育の分権と教師、地域の力量が必要とされる時代にあって行政による学校教育・学校経営にかかわるすべてのことに直接介入しようとする考え方は、自主性・自立性の否定となり時代の要請に逆行するものです。本会議答弁で教育長が、日の丸・君が代遵守の通達を明言したこととあわせ、都の教育行政の方向性に大きな不安を持つと同時に、権限も責任も明確でないこの条例案には反対せざるを得ません。
 耐震データ偽装マンション問題は、偽造に関わった1級建築士だけではなく建設会社、デベロッパー、民間建築確認機関を巻き込んだ事件という構図が明らかになり、公の建築確認事務にも波紋は広がっております。これらは、建築及び都市行政に対する信頼感を著しく損なわせるとともに、都民の不安感を掻き立てているといわざるを得ません。急速な官から民への流れの中でおきた今回の事件は、改めて行政の役割を問われたものと捉え、建築確認行政の信頼回復のためにも、都において建築確認を行う専門家の人材育成は急務と考えます。
 東京都におけるパブリックコメント制度については、現在は各局が任意に意見募集をしていますが、国の行政手続法の改正も踏まえ、行政手続きの透明化を諮るとともに市民のまちづくりへの参画を進める一環として、早急に制度化することを求めました。
 先日、アメリカ産牛肉の輸入再開が決まり、年内にも店頭に並ぶとされています。しかしアメリカにおける牛の飼育方法や危険部位除去の不徹底など、消費者の不安は到底ぬぐえません。東京都は市場に入る国産牛に対し全頭検査の継続を明言しましたが、今後は、アメリカ産牛肉を含め、未然防止の観点を最優先し、さらなる安全確保に努めるよう、強く求めました。

 生活者ネットワークは、提案型の姿勢を基本に、生活者の視点で施策をチェックし、都政の市民自治型への転換を求めて活動してまいります。


2005年12月9日

第4回定例会一般質問
大西由紀子

1 パブリックコメント制度について
Q1. 行政手続きの透明化を諮り、市民のまちづくりへの参画を進める一環としてパブリックコメント制度を導入した東京都は、平成12年作成の「提案型広報マニュアル」に基づき、各局がそれぞれの施策を決定する段階で、パブリックコメント制度で意見を求めています。
「提案型広報マニュアル」に基づき、どのような取り組みを進めてきたか、各局の具体的な取り組みの例も示してお答えください。

A1.(生活文化局長答弁)
○ 都は、従来から開かれた都政への取り組みとして「提案型広報の実施」を掲げ、政策形成過程情報の積極的な提供に努めてきた。
  平成12年に作成した「提案型広報マニュアル」は、各局が提案型広報に取り組むにあたっての参考として、広報・広聴手段の活用方法や具体的な取り組み事例などをまとめたものである。
○ 各局においては、計画や施策を策定する際に、中間段階の案を公表し、都民の意見を求める提案型広報の手法が定着してきている。
○ 最近の事例としては、「情報公開・個人情報保護審議会」の中間報告や、「次世代育成支援東京都行動計画」などについて、報道発表や「広報東京都」、ホームページへの掲載などにより、都民への情報提供と意見募集を行い、最終まとめに反映している。

Q2. 全国の都道府県の大半が、パブリックコメント制度を要綱や指針で位置づけているのに比べ、私たちが調べたところ、東京都には現在これを所管する部署がありません。受付期間はまちまちで、結果の公表や最終的な決定過程が不透明な場合もあり、市民参画の保障としては十分ではありません。
都議会では前期の行財政改革基本問題特別委員会の調査報告書に、住民自治の活性化の方法としてパブリック・インボルブメントやパブリックコメントの手法をより広範囲に活用することを明記しています。
国では2005年6月行政手続法の一部を改正し、政省令などの命令等を定める際に、広く一般の意見や情報を求める手続きを定めました。
「提案型広報マニュアル」策定から5年が過ぎた今、現状分析とともに、他自治体や国および都議会特別委員会の動きを踏まえ、次のステップにつなげていくべきです。東京都は今後パブリックコメントをどのように進めるのか伺います。

A2.(総務局長答弁)
○ 平成17年6月、パブリックコメントに関して、行政手続法の一部を改正する法律が交付された。
○ 施行日が示されないなど、改正内容の詳細は明らかになっていない。
○ 都においては、これまでも各局で事業の中間段階の公表などを実施。
○ 法改正を踏まえた意見募集手続きについては、今後検討すべき課題と認識。

2 まちづくりについて
Q3. 東京都は平成9年に景観条例を制定し、多くの自治体が景観条例をつくっているにもかかわらず、十分その効果をあげているとはいえません。特に都心部においては、「都市再生」の名のもとで、規制緩和による建物の高層化・巨大化が進み、景観がないがしろにされています。
先月、景観審議会の中間まとめが公表され、今後の景観施策のあり方が示されています。改めて知事に都市再生と景観に対する認識を伺います。

A3.(知事答弁)
○ 国際競争力を備えた東京を実現していくため、都市再生を推進する中で、良好な景観形成が不可欠。
○ 今日の東京は街並みの統一感がなく、都市全体の景観に対する配慮が欠如。
○ このため、都心部の機能更新などを捉えて、景観の視点を重視した都市づくりの推進が必要。
○ 今後とも実効性ある景観施策を推進し、美しく風格ある東京を実現。

Q4. 先日私は「手をつなごう!景観市民運動ネットワーク」の設立集会に出席しました。この会は、大規模開発やマンション建設の反対運動から始まった市民の活動が、景観や環境からまちづくりを考える市民運動として手をつなぎ大きな力となることを目指したものです。
こうした市民の関心の高まりを受け、昨年6月に景観法が制定され、今こそ、建築行政や都市計画制度と景観施策を連携させていくことが必要です。
よい景観は記念碑的な建物にのみ存在するのではなく、日常生活の中で慣れ親しんでいる景観を守ることも重要な景観保全です。地域住民の景観に対する合意を高め、地域の特性に合った景観づくりを進めていくために、地元の各自治体は責任を担うべきです。
景観法の景観行政団体は、区市町村が主体的になるべきと考えますが、都の見解を伺います。

A4.(都市整備局長答弁)
○ 景観法の景観行政団体は区市町村いずれか一方が景観行政団体となり、景観法に基づく施策を実施。
○ 景観には身近な地域から広域に及ぶものまでさまざまなものがある。都全体として良好な景観を形成していくため、都と区市町村は適切な役割分担が必要。
○ 都は景観施策を効果的に実施できるよう、区市町村と十分調整し、対応していく。

