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2006年第四回定例会を終えて 大西由紀子
第四回定例会一般質問 山口文江
2006年(平成18年)第3回都議会定例会を終えて(談話) 大西由紀子
第三回定例会討論 山口文江
第三回定例会一般質問 大西由紀子
第二回定例会討論 大西由紀子
第二回定例会一般質問 原田恭子
予算特別委員会締めくくり質疑 大西由紀子
「第31回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議案」に対する討論 原田恭子
第一回定例会一般質問 都議会生活者ネットワーク 山口文江
平成18年度(2006年)予算原案の発表にあたって(談話)

2006年12月15日

2006年第四回定例会を終えて

都議会生活者ネットワーク
幹事長 大西由紀子

 高校の未履修問題やいじめ自殺予告電話などが大きく報道され、国会では教育基本法改正が審議される過程での「やらせのタウンミーティング」など、子どもを取り巻く問題が今大きな社会問題であることが誰の目にも明らかになってくるなかで、第4回定例会が開催されました。しかし、東京都教育委員会は、いじめ防止対策、エイズ予防対策、履修問題、どれをとっても、子どもたちの立場に立った根本的な対策は不十分であり、相変わらず管理強化ばかりが目立っています。いじめは大人社会の縮図でもありますが、少子化社会の今だからこそ、子どもの権利を真に理解し、守る立場に立って、根本的ないじめ未然防止対策と、総合的な子ども施策に、十分な予算措置を行い、全庁上げて取り組むことを強く求めるものです。

  今定例会に上程された議案の中で、「認定子ども園」については就学前の子どもを親の就労の有無に関わらず、地域全体で育てるための第一歩と捉えますが、施策体系が幼稚園・保育園の2本立てで所管する省庁が異なるため、一体化した場合でも、基準の整合性や事務処理の煩雑さなどが課題であり、さらに直接契約が保育にも広がることによって、支援が必要とされる家庭や子どもが排除されないための配慮や保育料設定への公の関与などを要望するとともに、東京の特徴である3歳未満の保育待機児解消には別途取り組みの強化が必要であると考えます。

  臨海三セクの再建計画については、金融機関の不良債権処理が進み、体力がついてきたこと、都の税収も好調になったことを背景に、臨海三セクの民事再生法による再建計画が提案され、かなりの負担は伴うものの、小規模の債権者は救済されることでもあり、やむなしと判断しました。これを機に東京都がかかわってきた臨海事業を、民に委ねていく道筋を都民に示すべきです。

  鈴木知事が都市博を使って臨海副都心計画を推し進めようとしたのと同じ構造をもって、石原知事はオリンピック招致を臨海事業の展開に利用しようとしています。2週間のイベントに多額の税金を費やして東京の力を世界に示すコンセプトこそ時代錯誤と言わざるを得ません。

  知事は今定例会で立候補を正式に表明しましたが、ここに来て知事の肝いりで始まったワンダーサイトや新銀行などの、大きな問題が表面化してきました。さらに知事四男への不明朗な公費支出など、ファミリー都政の様相が強まり、権力者にありがちな末期的な症状を呈しています。

  生活者ネットワークは、石原都政2期8年を見たときに、このままのトップダウンでは新たな時代の市民主権に立ったまちづくりは望めないと判断しました。

  少子高齢化や人口減少社会の時代にむけて、長期的な視点で、生活する都民の立場に立った都政運営が求められており、新たな時代に相応しい公共の構築をともに作っていける、新知事誕生にむけて力を尽くしてまいります。


2006年12月8日

第四回定例会一般質問

都議会生活者ネットワーク
山口文江

(質問部分抜粋)
都政運営について
Q1.知事は、今後明らかにする「2016年の東京の都市像」を都市戦略と位置づけ、「平成19年度重点事業」を、この長期的な都市戦略の基点としています。これまでの8年間、知事は目差す都市像を示さず、政策の総合的・体系的な展開が弱いと指摘されてきました。オリンピック招致にあたりようやく長期構想の必要性を認識されたようですが、オリンピックに向けた環境対策や都市基盤整備だけでなく、未来を担う子どもたちが希望を持って生きられるよう、子育て・教育などにも、オリンピックに取り組むと同様の強い意欲を持って、全局あげて取り組んでいただきたいと思います。
重点事業に掲げられた各事業は、1つの局だけで対応できるものは、ほとんどありません。環境問題や子育て支援など、求められている都政の課題は、1つの局、1つの分野、更にいえば行政だけでは解決できないことは明らかです。
都民の視点にたって、行政の縦割りを乗り越えた政策展開が必要です。知事の見解を伺います。

A1.知事答弁 
縦割りの弊害を打ち破り、機動的・戦略的な行政運営のできる執行体制を構築するため、知事本局を設置した。「CO2半減都市モデル」を目指す環境対策、仕事と子育ての両立をはじめとする子育て対策など重点事業は、組織の壁を越え、複合的・重層的に政策展開を図るためのもの。今後とも、現場を持つ強みを活かして、局をまたぎ、あらゆる分野で効果的な政策を展開していく。

Q2.重点事業は、市民と行政のパートナーシップで取り組む必要があります。都民の都政への関心を高めるように、行政施策の実施結果を都民に示しながら、施策を推進すべきと考えます。所見を伺います。

A2.知事本局長答弁 
重点事業は、昨年、いわゆるPDCAサイクルを強化するため、3か年の展開をアクションプランとして示し、毎年度、検証を経て改定することとした。平成19年度重点事業のうち、可能なものについて検証を行い、実績と評価を明らかにした。都としては、引き続き、全庁的な視点に立って進行管理を行うとともに、こうした仕組みを更に充実し、重点事業を着実に推進していく。

認定こども園について
Q3.就学前の子どもには、幼稚園と保育園の2つの施策体系がありますが、幼保一元化・幼保一体化の長い議論を経て、2003年、「地域のニーズに応じ、就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設の設置を検討する」という方向が示されました。この構想を具体化し、法制化されたものが、認定こども園です。
少子化問題、就労形態の多様化、待機児童への対策、幼稚園の定員割れ、子育て不安といった社会現象への対策として、都はすでに認証保育所を独自の補助制度で実施し、待機児を減らすことには一定の効果を挙げています。しかし、保育の質・保育料の適正化等については、十分な理解を得られていません。保育の場の充足だけでなく、子どもの最善の利益を優先し、子ども自身が育つ力を引き出すための教育・保育のあり方について根本的な議論が必要です。
都は、就学前の保育・教育を提供する認定こども園についてどのように考え、取り組もうとしているのか、所見を伺います。

A3.福祉保健局長答弁 
認定こども園は、就学前の子どもに対する教育及び保育の一体的な提供や、地域の子育て支援の機能を担うもの。地域の多様な保育・教育ニーズに柔軟に対応するなどが期待される。

いじめと子どもの権利擁護について
Q4.いじめが原因と思われる子どもの自殺が相次ぎ、大きな社会問題となりました。
東京都教育委員会では今回の自殺予告に対して、緊急措置として24時間受付の専用電話を設置しましたが、多数の相談や情報が寄せられ、幸い、自殺にいたる事例が生じませんでした。その後、教育相談センターでの電話相談に移行しましたが、残念ながら時間も短く、フリーダイヤルではありません。
民間では1998年ごろからチャイルドラインなどの電話相談が始まり、全国に広がっています。悩みをもつ子どもに、多様な相談窓口は必要で、子ども自らが相談するには、無料が望ましいと考えます。
福祉保健局では、1998年から子どもの権利擁護専門相談事業を実施しています。小中学生をはじめとして、年間の相談件数もかなりの数で実績を上げているときいおり、このような機関を常設してきた都の姿勢は高く評価されるものであり、今後、電話回線や電話相談員をふやすなど、機能を強化し、総合的に子どもの権利を守るオンブズマンとして、その活動をもっとPRするべきであると考えます。
これまでの子どもの権利擁護専門相談事業についての成果と、今後の活動についての見解を伺います。

A4.福祉保健局長 
子どもの権利擁護専門相談事業では、子どもや親からの悩みや訴えを、相談員がいわゆるフリーダイヤルで直接受ける。いじめや体罰などの深刻な相談に対しては、専門員が個別の支援を行う。相談件数は、平成10年度の事業開始以来、約1万2000件にのぼっており、その約八割は子ども本人からの相談。全ての相談のうち、専門員が実際に家庭や学校への訪問等を行い、問題解決にあたった困難ケースは、約300件。都では、毎年、都内の小学校高学年から中学生・高校生を対象に、事業を紹介したPRカードを配布。学校や関係機関へリーフレットを送付するなど、積極的な周知に努めている。
 
Q5.政府の教育再生会議の緊急提言では、「いじめを放置した教員は懲戒処分」「加害者側には登校停止や社会奉仕」などが上げられていますが、こんなものでいいのか、という印象です。子ども自身が解決する力をつけない限り、いじめによる自殺を防ぐことは難しいことです。イギリスなどでは中高生がピアカウンセリングを行い、いじめ防止に有効といわれています。同年代の若者が相談にのる立場に立つことで、他人の気持ちを理解し、共感する力がついていくと考えられます。
生活者ネットワークは子ども自身が身を守る方法を身につけたり、いやだという意思表示をするトレーニングのシステムを取り入れるよう提案してきましたが、大阪府教育委員会は来年度からいじめ防止対策として、暴力から身を守る力を引き出す教育プログラム「子どもエンパワメント支援指導」の導入を決めたということです。 
いじめによる自殺などの痛ましい犠牲者をなくすためには、対症療法だけではなく、根本的ないじめ未然防止対策が必要です。都の取り組みを伺います。

A5.教育長答弁
いじめは、決して許されないことであるが、どの学校でも起こりうるものであるという前提に立ち、学校教育に携わるすべての関係者一人一人が改めてこの問題の重大性を認識し、日頃からいじめの兆候をいち早く把握し、迅速に対応していくことが重要である。11月8日から12日まで実施した「いじめ等問題対策室」の緊急電話相談では、子どもや保護者からの相談の他に、教職員の不適切な対応、家庭の教育力の向上の必要性等、様々な意見が寄せられた。今後、これまでの都教育委員会が蓄積してきたいじめ問題の解決の方策に加え、緊急相談の新たな相談内容等を整理、分析して、資料にまとめ、いじめの未然防止に向けて、教員研修だけではなく、保護者会等でも活用するよう働きかけていく。