Q5. 法に裏打ちされて都の景観行政が推進することを期待する一方、違法行為によって住民生活が脅かされる状況が発生していることは大変遺憾です。
耐震データ偽装マンション問題は被害者救済とあわせて、違法行為を見逃さないための見直しが、あらゆる面で必要です。建築基準を満たさない違法建築がもっとあるのではないかという不信感が広がっています。それらに対し、都はどのように対処していくのか、また都民の不安に対する相談窓口の設置などが必要だと思うが、どのような所存か合わせて伺います。

A5.
○ 建築物の安全性確保のためには、建築確認制度の適正な運用と違反建築対策を強化し、建築規制の実効性を担保することが重要。
○ 都は、建築物安全安心実施計画を策定、警察・消防との連携強化など違反建築物の総合的対策を推進。
○ 区市と連携し、毎年の違反建築防止週間で、重点的な違反建築物の取り締まりを実施。
○ 今回の問題を真摯に受け止め、工事途中のパトロールの充実など違反建築対策に積極的に取り組み、建築物の安全性を確保。
○ 相談窓口の設置については、都、区市、建築関係団体等において、専門の窓口を設置、都民からの相談に当たっている。
○ 今後とも、都民が安心できるよう、適切に対応。

Q6. 委員会質疑で明らかになったように、都の建築確認行政は年々縮小されていますが、今必要なことは建築確認制度への信頼回復です。東京都における建築確認行政の体制の強化および専門人材の育成が求められていると考えますが、見解を伺います。
○ 建築確認と検査を適切に行うことは、建築物の安全確保の上で重要。
○ 都は、建築法規や構造の知識のある職員を適正に配置し、業務を遂行。
○ 今後とも、職員の計画的な育成を図り、確認等の業務を適正に執行、安全なまちづくりに努める。

3 障害者施策について
Q7. 今年10月成立の「障害者自立支援法」について、障がい者が自立して暮らせるまちづくり、という理念は評価します。しかし、来年4月施行は未確定要素が多すぎ、当事者および関係者の不安が高まっています。
障がい者の多くが利用する小規模作業所等は、都内に約400ヶ所もあり、約8000人の障がい者がさまざまな授産活動を行っています。その多くは法律に基づかない法定外事業で、親の会などの努力でここまで築き上げてきたものですが、障害者自立支援法では、「運営主体や施設基準等について規制緩和を行った上で、新たな事業を行う」とされたため、存続が危ぶまれています。
今後、小規模作業所についても、可能な限り新しいサービス体系に移行させ、法内施設として事業に取り組むことを促進する必要があります。都の見解を伺います。

A7.(福祉保健局長答弁)
○ 多くの障害者が利用している小規模作業所は、地域で障害者の福祉的就労を支える重要な役割を果たしているが、現在は法律に基づかない事業であるため、運営の安定性の確保が課題となっている。
○ このため、障害者自立支援法に対する国会での付帯決議においては、小規模作業所について、新たな施設体系への移行がスムーズに行えるよう、必要な措置を講ずることとされている。
○ 都としても、良質なサービスを提供する小規模作業所が法内の事業へスムーズに移行することは、重要と考えており、制度の実施に向けた国の動向を見極めながら、都として、適切に対処していく。

Q8. 「障害者雇用促進法」の一部が改正され、来年度から障がい者雇用率に精神障がい者も含まれることになります。精神障がい者については、適切な医療が継続的に行われる中で就労を考える必要があり、病状を踏まえた働き方への理解を深めるなど、生活全般にわたって多くの配慮が望まれます。今後は、当事者と地域生活をつなぐケアマネジメントが、非常に重要な位置を占めると考えます。都はどのように進めていくのか伺います。
A8.(福祉保健局長答弁)
○ 障害者自立支援法においては、障害者の状況やニーズに応じた適切なサービス利用を支援するため、ケアマネジメントが制度化された。
○ 継続的な医療を必要とする精神障害者の特性を踏まえた、適切な支援を行うためには、ケアマネジメントを担う人材を確保することが重要である。
○ このため、都においては、ケアマネジメント従事者養成研修を再編・強化し、より実践的な研修とすることにより、精神障害者の地域生活を支援する人材の養成確保を図っていく。

意見 障害者自立支援法の施行を契機に、障害者基本法がその目的とする「自立と社会参加」の支援を実効性あるものにするためには、社会に根強く残る「差別と偏見」を払拭することです。いまこそ、都に「障害者差別禁止条例」を策定するべきということをあらためて申し上げておきます。

4 食の安全について
Q9. 輸入が停止されていたアメリカ産牛肉について、食品安全委員会の答申を受け、国は今月12日に輸入再開を正式決定するという報道がありました。しかし食品安全委員会の委員ですら疑問を抱いている結論の出し方や、アメリカにおける牛の飼育方法を考えると、消費者の不安は少しも解消されないどころか増すばかりです。特に飼料の不透明さや、危険部位の除去の不徹底などは、日本の厳しい対策とはかけ離れたものです。さらに20ヶ月齢以下という輸入条件を、早くも30ヶ月齢に緩和したいというアメリカの本音も聞こえます。
東京都は「食品安全条例」をもつ自治体として、都民の食の安全確保にむけ、アメリカ産輸入牛肉に対して、責任ある対応をすべきだと考えます。都の見解を伺います。

A9.(福祉保健局長答弁)
○ 国の食品安全委員会は、米国産牛肉のBSEのリスクについて検討。
○ 「20ヶ月齢以下の牛であること」および「特定部位を適切に除去すること」等の前提が遵守されれば、国産牛肉とのリスクの差は非常に小さいと、答申する見込み。
○ 輸入再開については、国の判断。
○ 都は、国の動向を注視するとともに、今後とも輸入食品の安全確保に万全を期していく。

Q10. 都は国産牛の全頭検査を堅持すべきと考えますが、見解を伺います。
A10.
○ 厚生労働省令の改正により、本年8月1日から、20ヶ月齢以下の牛は、BSE検査の対象から除外。
○ 都は、都民や事業者の不安解消のため、国産牛の全頭検査を引き続き実施。

意見 「消費者の75%はアメリカ産牛肉を食べたくない」という世論調査の結果も出ております。輸入が再開された場合には、都は消費者の選ぶ権利を保障するために、現地における対策の監視状況などの情報公開を徹底させることと、現在は義務化されていない加工食品や外食産業などの食品においても、原産国表示の義務づけを国に求めていくべきです。