エイズ対策について
Q6.先進国といわれている国々では、HIV感染者が減少しているにもかかわらず、日本では感染者が年々増加しています。特に10代後半から20代前半の若者の感染が拡大しています。昨年報告された感染者及び患者の報告数1199件の約35%(417件)が東京の件数です。早急な対応が求められ、東京都の役割は重要です。
しかし、エイズ対策にかかる都の予算はここ数年減少しています。これまで都は、ポスター、パンフレットなどの配布やインターネットによる情報提供などを行なっていますが、10代などの若い世代を対象とした感染予防の取り組みが求められます。
NPOなどの民間団体との協働で、繁華街でのイベントや街角相談、マスコミを利用したPRなどのキャンペーンが必要と考え、見解を伺います。

A6.福祉保健局長
 エイズの感染拡大を防止するため、感染報告が増加している若い世代を対象とした普及啓発が重要である。そのため、10代・20代の若者がエイズに対する理解を深め合うピア・エデュケーションやエイズ予防月間を中心としたキャンペーンなどを実施している。今年度は、6月から8月まで、池袋に若者を対象とした普及啓発の拠点を設置し、NPOなどと協力して事業を行った。今後とも、拠点の充実を図るとともに、予防に関する情報発信を繁華街で実施するなど、若者を対象とした、一層効果的な普及に努めていく。

Q7.東京では23区の全保健所、南新宿検査・相談室、多摩地域では3保健所で、HIV感染の検査と相談に対応しており、検査件数、相談数も年々増えていています。病院での検査とは違い、匿名での無料検査のため多く利用されています。
しかし、匿名ゆえに、判定が陽性となった人へのフォローができず、感染ルートの判明や感染防止ができない恐れがあります。陽性者への告知の際には、二次感染を防ぐための対応、生活および健康管理の支援が必要です。見解を伺います。

A7.福祉保健局長答弁 
HIV検査では、結果告知の際、医師と保健師がカウンセリングを実施している。感染が明らかになった方には、不安を和らげるよう、治療方法や二次感染の防止を含めた生活上の注意等、きめ細かく対応するとともに、医療機関への受診につなげるための支援や相談機関に関する情報提供をしている。今後とも、個々人の状況に応じた助言・指導を適切に行い、HIVの感染拡大防止と感染者の健康管理を支援していく。

Q8.都議会では、「行き過ぎた性教育」という名のもと、政治が教育現場に介入し、教育現場において必要な最低限の性教育を萎縮させてしまいました。若者のHIV感染者が増えているのは、正しい性の知識がないまま成長している子どもの現状を浮き彫りにしています。中学・高校での性教育が最も必要であり、エイズ対策の現場である福祉保健局との連携を深め、効果的なエイズ対策を進めるべきです。
教育庁では、性感染症・エイズ予防の一貫として、都立高校での新たな取り組みを実施していると聞いています。この実施状況と今後の福祉保健局との連携も含めた対策について伺い、生活者ネットワークの質問を終わります。

A8.教育長答弁 
学校における性教育は、学習指導要領に基づき、発達段階に即して、性に関する基礎的な学習内容を正しく理解させ、適切な意思決定や行動選択ができるよう充実していくことが重要である。都教育委員会は、若年層のHIV感染者が増加している現状を踏まえ、福祉保健局の協力を得て「性教育の手引き」や「エイズ理解・予防に関するパンフレット」を作成・配布し、性教育・エイズ教育の充実を図ってきた。また、平成17年度から東京都医師会、東京産婦人科医会の協力のもと、希望する都立高校に産婦人科医を派遣しているところであるが、今後も引き続き、この事業を推進するとともに、今年度、新たに、保健所と都立高校との連絡会を地区別に開催するなど、地域保健機関との連携を強化した取り組みを進めていく。


2006.10.5.

2006年(平成18年)第3回都議会定例会を終えて(談話)

都議会生活者ネットワーク
幹事長 大西由紀子

本日、平成18年第3回定例会が閉会しました。
オリンピック招致を梃子に開発の動きが現実のものとなってきています。
今回の景観条例の全部改正は、建築物や工作物の色彩に対する変更命令や景観配慮を条件とする大規模開発の許認可などが盛り込まれましたが、この条例だけで都市の景観を阻害するものすべてを、規制することはできません。景観という概念が都民にも事業者にも定着するよう、都の取り組みを充実するとともに、区や市が景観行政に取り組むことを支援していく必要があります。また景観基本軸など広域的な景観の保全については、都の役割として責任を持って進め、東京で生活する一人ひとりが豊かさを実感できるまちづくりを目指すことを求めました。
この10月から障害者自立支援法が本格施行になり、関連する条例の改正もほぼ終了しました。しかし障がい者の負担増ばかりが先行し、就労への支援など自立の前提条件はまだ整っているとはいえません。小規模作業所などへの対応を当面継続する方針に、関係者は一息ついているところですが、国の対応が後手になっていることは大きな問題です。認定子ども園についても国の基準がなかなか示されず、区市町村は見切り発車を余儀なくされました。国に早急な対応を求めるとともに、都はスタートした認定こども園の状況を十分に把握し、保育環境の整備や保育機能の充実など、子育て支援の強化につなげるべきと指摘しました。
教育行政については、いじめ・暴力・不登校などが解決しないまま、学校不信・教員不信が募り、子どもと保護者への対応に追われる教員の悩みは深刻です。この6月、新宿区で新規採用の先生が自殺するという痛ましい事件があり、区では公務災害が認められるよう配慮することを明らかにし、その上で教員養成や任用について改善策を考え、都教委にも働きかけるとしています。団塊世代の大量退職時期を控え、教員の数と質の確保はますます重要になっており、都教委の速やかな対策を求めるものです。
日の丸・君が代の強要は違憲だとする東京地裁判決を不服として、都と都教委は9月29日、東京高裁に控訴したことは残念です。さらに今議会の討論の場で、「教育委員会の方針に従えない教師は教壇を去れ」との発言は品位に欠ける暴言であり、強く抗議します。
 このようなイデオロギーや歴史観の違いによる対立で、教育現場の混乱が続くことの一番の被害者は子どもたちであることを肝に銘じ、教育行政と教師との間の信頼と協力の関係を築くことが最優先されるべきです。
以上


2006.10.5.

第三回定例会討論

都議会生活者ネットワーク
山口文江

私は都議会生活者ネットワークを代表して、本会議に付託された全議案に賛成の立場から討論を行います。
 
まず、はじめに、景観条例の改正についてですが、景観法の成立を受けての全部改正で、
建築物や工作物の色彩に対する変更命令や屋上設置の公告物などを禁止する区域の指定、
景観配慮を条件とする大規模開発の許認可などが盛り込まれたことは一歩前進と受け止めます。
しかし都市の景観を阻害するものすべてを、この条例だけで規制することはできません。東京で生活する一人ひとりが豊かさを実感できる美しいまちづくりを進めるために、景観という概念が都民にも事業者にも定着するよう、都の取り組みを強化するとともに、区や市が景観行政に取り組むことを支援していく必要があります。また景観基本軸など広域的な景観の保全については、都の役割として責任を持って進めていかなくてはなりません。
都は、10年20年後を見据えた都市の姿をさまざまな角度から検討し、必要な規制誘導を図るべきであることを申し上げておきます。

次に議員提出議案の3件について申し上げます。子どもの医療費助成については子育て支援の観点から、区市町村に対して都も一定の支援を行うことは当然ではないかと考えます。またモノレール等の交通機関へのシルバーパスの適用については、以前の路線バスが廃止になり、高齢者にとっては運賃の高いモノレールを利用せざるを得なくなっていることを考えると、早急に解決すべき課題です。障がい者施策は自立支援法の施行以降、3障害を対象とする考え方に変わった今、福祉手当もこれまで対象外だった精神障がい者を含めた条例とする、というのは当然のことです。それぞれの提案の趣旨に生活者ネットワークは賛同し、その趣旨については都としても真摯に受け止め、検討することを求めます。

次に今議会には上程されなかった認定子ども園に関して申し上げます。この10月から法律が施行されたにもかかわらず、いまだ国は新たな基準を示さず、財政支援も限定的で、区市町村は見切り発車を余儀なくされました。都内では、未だに解消されない保育園待機児や孤立した子育てへの支援等、問題が山積しています。制度がスタートしたのであれば、よりよく機能するようにしていくのは当然のことです。国に早急な対応を求めるとともに、都はスタートした認定こども園の状況を十分に把握し、子どもたちの保育環境の整備や保育機能の充実への契機として子育て支援の強化につなげるべきであることを申し上げておきます。

一般質問で取り上げた製品の安全性に関しては、相次ぐ製品事故の抜本対策として、経済産業省も「消費生活用製品安全法」を改正し、製品事故報告の義務付けと公表を制度化する方向を示しています。しかし「報告義務を課される範囲」や「事故原因が使用ミスと扱われることで報告義務の除外とされるのではないか」など多くの課題があります。一般成人なら被害が軽く済む場合でも、高齢者や幼児が関係する場合には、重大事故になる可能性があります。たとえばシュレッダーによる指切断事故の被害者はいずれも子どもでした。業務用の製品を一般家庭で使用したり、高齢者や子どもが1人で家にいる際に、製品が本来想定していなかった使われ方が増えていることを十分に認識して、現場を持つ自治体として、死亡の場合だけでなく、負傷以上を「報告義務の対象」とすることを国に提言していくべきであることを申し上げておきます。