2005年10月6日

平成17年度第三回定例会討論

都議会生活者ネットワーク 山口文江

 私は、都議会生活者ネットワークを代表して、本議会に提案された第164号議案「東京都組織条例の一部を改正する条例」、第183号議案及び第184号議案「再生手続開始申立事件において東京都が有する債権の取扱いについて」に反対、その他の知事提出議案に賛成する立場から討論を行います。

 多くの新人議員を迎えて改選後はじめての本議会は、新しい議会の方向性を示す重要な場として注目されるものです。今回、都議会では、「都道府県議会制度の充実強化に関する意見書」を採択しましたが、地方分権を推進し、議会と首長の二元代表制を一層発展させ、議会制度を充実させることを国に求めるものです。
しかし、内なる議会改革に取り組む議会自らの姿勢は、知事発言および政務調査費をめぐっての態度の不透明さにいみじくも現れたと言わざるを得ません。
まずは、本会議の場における知事の不適切な一連の発言をただすことのできない議会運営について、申し上げます。
これまでも知事は、無責任、不適切な発言を再三繰り返してきました。ことに緊迫した国際状況の中で、「三国人発言」や今議会における国連憲章および国連を否定する発言は、いたずらに外交上の混乱を招くばかりでなく、議会を軽視する知事の姿勢そのものであり、「言葉狩り」などでは到底ありません。そして同時に、議会の場でのあるまじき暴言をただすことのできない議会運営こそが、大きな問題ではないかと申し上げておきます。

  次に、政務調査費の交付に関する条例について、申し上げます。
生活者ネットワークは、一貫して領収書添付の義務づけを主張してきました。しかしながら、これまで幾度も議会で議論されながら条例改正にはいたりませんでした。今年の7月の都議会議員選挙前に有権者を対象とした新聞社の調査では「領収書を添付すべき」が87.5%に、また、候補者アンケートでは、当選した都議の6割を占める75人が「領収書添付をすべき」と回答しました。今議会には2つの条例改正案について議会運営委員会の中で議論され、ようやく「政務調査費の使途について透明化するべきである」ことについて全会派の意見が一致しました。今後は、具体的な方策及び検討体制等について、協議していくことが確認されましたが、情報公開は、何よりも有権者に求められていることを議会として真摯に受け止め、この条例改正が単なるパフォーマンスやアリバイづくりに終わらぬ、議会として納税者である都民に対する説明責任を果たすべきことを申し上げます。

 さて、東京都の組織条例の一部を改正する条例についてですが、「青少年育成及び治安対策に係わる事業を一体的、総合的に推進するため、組織を整備する必要がある」とした青少年・治安対策本部設置の趣旨ですが、子どもの成長の一時期である青少年に特化して治安対策を進める意図とみることから、今回の組織条例の一部改正を危惧するものです。子ども、青少年は次世代を担うパートナーとして、その主体である子どもの権利に基づき、子どもを取り巻く閉塞感から、子ども自身の育つ力を応援する取り組みこそが、早急に求められています。例えば、性教育や実践的な職業教育など、自立をサポートする課題に対し、横断的に真摯に取り組むべきです。監視し、隔離するという考え方では、子どもの成長・発達の権利までも排除してしまいかねません。治安対策を優先し、保護、管理に走ることは、本質的な育成にはなり得ず、本提案に反対するものです。

  次に、都の第三セクターである東京ファッションタウンとタイム24の破綻処理に対する議案について申し上げます。そもそもこの臨海開発の問題は、地下の巨大な共同溝に象徴的なように、一挙に巨額の投資をして、また一挙に「まちづくり」をすすめようとしたことです。バブル崩壊とともに、その矛盾は露呈しはじめ、ついに今回の2社の破綻として表面化しました。生活者ネットワークはこれまでも、臨海開発には、これ以上負担を広げるべきではないという観点から抜本的な見直しを再三求めてきました。17年度予算特別委員会でも、事業計画の見直しと同時に、民事再生処理を実施すべきであると指摘しました。
知事は「バブル期に都も国に載せられてつっ込んだ結果」と答弁されましたが、知事就任以降の都市政策も、都心部の規制緩和によって丸の内や汐留、秋葉原、六本木などに高層ビルを誘導し再開発を進めてしまったことで、臨海副都心計画の破綻にさらに追い討ちをかけました。
民事再生法を適用するため、都の所有する債権である土地賃貸料の未納金と遅延損害金の約35億円を、2社の経営を再建し、臨海副都心計画の安定的発展のためとして免除し、東京都の出資金49億円とともに、計84億円を放棄するというものです。民事再生法の適用に関してはテナントや周辺への影響を極力避けるという理由から今までの2社の役割が継続的に担保されますが、事実上貸しビル業と化した2社へなぜ公的支援が必要なのか、都民に説明する責任があります。同じような状況を二度と起こさないためにも、臨海副都心計画の見直しは急務であり、破綻処理のみの対処で終わらせてはならないことから、議案に反対せざるを得ません。
 「オリンピック招致」が正式に発表され、10月早々に準備室が立ち上げられました。
知事は「前回の東京オリンピックから40年余りが経過し、この間に成熟した都市の姿を世界に示し、改めて日本の存在をアピールする絶好の機会である」と招致の理由を述べています。40年前の東京オリンピックの時には東海道新幹線・環状道路や首都高速・国立競技場や日本武道館の建設などが行われ、無計画な突貫工事の中で、東京は大きく変わってしまいました。今回もオリンピック開催を契機に、再び、緑の多い神宮の森の破壊、外環道促進、臨海副都心の開発誘導など、東京全体の都市再生に拍車がかけられることには大きな懸念を抱かざるを得ません。さらに招致運動やテロ対策などの安全確保にかかる経費も含め、国と都の巨額の税金が投入されることを考えると、この時期に東京でオリンピックを開催する、ということに対して、生活者ネットワークは慎重な議論を求めるものです。

 最後に、食の安全の確保について、一言申し上げます。BSE確認以降、輸入停止となっていたアメリカ、カナダの牛肉の輸入再開が国の食品安全委員会専門調査会で大筋合意されたとの報道がありました。東京都は、食の安全確保として、国産牛の全頭検査を率先して行ってきた経過があります。今後も、未然防止の観点を最優先し、さらなる安全確保を行っていただくよう、強く求めます。
以上をもって、都議会生活者ネットワークの討論といたします。