最後に教育についてです。今学校現場はいじめ・暴力・不登校が解決しないまま、学校不信・教員不信が募り、子どもと保護者への対応に追われる教員の悩みは深刻です。この6月、新宿区で新規採用の先生が自殺するという痛ましい事件があり、区では公務災害が認められるよう配慮することを明らかにしました。その上で新卒の先生に対して、教員養成や任用について改善策を考え、都教委にも働きかけるとしています。一般質問でも申し上げましたが、団塊世代の大量退職時期を控え、教員の数と質の確保はますます重要になっています。都教委の速やかな対策を要望して生活者ネットワークの討論とします。


2006年9月27日

第三回定例会一般質問

都議会生活者ネットワーク
大西由紀子

(質問部分抜粋)
景観行政とこれからのまちづくりについて      
Q1.2016年オリンピックの国内立候補地として東京が決定しました。10年後の都市像や、都市の価値は、省エネ・省資源の最先端の都市であることや、印象に残る都市景観にあります。
「東京に都市計画はない」が口癖の無為無策の知事への批判はもとより、このままでは世界から訪れた観光客に、成熟した都市に相応しい魅力的なまちを印象付けられるかと心配です。
まずは、時代遅れの開発主義から決別することです。人口が減少する時代だからこそ、発想の転換が必要です。たとえは、建物の高さを競うのではなく、住む人や働く人がコミュニケーションを取りやすい低層か、中層の建物にすることです。地震対策上も、エレベーターに頼らない建物が有効です。経済効率のみを求めず、生活する都民が豊かさを実感できる水辺やみどりの潤いのあるまちづくりをめざすべきです。
 今回景観法に対応した景観条例の改正案が上程されていますが、知事は条例を改正することによって、どのような景観を重視した都市づくりを進めようとしているのか伺います。

A1.知事答弁
・ 今日の東京は、都市全体の美しさが感じられない。
・ このため、法的な強制力も行使できるよう、景観条例を改正し、あらたに実効性のある景観計画を策定する。
・ たとえば、建築物や工作物の色彩に対する変更命令
屋上設置の公告物などを禁止する区域の指定
景観配慮を条件とする大規模開発の許認可
・ オリンピックの開催は、成熟したとしにふさわしい東京の姿を世界に示す、絶好の機会であり、美しく、風格のある首都東京に再生していく。

Q2.都は1999年(平成11年)以来、順次景観基本軸を定め、区域内で行われる大規模な計画には届出を必要としてきました。しかし、区や市が届出を義務づける条例を定めた場合には、景観の誘導が区や市の条例等にゆだねられ、基本軸全体としての調和や景観誘導につながっていません。景観基本軸の多くは自治体の区域を越えています。国分寺崖線景観基本軸など、区市町村の区域を越えた広域的な景観施策について、東京都の取り組みを伺います。

A2.都市整備局長答弁
・ 東京では崖線や丘陵地など特色ある自然が、行政界を越えて、景観の骨格を形成している。
・ このため、都は区市町村と連携して、施策を展開していく必要がある。
・ 都が定める景観計画では、景観形成の方針などを明らかにする。
・ また、国分寺崖線など、景観基本軸についても、引き続き計画に位置づけていく。
・ 都は、都民や区市町村などの協力も得ながら、景観計画に基づく施策に取り組み、東京全体として、良好な景観形成を積極的に進めていく。

Q3.「国分寺崖線景観基本軸」の区域は、貴重な自然環境と地域の原風景というべき景観が残っています。国分寺市はまちづくり条例を制定し、崖線区域内の高さを15mに規制しています。このたび同じ景観軸内の府中市側に都立府中病院が、57mの高さで建てられる計画が明らかになりました。
府中市には高さ制限はありませんが、都は景観基本軸に連続した緑の景観を維持することをうたっており、国分寺市民から反対の声が上がるのは当然です。
また今回の府中病院は都立病院としては初めてのPFIで行われる事業であり、都の責任において直接行う公共事業同様の厳しい景観配慮が求められます。PFI事業を含む大規模建築物の景観誘導についてはどのように考えるのか、伺います。

A3.都市整備局長答弁
・ 大規模な建築物は、周辺の町並みなどに大きな影響を与えることから、景観への配慮を誘導することが重要である。
・ このため、条例の改正を提案し、都市計画決定などに基づき建築される大規模建築物等を対象に、事前協議制度を導入することとしている。
・ 今後、都は、PFIを活用するか否かに関わらず、事前協議制度を適用し、良好な景観形成を誘導していく。

消費者の命を守る消費者行政
Q4.今年3月、生活文化局は市販されている金属製アクセサリー類に有害な鉛が含まれていることが明らかになったとし、未然防止を図るために国への緊急提案を行い、消費者への注意喚起と製品回収を行っています。この機敏な動きを大いに評価し、子どもや高齢者の被害の未然防止の立場に立った消費者行政がさらに充実していくことを望むものです。
 さて、パロマのガス湯沸かし器によるガス中毒死、シュレッダーによる幼児の指の切断事故、浴室乾燥暖房機による火災発生など、製品事故はあとを絶ちません。
国民生活センターや消費者生活センターに寄せられた消費者からの苦情・相談は、オンラインでデータベースに蓄積されていますが、登録に平均58日を要すうえに、消費者が情報を直にとれる状況ではないなどが、システム上の問題点として指摘されています。
数多く寄せられる情報から広域性を判断し、経過をいち早く市民に知らせるための庁内体制と市民への広報など、今後の対応についてお聞かせください。