2005年9月28日

第三回定例会一般質問
原田 恭子

まちづくりにおいての市民主権の確立が私のテーマです。これからも、このテーマにこだわりながら、活動していきたいと思います。

多摩ニュータウンの再生について
Q1.1950年代の高度成長期、多摩地域の乱開発に歯止めをかけ、良好な住宅確保のため、国と都の事業としてスタートしたのが多摩ニュータウンです。第一次入居から40年が経過し、再生に向けての様々な課題が浮上しています。
特に分譲住宅の建替え問題は、都市計画上の規制に加え、ひとつの管理組合が抱える所帯が多いこと、初期の入居から40年が経過し、住民の生活状況が大きく変化している等の理由によって、建替えに向けて、住民の合意を取ることは大変困難です。
東京都も、住民とともに建替えに向けての努力をしているという点で評価するものですが、まだまだ辛抱強い話し合いが必要です。
エレベーターのない5階建ての上下移動、集合住宅から最寄りのバス停までの急な坂道など、高齢者への移動の対応も緊急の課題です。地域では市民、NPO、自治体それぞれの立場で知恵を出し合い、問題解決にむけ努力を続けていますが、その道のりは決してやさしいものではありません。
現在、国土交通省では「計画開発住宅市街地の今後のあり方検討委員会」が、また、東京都でも「東京都住宅政策審議会」で、ニュータウンの再生について審議されています。これらの動きを踏まえ、ニュータウン関連市と市民、まちづくりNPOを含めた協議の場を設定し、ニュータウンの再生計画の新たなビジョンの方向性を確認していく必要があります。これからのまちづくりは市民、基礎自治体の主体が重んじられるべきです。
再生計画への市民参画をどのようにコーディネートしていくか、東京都の総合調整の役割が問われます。多摩ニュータウン再生に向けての都の役割をどのように考えているか。

A1.(都市整備局)
多摩ニュータウンは、それぞれの時代の要請を踏まえ、先導的なまちづくりを進めてきた。今日は、開発者主体の建設の時代から、地域や生活者の視点に立った地域経営の時代を迎えている。40年に及ぶ事業期間の中では、開発時期ごとに地域の特性やまちづくりの課題も異なる。都は、地域経営の主体である地元市や関係機関と連携しながら、多摩ニュータウン全体を視野に入れ、広域的な観点からまちづくりに取り組んでいく。 

Q2.ニュータウンのまちづくりへの市民及びNPOの参画をどのように考えるか。
A2.(都市整備局)
多摩ニュータウンでは、多くの市民やNPOが、積極的に活動しており、まちづくりに対する意識は高い。地元市と市民が協働して、多摩ニュータウンの魅力を高めるなど、まちづくりを主体的に進めていくことは、望ましいことと考える。

Q3.将来的に市民が自主的にまちづくりを進めていくために、東京都、都市再生機構、東京都住宅供給公社がそれぞれ持っているニュータウン事業の記録を、一元的に保存、公開していく必要があると考えますが、いかがですか。
A3.多摩ニュータウンの主だった資料は、パルテノン多摩の歴史ミュージアムや東京都新都市公社のまちづくり支援センターにおいて公開されており、都は従来からこれらの施設に対し資料提供を行ってきた。今後も地元市等の要請に基づき協力していく。


臨海副都心開発と民間会社2社の経営破綻について

Q4.経営破綻した東京ファッションタウンとタイム24の2社は、民間会社であり、ファッション関連や情報関連の貸ビル業ですが、都が全面的に計画し、事業を進めてきた臨海副都心開発の一環として、作られたものです。
したがって、今回の破綻についても、開発全体の危機の表面化として捉えるべきです。当初448haに、およそ8兆円ともいわれた開発の、その最大の矛盾は、地下の巨大な共同溝に象徴的なように、巨額の投資で一挙に「まちづくり」をすすめたことによるものです。バブル崩壊とともに、矛盾は露呈し、ついに今回の2社の破綻となりました。
今回の2社の破綻処理は、個別経営責任としても、それを指導監督する立場としても、都の責任は重大であり、都および都民の財産に多大な損害を与えました。都民への責任を厳しく質したい。見解を伺う。

A4.(産業労働局)2社は、長引く景気低迷により、不測の賃料相場の下落が続いたため、多額の負債を抱え、返済の目途が立たない状況にあった。民間主導で設立された会社であるが、都は出資者として、ファッション及び情報関連産業の活動の拠点・交流の場としての機能を維持しつつ、事業の再生に向け、抜本的処理を行うよう、2社及び関係者に働きかけてきた。その結果、金融機関等の債権放棄などにより事業継続が図られ、テナントへの影響を回避するとともに、都の財政負担が最小限に抑えられる再生計画案が策定できたと考える。

Q5.生活者ネットワークは、開発当初より、現実的な臨海副都心開発の見直しを提案してきました。今回の事態で、全体の事業の見直しは、いよいよ不可欠となったと考えます。全体を見渡したとき、域内の整備は終わったとはいえ、アクセスのための広域幹線道路など、莫大な事業費約4400億円という計画は残されており、小手先の解決では都民の納得が得られません。
環境配慮や事業リスクの減少、今後の基盤の更新への考慮という点から、事業計画を市民参加型で抜本的に見直すことが、都の未来への責任であると考えますが、いかがでしょうか、知事に伺います。

A5.(知事答弁)
東京の活力を担い、新しいまちを創造するという臨海副都心の開発の目的は、いささかも色あせていない。バブル崩壊という試練を受けたが、状況に応じた様々な見直しを経て、臨海副都心は、多くの人々が訪れるまちに成長。今後も、首都東京の魅力と活力を最大限に生み出すよう、創意工夫を重ねながら、引き続き開発を進める。

食の安全確保について
Q6.食料生産は、長いこと自然の中で営まれてきました。ところが、より高い経済効率を求め、食料の生産が行われるなかで、使用される化学肥料や農薬・殺菌剤、加工段階では着色料や保存料・添加物など夥しい化学物質に依存するようになってきました。その結果、次々と新たな不安が生まれ、BSE・遺伝子組換え食品は、現代の食への不安を象徴するものです。
安全性未審査の遺伝子組換えトウモロコシBt10(シンジェンタ社)は、食品及び飼料として2001年から2004年にわたって米国において栽培され、日本にも輸入されましたが、国の水際検査により、飼料安全法に違反するものとして、積戻しの措置がとられました。
遺伝子組換えトウモロコシBt10は、抗生物質耐性遺伝子としてEUでは取扱いが禁止されています。日本では未審査の状態ですが、2001年来、既に国内市場に流通している可能性があり、消費者に不安が広がっています。
市場に流通する食品に対し、監視・検査は都道府県の責務であり、この未審査のものについて都の適切な対処が必要と考え、見解を伺います。

A6.(福祉保健局)
安全性未審査の遺伝子組み換え食品は、食品衛生法により輸入や販売が禁止。本年5月、輸入飼料の検査でBt10の混入が判明。都では、安全性未審査の遺伝子組み換え食品が混入していないかどうかを確認する検査を行っており、Bt10についても検査を実施。

Q7.飼料としての安全性が確認されていない遺伝子組換えトウモロコシBt10について、都の適切な対処が必要と考え、見解を伺います。
A7.「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」により、規格基準に合わない飼料の使用が原因となり、家畜に被害が生じる等の恐れがある場合、必要な措置を講じることになっている。現在、農林水産省から国の食品安全委員会に対して、Bt10の飼料としての安全性評価を依頼中。その結果を見守り、適切に対応していく。

Q8.消費者の不安を解決するために、都には、独自の東京都消費生活条例第8条の規定に基づく申出制度があり、その意義は大きいものです。今こそ、その真価が問われる時と考えます。疑わしきを未然に防止する観点で、消費者から申し出があった場合の都の対応を伺います。
A8.(生活文化局)東京都消費生活条例第8条に基づく申出制度は、消費者の権利が侵されている疑いがあるときは、知事に対して、適当な措置をとるべきことを求めることができるもの。都民より8条に基づく申し出があった場合には、関係各局と調整を行った上で、適切に対応。

Q9.都は今年1月、農業者・消費者及び学識経験者の外部委員で構成する「遺伝子組換え作物の栽培に関する検討委員会」を設け、国の制度の問題点を明らかにし、事前の情報提供や近隣住民等への説明を求めることなど、都の指導指針のあり方などについて検討を行ってきました。
この検討委員会の報告を受け、すみやかに、遺伝子組換え作物の栽培に係る指導指針の策定を行う旨、今年度第1回定例会で、生活者ネットワークの一般質問に答弁をいただいています。改めて、進捗状況と今後の対応を伺います。

A9.(産業労働局)
1月から「検討委員会」において検討が進められてきた。座長を中心に取りまとめており、近々報告書が提出される予定。都では、報告を受け次第、早急に指導指針の案を作成。パブリックコメントを経て、正式な指導指針として策定、公表する予定。



2005年9月5日

常任委員会が決定

環境・建設委員会 大西由紀子
厚生委員会 山口文江
経済・港湾委員会 原田恭子

その他の委員会

東京都平和の日記念行事企画検討委員会 山口文江
東京都国土利用開発審議会 大西由紀子
財団法人東京都医学研究機構評議員会 山口文江
東京都信用保証補助審査会 原田恭子
東京都中央卸売市場取引業務運営協議会 原田恭子
東京都議会情報公開推進委員会 原田恭子

また、先にトピックスでお知らせしていた通り、都議会生活者ネットワークの役員(任期は1年)は以下の通りです。
 幹事長・大西由紀子(国分寺・国立選出)
 政務調査会長・原田恭子(多摩・稲城選出)   
                     


2005年6月2日

第2回定例会代表質問
山口文江

都政改革について
Q1.生活者ネットワークは、政治の主役はまさに市民であり、都知事でもなく、議員や職員でもないことを常に表明し、政策決定過程を明らかにして、市民参加で政策や制度を決定する道筋をつけてきました。しかし現在の石原都政はその逆です。浜渦副知事は不正をねつ造しただけでなく、その後の百条委員会で、法律を犯す偽証をするなど、都民を無視したやりたい放題の都政運営はまさに告発に値するものです。また、副知事や出納長による偏った情報をうのみにして、判断を誤った知事の責任は重大です。
4年前の本会議で、知事は今後の都政運営について「都政はチームプレーで知事ひとりが獅子奮迅してもどうなるものではなく、多くの職員のアイデアを十分出し合っていく都政を心がける」と述べています。しかし、石原知事が容認してきた側近政治は、内部人事や利権の争いなどが垣間見られる恐怖政治となり、都政運営を大きな混乱に陥れました。これはまぎれもなく知事の責任です。
昨日の所信表明では、社会福祉総合学院をめぐり都政を混乱させ、都民に不安を与えたことに対する何らの謝罪もありませんでした。また、副知事をはじめとする特別職の人事案も出されておりません。この都政運営を早急に立て直すためには、今回の混乱の責任を明らかにして、速やかに人事の刷新をすべきです。副知事の選任にあたっては、密室・根回し政治を変えるためにも、今までとは違う視点を持つ女性副知事の登用を強く求めます。             
また、百条委員会で告発を決定した浜渦氏に対し、問責決議で終わらせるようであるならば、議会自らの自殺行為であり、議会の一部と手打ちをするような密室政治こそが浜渦・石原体制の都政を生み出したに他なりません。内田議長が常々いわれる議会の権能を念頭に置きながら、十分な議論をし、根回しや口利きの政治、権力闘争は今こそ排除しなければなりません。
都政運営を大きな混乱に陥れた知事自身の責任はどのように果たされるのか伺います。

A1.(知事答弁)
今会期中に人事の一新を含めて適切に対応し、私としての責任を果たしてまいります。

Q2.東京都発注工事の橋梁談合に、天下りした都職員OBが係わっているとされる「口利き疑惑」が出ています。事実であれば、毎年多額の公共事業を発注し、さまざまな補助金支給、許認可の決定を行う権限を有する局長級以上の幹部の再就職に関して、都の公共事業の公正さへの影響が懸念されます。
生活者ネットワークは、昨年、再就職先の公表を提案し、9月に初めて公表を実現しました。
第三セクターへの天下りは、都職時代に発注元であった元局長が、破綻した受注者の長になるなど、今後の組織の立て直しに危惧があります。民間と同様2年間の禁止措置をすべきです。

A2.(総務局長答弁) 
・監理団体は都の行政を補完代行するなど重要な役割を担っている。
・都の退職者が在職中に得た知識や経験を団体の経営に還元することは、都政にとっても必要であると認識。
・なお、監理団体への再就職後は、団体の経営を担うものとして、都民から批判を招かぬよう行動することは、当然と考えている。
                                 