 
A4.生活文化局長答弁 
都の消費生活センターに都民から寄せられた商品・サービスに関する危害・危険情報に
ついては速やかに集約し、緊急対応が必要と判断されるものについて、直ちに、調査等を行っている。
またその結果については、新聞、テレビ等への発表や、都のホームページである「くらしの安全情報サイト」への掲載を通じて都民に情報提供している。
今後とも、都民の安全安心のために、迅速かつ的確な対応に努めていく。
                             
Q5.電動シュレッダーのみならず、種々の電動器具が販売され、業務用の製品が家庭で使用される事例が増えています。これらを使用する際の思いがけない事故を想定し、商品テストを充実させる必要があります。テスト結果を公表し、「子ども・お年寄りへのガイドライン」を策定すべきと考えますがいかがですか。

A5.生活文化局長答弁
都は、技術職員等で構成する「危害防止対策検討会」において、相談情報や事故情報について専門的な分析を行っており、その結果に基づき、子どもやお年寄りの安全確保の観点も含め、必要な商品テストを実施している。
これらの結果については、たとえば、「高齢者の事故防止マニュアル」など絵や図表を使った分かりやすい内容にまとめて、都民に配布し、危険防止を呼びかけている。
また、事業者や業界団体、国や関係機関等にも情報を提供し、商品の改善や安全基準、ガイドラインの策定等に役立てるよう要望している。

Q6.六本木ヒルズで起きた自動回転ドアの事故を契機に、消防庁は日常生活における子どもの安全確保及び事故防止対策が急務であるとして検討委員会を設置し、今年3月事故情報や安全対策情報の提供や普及啓発方法などに課題があるという報告書をまとめています。消防・警察、病院などとの連携で、より多くの事故を防げると考えます。市民生活を守る有効な手段として、現場との連携を検討すべきであると考えます。見解をお聞かせください。

A6:生活文化局長答弁
商品・サービスの危害危険情報を広く収集するためには、消費生活総合センターのほか、
事故情報が集中する消防や病院等の関係機関との連携が必要と考えている。
本年4月には東京消防庁との連携により、「商品等事故情報連絡会」を設置し、定期的に
事故情報の収集や情報交換を行っている。
 また、病院等との連携については、都立病院等のリスクマネージャーを通じて、病院で使用しているベッドや来るアイスなどの商品に関する事故情報収集の取り組みを進めている。
今後とも、幅広く危害・危険情報を収集し、商品・サービスに起因する事故の未然防止
に努めていく。

ホームレス対策について
Q7.2002年に制定された「ホームレス自立支援特別措置法」は、10年間の時限立法で、これを受けて都も2004年にホームレスの自立支援等に関する実施計画を策定しました。都は以前から特別区と共同で、「自立支援システム」による路上生活者対策事業を実施してきましたが、2004年度からはさらに地域生活移行支援事業を開始しました。この事業は、公園等に起居しているホームレスに、低家賃住宅を貸付け、NPO法人などとの協働により、就労及び生活面での支援を組み合わせることにより、地域での自立した生活を目指すものです。
今年8月で、地域生活移行支援事業が開始から2年になりますが、その検証を含め、路上生活者対策について、課題と今後の取り組みへの姿勢を伺います。

A7.福祉保健局長答弁
 これまで都は、特別区と協働し、緊急一次保護センター及び自立支援センターによる自立支援システムを構築。2004年(平成16年)度にはホームレス地域生活移行支援事業を開始し、2年間で都内の5公園から計1,190人が借上げ住居への移行を実現しました。
こうした取り組みで就労し、地域で自立した人もいる一方で、日雇いしか経験がない、また技能が身についていないなどにより、常用雇用に容易に結びつかず、自立が困難な状況があるのも事実。
 今後は、就労支援を一層きめ細かく実施し、一人でも多くのホームレスが自立できるよう、特別区と協力しながら、ホームレス対策を着実に推進していく。

Q8.地域での自立した生活を可能にするためには、都民や民間企業等の理解と協力に根ざした就労支援対策の充実が重要です。今後の取り組みについて伺います。

A8:福祉保健局長答弁
 都はこれまで、当面の生活資金を賄うための臨時就労の提供のほか、個別面談により把握した本人の適性・経験に応じて、求人を紹介。
 今後、ホームレスの自立を一層促進するためには、安定的、継続的な就労が極めて重要。昨年度、民間団体と連携して設置した協議会を充実し、就職セミナーの開催、技能講習を実施するほか、職業分野を広げて独自に開拓した求人情報を提供。また、必要に応じて採用面接に同行するとともに、就職定着指導も強化。
 こうしたことにより、就職件数も徐々に増加しているが、今後も就労に向けて、一人ひとの特性に応じた就労支援をきめ細欠く継続的に実施していく。

Q9.ホームレス対策を着実に推進していくためには、公園や道路や河川等に起居するホームレスを訪問し、路上生活者対策事業の紹介や斡旋をすることが必要であり、何より、実態の把握と生活再建に向けた丁寧な相談やカウンセリングに力を尽くすことが重要です。「巡回相談センター事業」の工夫と充実が求められます。今後の取り組みについて伺います。