地域福祉の推進について
Q3.都は「福祉改革推進プラン」と「TOKYO福祉改革 STEP2」の二つの計画に基づき、NPO支援策の充実や,都独自の包括補助制度など、ユニークなとり組みを積極的にすすめ、地域福祉の拡充に取り組んできました。
現在介護保険に次いで障がい者の自立に向けた法律が審議されており、福祉分野ではこれまで以上に区市町村主体の施策展開が必要です。区市町村をしっかりと支え、NPOやボランティア活動など市民参画を進め、市民同士の相互連携を深めることが、東京の福祉の最重要課題です。    
先の2つの計画は残念ながら、2004年度末で計画期間が終了しています。今後「地域」をコンセプトとした取組をさらに発展させるために、今年度以降の東京都の福祉施策の基本的な方向性をどのように示していくのか、所見を伺います。 
A3.(福祉保健局長答弁)
・ 都は、これまで、誰もが地域で自立した生活を送ることができる「利用者本位の新しい福祉」の実現をめざし、福祉改革に全力で取り組んできた。
・ その結果、2004度末には、2000年度と比べ、認知症高齢者グループホームの定員は約50倍、知的障害者グループホームの定員は、約2.2倍になり、高齢者や障害者の生活を支える地域の基盤整備は着実に進んでいる。
・ また、包括補助制度である「福祉改革推進事業」や昨年度から開始した「ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり推進モデル事業」などにより、地域の特性を生かした区市町村の主体的な取組を積極的に支援している。
・ こうした改革をさらに進め、東京の福祉水準全体の向上を図っていくために、福祉施策の新たな方向性を示していきたい。

Q4.外出の自由を阻害されることはだれにも起こりうることです。生活者ネットワークは「移動困難者の移動の確保」のため、移送サービスに取り組むNPO等への支援を提案してきました。2004年3月には国土交通省から「福祉有償運送」に関する道路運送法80条許可に関するガイドラインが出されました。各自治体区は、移動困難者の実態把握と、移動サービスを担うNPO等を支援し、自治体の交通政策等へ反映するため、2006年春までに運営協議会を設置しなくてはなりません。しかし、区市町村における運営協議会の設置はまだ7区に留まり、このままでは運営協議会の空白地域を作りかねません。都は17年度末までに福祉有償運送を実施しているNPO団体等が、法による許可をえられるよう、運営協議会の設置について、どのような支援を行うのか、伺います。
A4.(福祉保健局長答弁)
・ 福祉有償運送事業は、国の方針により、自治体が設置する運営協議会の協議を経て、道路運送法に基づく許可を得なければならないこととされている。
・ 都は、区市町村に対し、こうした方針等の説明や、事業の実態把握等に努めるとともに、運営協議会の早期設置に向けた働きかけをこれまで行ってきた。
・ 現在、区市町村の意向を踏まえ、既に単独で設置している区市町村等を除き、区部、市町村部毎の運営協議会の共同設置に向けて、調整を行っている段階。
・ 今後は、運営協議会マニュアルを作成するなど、事業の円滑な推進に向け、一層きめ細かな支援をしていく。

意見
福祉有償運送に関しては、利用者の安全確保のため、運行管理者研修、運転者研修が重要です。人材育成および育成者支援こそ、広域的な東京都の役割です。今後の課題として是非検討されることを望みます。



2005年3月1日

第一回定例会代表質問
藤田 愛子

 生活者ネットからの今年度の予算要望の柱は、分権改革と財政再建、人口減少問題への取り組み、京都議定書発効をうけての環境重視政策です。国と地方の借金は700兆を超え、改めて「財政改革」の必要性が問われています。都は増収を受け、都市整備のみを増額としていますが、今後の震災対策や都市基盤の更新を考えれば、ビルドだけでなく、財政改革が重要となります。
 三位一体改革による国からの財源移譲は中途半端で、地域の裁量を尊重した分権改革の視点とは異なったものです。今後、国と地方の役割分担の在り方を十分に検討し、真の分権を勝ち取ることが不可欠です。
 私たちは以前より、都から区市町村への第二次分権を確固たるものにするよう都に求めてきました。更に第三次の分権、いわゆる市民への分権が、協働と共に重要です。市民と行政の協働を進めるために、自ら収めた税の一部を、応援したいNPOに助成するしくみが実践され始めています。今後は、都もこういった取り組みを応援することが求められています。

人口減少問題への取り組みについて
Q1 国の合計特殊出生率が1.29、東京は1.0をきり、来年をピークに人口が減少します。人口減少が悪いことだとはいえませんが、これまでの人口構成を基本とした社会保障制度や、右肩上がりの経済を前提としたままでは、選択を大きく誤ることになります。東京の適正規模の人口および都市基盤を提示する必要があります。少子化対策を真剣に考えるならば、全てを子どもの側から見直す体制が重要です。社会保障のために、財政のために、産業のために、という経済面だけを論じていても少子化問題は解決しません。人口減少を自明の前提として受け止め、財政、社会基盤整備、福祉、就労、教育等、多岐にわたる制度の転換が必要で、行政のあり方自体も変化が求められます。この問題に関しての将来ビジョンを、知事にお伺い致します。
A1(知事答弁)
 日本は、今、歴史の大きな転換期にある。人口減少への評価は様々であるが、社会のあらゆる分野に影響を与えることは確かであり、行財政制度全般の見直しが迫られる。しかしながら、国は、いわゆる三位一体改革にみられるように危機感に乏しく抜本的改革の先送りを続け、国家財政は、破綻寸前である。都はこうした国の怠慢を座視することはできない。従来から、都市インフラの整備、大気汚染対策、福祉改革、財政再建など一連の東京の再生に向けた取り組みを進めてきた。また、移民の受入れなど大胆な政策の転換を、国に対して求めてきた。今後とも、時代の大きな変化を視野に入れ、都政の各分野の連携を強化し、都民の求める施策を展開していく。

Q2 世代間の不公平感や、社会保障自体に対する不信感は、『必要に基づく給付』が負担に応じて還元されるという実感が持てないというところに、大きな原因があります。このような状況が生まれた原因の一つは負担能力のある人を育ててこなかったことによります。若者がニートになっていくことを放置し、現在の社会保障制度が、こうした矛盾を解決できないことに問題があります。社会保障による『自立援助』を、若者、障がい者、高齢者、女性の能力開発と自己実現の機会の創出に結び付けなければなりません。
福祉国家といわれるスウェーデンでは、社会保障だけでなく、人材を育てるのに多大なコストと手間と社会環境を用意し、人間の尊厳を大事にする施策に熱心に取り組んでいます。今後の日本で重要なことは、最終的な社会的コストの増大を防ぐために、若者の就労支援、長期失業者の再就職支援、高齢者・障がい者の雇用と社会参加の促進、子育てに対する支援など、自立を促す施策を中心に据え、社会政策として一体的に推進していくことが最も重要です。そのため、今後の福祉政策においても自立を中心に位置づけることが必要と考えますが、都の取り組みの展望をどのようにお考えですか。

A2(福祉保健局答弁)
 誰もが地域の中で、自ら必要なサービスを選択し、利用しながら、自立して生活できるよう、東京の福祉全体の水準を向上させていくことが、都の責務。都は、これまで、こうした考え方に立って、福祉改革に着手し、認知症高齢者や知的障害者のグループホームなどサービス基盤の整備や、第三者評価など利用者支援のしくみづくりを進めてきた。来年度は、こうした取り組みに加え、企業内で授産活動を行なう都独自の障害者の就労支援策や、生活保護世帯の自立促進事業を開始するなど、地域での自立を支える新しい福祉の実現に向け、改革を一層進めていく。

Q3 過去10年間に取り上げられた少子化問題では、男性議員による経済の観点からだけの発言に違和感を覚えました。少子化の原因は多様であり、解決策は、性別役割分業の固定化や、男女間の賃金格差などの間接差別をなくし、男女ともに子育てと仕事の両立支援や労働時間の規制など、あらゆる分野での方策が試みられなければなりません。
しかし、都議会においては、女性は家庭に戻り、子どもを産み、育児に専念すべきなどという意見が堂々とまかり通っていることに、少子化対策の遅れを感じています。
2003年に国が示した「次世代育成支援に関する当面の取組み方針」の中の「男性を含めた働き方の見直し」は注目に値しますが、都の「次世代育成支援東京都行動計画」の検討状況には、その考え方が全く示されていません。女性だけが子育てと仕事を両立させるのではなく、男性の働き方を見直し、アンペイドワークをどのように分かち合えるかが大きな課題です。都は、特定事業主行動計画を策定することになっており、父親の育児休業取得に関して、具体的な取り組みによる目標値の設定が不可欠です。スウェーデン、ノルウェーなどでは父親だけが取得できる育児休業・パパクォータ制度を導入し、父親の育児参加、両立支援に効果をあげています。都の事業主としての行動計画には、民間を先導する力があります。父親の育児休業取得率の向上に向けた取り組みについて伺います。

A3(総務局答弁)
男性職員の育児休業取得向上のための取り組みについてだが、都は、次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主行動計画の策定を進めている。職員・職場の意識改革、妊娠・子育て中の職員や、男性職員に対する支援などを内容とし、年度内に公表を予定している。

Q4 ひとり親家庭への次世代育成、子育て支援も急務です。特に母子家庭の収入状況が厳しい中、確実な現金給付としての児童扶養手当の一般財源化が、三位一体改革の中で検討されます。主要先進国では、経済基盤の脆弱なひとり親には、生活維持のための経済支援が行なわれていますが、日本のひとり親に対する支援はあまりに乏しいといわざるを得ません。所得保障をベースに、低家賃の住宅の確保や、安定した就労を支援する自立支援をいかに充実させるかによって、今後の社会的コストは変わってきます。都が「次世代育成支援東京都行動計画」と併せて「ひとり親家庭育成支援計画」を策定するとのことですが、その内容について伺います。
A4(福祉保健局答弁)
 母子家庭などひとり親家庭が地域で生活していくためには、住まいや就労、子育てなど様々な面からの支援が重要と考えている。こうした考えのもとに、都はこれまでも、区市町村による地域の実情に応じた柔軟かつきめ細かな取り組みを支援する「ひとり親家庭総合支援事業」や、児童育成手当の支給などを独自に実施。現在策定中の計画においては、就労による自立の支援や、身近な地域での相談体制の整備などの施策を中心に据え、ひとり親家庭の自立をより一層促進する内容とする予定である。
 
Q5 人口減少社会における社会保障はまず、人口構造の変化に中立的な制度に迅速に変更することが必要です。また、近い将来高齢者人口が総人口の3分の1を占める規模となったとき、従来のように年齢によってひとくくりに捉えることが可能かという問題もあり、『老若共同参画社会』とも言うべきエイジフリーの観点で施策を位置づけなおし、65歳以上をすべて高齢者として位置づける今の施策のあり方が問われることになります。都としての基本的な考え方を伺います。
A5(福祉保健局答弁)
現行の社会保障制度は、公的年金制度に見られるように、基本的に、人口の増加と右肩上がりの経済成長を前提につくられている。将来にわたって、制度を安定的に維持し、国民全体の信頼を得ていくためには、人口減少社会の到来を踏まえ、制度のあり方を国全体で議論しながら、公の責任、国と地方自治体の役割分担、給付と負担の公平性などについて根本から問い直すことが必要であると認識している。年齢を基準とした個別の福祉施策も、このような視点から検討し、社会経済状況を踏まえながら、適時適切に見直していくことが必要である。

若者施策について
Q6 右肩上がりの経済が終焉し、漠然とした将来不安と『努力しても仕方ない』という感覚が一気に広がっています。ここ数年、中高年男性の自殺とホームレスの増加が顕著です。一方で、都心の億ションが即日完売するという現実があります。単なる不況ではない深刻な2極化が進行しているといわざるを得ません。
このような中で、ニートと呼ばれる教育も就労も、就職活動も職業訓練もしていない若い人たちが問題になっています。労働人口の中にカウントされるフリーターとは異なり、このニートと呼ばれる人は、非労働力人口で、昨年9月の『労働経済白書』では、52万人という数字が出ましたが、実際は100万人近くいるといわれています。労働力人口が減少する時期を目前に、企業も次世代に対し雇用に向けた訓練などの社会的責任を負わなければなりませんが、都の役割も大きいと思います。就労問題の観点から、こうした若者の実態を把握する必要があると思いますが、所見を伺います。

A6(産業労働局答弁)
 就労問題からみたいわゆるニートの実態把握については、若者に対する就労支援として、現在「しごとセンター」において、キャリアカウンセラーによる相談や求職活動支援セミナー等を実施している。来年度は、カウンセリング機能を強化するなど、一層の充実を図る予定。こうした取り組みを通じて、また、NPOや有識者との情報交換などにより若者の実態の把握に努めていく。

Q7 ニート対策として、第一に教育の問題があります。都立高校での、生活するということと、職業をどのように教えているかについて伺います。現在、インターンシップが実施されていますが、1日のみの経験では仕事を知ることにはなりません。すべての都立高校でせめて2週間の実践をすべきと考えます。
A7 (教育長答弁)
一人ひとりの生徒が将来にわたる生き方を考え、主体的に進路を選択する能力と望ましい勤労観や職業観を身に付けることは重要。現在、都立高校では、校長の学校経営計画に基づき、98校が保育園、介護施設、地域企業などにおいてインターンシップを実施。2週間以上行なっている学校は15校ある。来年度は、職業観を育成するため、「職業観育成推進校」10校を指定し、インターンシップの充実等に取り組み、その成果を検証していく。