A9.福祉保健局長答弁
 巡回相談事業は、23区に5箇所設置した緊急一時保護センターに、「巡回相談ブロックセンター」を併設し、ホームレス対策にノウハウのある社会福祉法人に委託し、本年度から新たに実施している。
センターに配置した相談員が、公園や河川等に起居するホームレスを定期的に訪問し、健康や生活面での状況を把握した上で、路上生活者対策事業の紹介等を行う一方、就労して自立支援センターを退所した者に対して、再び路上生活に戻ることがないよう、アフターケアにも精力的に取り組み開始。
 今後は緊急一時保護センター職員と綿密に連携し、実施するなど、工夫を凝らしながら、特別区と協働し、巡回相談を充実していく。

これからの教員の任用制度について  
Q10.団塊世代の大量退職時期を控え、教員の数と質の確保はますます重要です。
生活者ネットが行った教育に関する調査では、保護者からは、公立学校への不安や不信、特に教員への不満が多く寄せられ、教員は子どもや親の意識の急激な変化に対応しきれず、若年退職や病気休職になる事例が見えてきました。
なかでも新規採用者は昨日まで学生だった若者が、即日先生と呼ばれる立場になる場合が多く、即戦力として力を発揮するには不安が大きいのは当然のことです。子どもたちの教育に当たるという職の重要性を考えれば、この状態を放置しておくことは問題です。一般企業であれば、新規採用者に対しては正式採用前に一定の研修期間を設置するなど、さまざまな工夫がされており、自治体でも教員養成機関を設置し、独自の採用に踏み切るところも出てきています。都としても緊急に対策を講じる必要があると思いますが、お考えを伺います。

            
A10:教育長答弁
新規採用教員は、4月当初から教壇に立ち、児童・生徒に対して、直接指導することになる。このため、教員の採用選考に当たっては、具体的な指導計画を作成させ、場面指導による個人面接を行うなど、実践的な指導力を重視している。
また、採用選考の合格発表後においては、採用予定者に対して、事前に採用説明会を開催するとともに、その中で相談コーナーを設けるなど対応をしているところである。
新規採用者がより円滑に教員生活に入れるよう、採用前の段階からガイダンス等の取り組みを行うことは重要であると認識しており、今後、その一層の充実について検討していく。

(意見)
9月21日、日の丸・君が代の強要は違憲だとする東京地裁の判決が出され、都は控訴する方針を明らかにしました。学級崩壊や不登校など、教育現場の混乱を考えると、「日の丸」「君が代」の強制を持って帰属意識を高めようとすることはあまりに空虚な教育哲学であり、東京都教育委員会の画一的な姿勢こそが問題です。
今、最も重要なことは、教育行政と教師との間の信頼関係であり、協力関係を築くことであると申し上げて質問を終わります。


2006.6.21

第二回定例会討論

都議会生活者ネットワーク
大西由紀子

私は都議会生活者ネットワークを代表して、本会議に付託された全議案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、はじめに、「障害者自立支援法」の施行に伴い、使用料等に係る規定を整備する条例の一部改正についてひとこと申し上げます。
障害者自立支援法の本格実施を前に、当事者はもとより、グループホームや作業所の事業者からも、多くの不安の声が寄せられております。所得に応じた月額上限の設定はあるものの定率負担により、利用者にとっては、グループホームの入所や作業所への通所を控えることが予想され、事業者にとっては支払われる報酬が利用実績になることで、運営が厳しくなることが懸念されています。障がい者自身が、それ相応の収入を得ることが実現すれば、必要な福祉サービスや公的医療を利用したときに一定の負担が可能になります。しかし、障がい者の一般就労率は約1%、都の区市町村就労支援事業でも一般就労ができた人は、2004年(平成16年)度572人、2005年(平成17年)度717人です。障がい者の自立にはほど遠い状況です。そもそも、自立支援法の目指すものは、障がい者の自立・つまり就労を充実させることにあったはずです。しかし、その体制が整わないまま、利用者負担を導入したことは乱暴であり、問題です。
都は、今年度から「障害者地域生活移行・就労促進3ヵ年プラン」を重点事業として、施設から地域での生活、さらに福祉的就労から一般就労へとすすめていますが、作業所の法内化に向けた都の支援策は、事業計画では3年間に100か所です。法内化になかなか移行できないところについては、実態調査を行ったうえで、現場の声をしっかりと反映させた都独自の支援が必要であり、法の見直しに向けて国への要望や意見書を提出すべきであると考えます。
現在、都の障がい者雇用は、法定雇用率を上回る3.05%ですが、一部視覚障がいの方を含めた身体障がい者だけというのが実態です。生活者ネットワークは今議会の一般質問で、都の障がい者の雇用について、短時間・嘱託などの就労形態も含め、障がい者の就労への門戸を開いていくことを求めました。しかし、都職員の職務は多様であり、知的障がい者等の業務を抜き出すことは困難であり、今後の検討の余地がないとの答弁でした。自立支援法に基づき、民間に先駆け積極的に障がい者の雇用を進める立場にある都が、知的・精神障がい者の雇用はゼロということでは、民間に対して説得力に欠ける事態であり、都としての取り組みを強く求めるものです。
次に、臨海について一言申し上げます。
臨海第三セクターの破綻処理の責任問題に関して、都はあくまでも三セクの問題とし、臨海事業は順調に進捗しており、今後10年かけて総仕上げの時期になるという答弁を繰り返しました。しかし、民事再生法申請による法的処理という事態を招いたことは、民間企業ならば経営破綻であり、当然、経営責任が問われるものと考えます。当初は、大型共同溝や関連道路はもとより、臨海副都心に発生集中する交通量とはあまり関係のない道路建設費まで負担する強気の開発計画が、結局、埋立造成費も回収できず、三セクは破綻するなど、都の事業は大失敗に終ったのです。しかも、破綻した三セクは、都の職員の天下り先になっており、破綻をさらに加速したともいえます。公営事業の制度的、道義的限界として、きちんと整理して、こうしたずさんな都の事業が繰り返されないように将来の教訓とすべきです。