Q8 都立高校の中退者総数は減少傾向にはありますが、5000人を超えています。学校が子どもに合わない場合は、他の高校を紹介し、卒業までたどり着かせるべきです。成績不振による退学も、入試ではそのレベルに達していたわけですから、後の指導が足りなかったということではないでしょうか。達成感を味あわせないことが、その後の職業観にも関係し、引きこもりやニートを生みだしてしまうことにもなります。本人の意思を尊重することはいうまでもありませんが、一人の中退者も出さない、ということに評価があってしかるべきです。中退者も出さないことは教育長の責任であると考え、見解を伺います。
A8(教育長答弁)
 中途退学対策は、高等学校教育における最も重要な課題の一つ。生徒一人ひとりが豊かで充実した学校生活を送ることができるよう、その解決に努めなければならないと受け止めている。都教育委員会は、チャレンジスクールやエンカレッジスクールなどの新しいタイプの高校の設置をはじめ、習熟度別授業や少人数による指導、スクールカウンセラーの配置等さまざまな取り組みを実施してきた。その結果、「東京構想2000」で定めた2015年までに達成すべき中途退学率の数値目標をすでに実現した。中途退学には、自らの信念に基づいて主体的に進路変更する場合もあるが、今後とも、生徒の能力・適性に応じた学習指導や進路指導を充実させ、個々の生徒に十分配慮した適切な指導を行なうとともに、学校の実態に応じて中途退学率の数値目標を掲げるなど、中途退学の防止に努めていく。

Q9 ニートに陥る原因を、若者の能力不足といった個人の問題とせず、社会構造の問題と受けとめるべきです。イギリスでは若者に提供されてきた従来の様々なサービスを互いにつなぎ合わせ、若者が社会との繋がりを持つよう包括的支援を行なっています。東京都では「しごとセンター」に就労に関する窓口として、ジョブカフェがありますが、この相談窓口を、若者に身近な繁華街などに設置するなど、きめ細かな対応が求められていると考えますが、いかがでしょうか。
A9(産業労働局答弁)
 若者に身近な就労相談窓口の設置についてだが、就労を支援するためには、若者と接する機会を増やし、様々な働きかけを行なうことが効果的。このため、しごとセンター事業の一環として、新たに区部や多摩の繁華街等において相談に応ずる「街角カウンセリング」を開始し、効果的かつきめ細かな支援サービスを展開していく。

Q10 若者の自立を阻む一因に住宅問題があります。東京の住宅は高い、狭い、遠いがあたりまえですが、多摩ニュータウンのようにまちが一挙に高齢化するところには、若者を積極的に誘導することも有効と考えます。人との関係性を紡ぐ意味でのルームシェアが可能となるような住宅の提供も求められています。公営住宅法による制限も承知していますが、その時代に応じた公営住宅の使い方が積極的に考えられるべきと強く要望します。
さて、青少年健全育成条例改正事項の「青少年の性に対する関わり方」に関し、都は、これまで1988年、1997年の青少年問題協議会で議論を深め、児童福祉法で規定されている淫行処罰には踏み込まずにきました。取締り対象が大人とされているにも関わらず、関わった青少年が偏見をもたれがちであり、行為に愛情があるか、ないか、なども曖昧です。青少年の性の乱れを正すことと罰則規定を設けることが直結するとは考えにくく、改正には問題が残ります。自己決定権をもつ子どもたちに、自分の身を守るための性教育やメディアリテラシー教育の実施など、子どもに正面から向かい合う施策を早急に実施することが何より重要と考えます。条例改正による具体的な取り組みをお示し下さい。

A10(生活文化局答弁)
 青少年は、ITや性の問題が生み出す危機に直面している。改正条例は、青少年がこの危機を乗り越える力を身に付けることができるように、大人社会が青少年に向き合う基本的な考え方を定めたもの。改正条例を踏まえ、青少年の性のあり方について、学校での生徒に対する指導を行なうとともに。心の東京革命の事業等においても、保護者に対し啓発等の取り組みを強化し、性に関する判断能力の育成を図っていく。青少年がITを適正に利用するため、保護者向けガイドブックの作成や、小学生及び保護者等に対するセミナーの実施により啓発に努める。

地球温暖化対策について
Q11 京都議定書が2月に発効され、世界規模の温暖化防止への第一歩が踏み出されました。社会経済活動の中心であり、直接・間接に大量のエネルギーを消費している大都市東京が、国に先駆けて持続可能な社会の構築を目指し、率先して行動を取ろうとしていることは、日本全体の地球温暖化対策にとって意義のあることと考えます。
しかしながら、都としてのエネルギー政策全般の見直しが行われていないことは問題です。特に、CO2削減目標を達成するためには、部門ごと、年度ごとの削減目標の設定、持続可能な社会実現のための制度を整備し、着実に成果を上げていかなくては最終目標を達成することはできません。1999年に策定された「東京エネルギービジョン」を改定して、21世紀型のエネルギーシフトを視野に入れた新たなエネルギービジョンを構築する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

A11(環境局答弁)
 都では、H14年に策定した環境基本計画に基づき、現在、省エネ対策及び再生可能エネルギーの普及などの地球温暖化対策を進めている。この基本計画を踏まえ、今回、4つの制度を創設・強化するため条例改正案を提出。大規模事業所については、都の指導助言と評価公表により、より高いCO2削減目標の設定と着実な対策の実施を誘導していく。また新たにエネルギー環境計画書制度を創設し、エネルギーの環境性の向上を電力の供給事業者に求めていく。さらに、来年度には再生可能エネルギー普及プロジェクトとして民間における導入の促進に関する調査を行なうこととしている。 

意見 京都議定書のCO2削減の数値目標は今ある緑の保全が前提となっていますが、緑を残すだけでなく、いかに育てるかが重要なポイントです。臨海副都心構想で、森づくりを市民団体と共に提案した者として、13号埋立地の100年の森構想を、大いに評価しています。ソローの「森の生活」を思い浮かべながら、大木も一粒のドングリから、という海の森づくりに、環境問題に関心のある多くの都民の参加を期待し、また、東京が環境重視のまちづくりに転換することを期待して質問を終わります。

   

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