最後に、教育について一言申し上げます。
今年4月より、教職員人事、教育課程、学校経営全般の権限を委ねられた新たな行政機関として、東京都学校経営支援センターが開設されました。学校経営支援センターは、事務の効率化や職員の学校訪問を通じて日常的な支援を行うとしていますが、学校現場の自主性を損なうものになるのではないかと危惧するものです。
その矢先、さらに追い討ちをかけるように、教育長は、都立学校長宛に「学校経営の適正化について」とする通知を出し、職員会議における校長権限の強化徹底を示唆しました。
このような都教育委員会の姿勢は、学校の主体性を軽んじ、やる気を失わせることになりかねません。パートナーである次世代を担う生徒と教師の信頼のもと、自発性が尊重され、創意豊かな教育の展開こそ求められているのです。学校生活は、社会に出る大事な一歩です。主体者である生徒も含めた民主的な学校運営こそ時代の要請であることを都教育委員会は肝に銘じるべきであることを申し上げて、生活者ネットワークの討論といたします。



2006年6月14日

第二回定例会一般質問

都議会生活者ネットワーク
原田恭子

米軍施設の返還について
Q.1 日米安全保障協議で、昨年合意した最終文書が今年の5月1日に発表されました。横田基地の管制空域の一部返還と共用化が進められていますが、生活者ネットワークは、あくまでも全面返還にむけての知事の強い姿勢を示すことが必要と考えます。
多摩市・稲城市にまたがる米軍の多摩サービス補助施設は、軍事目的のないレクリエーション施設であるにもかかわらず、今回の合意でも、返還については何も言及されていません。多摩サービス補助施設の全面返還にむけて、あらためて知事の決意をお聞かせください。

A1.(知事答弁)
・ 多摩サービス補助施設は軍事目的と関わりのないレクリエーション施設。
・ 直ちに返還され広く都民のために開放されるべき。
・ 多摩サービス補助施設の名をあげて大臣に返還を要請。
・ 引き続き強く全面返還を求めていく。

Q2. 返還までの期間も、都民が活用できるよう開放を強く願います。自然観察、バードウォッチング、弾薬庫跡地見学など、一定の目的を持った団体への開放を積極的にすすめるべきと考えますがいかがですか。
A2.(知事本局長)
・ この施設が、市主催事業など一部に開放されていることは承知。
・ 本来、直ちに返還されて全面的に都民の利用に供すべき。
・ 渉外知事会や、国への提案要求を通じて即時返還を国に求めている。
・ 都民への全面的開放に向け、粘り強く働きかけていく。

森林事業について
Q3. 東京都の総面積の約1/3は森林です。H14年度に都が行った「河川・森林に関する世論調査」では50%以上の都民が、森林がもつ大気の浄化作用、山崩れ・洪水の防止効果、水資源を貯える役割、温暖化防止への貢献などに期待感を示しています。
さらに今年度は、花粉症対策の取組が開始されたことで、森林行政が大きく注目され、一層の展開が期待されています。
ところで、杉を植え替える際に伐採される年間120ha分の木材は、全部利用できる訳ではなく、相当の端材や樹皮が生じます。こうした端材は十分に利用することで、資源循環型社会への転換の一助となり、地球温暖化防止への有効な一歩になります。
木材は再生可能な資源で、エネルギー利用においても化石燃料とは違い、大気中の二酸化炭素を一方的に増加させない環境にやさしい資源です。今回の対策を契機に、木材利用をすすめるともに、端材や樹皮の利用拡大をはかって欲しいと考えます。
花粉症対策の杉伐採で発生する端材、樹皮の発生量の見込みと、今後の活用についてお伺いします。

A3.(産業労働局長)
・ 花粉症対策では、向こう10年間の平均で年間18万本の杉を伐採する予定。
・ 現行の約8倍の伐採量にあたり、概算で、端材は年間4200トン、樹皮は1600トン程度発生。
・ 端材等については、製紙原料としての利用のほか、エネルギー源として、製材所の木材乾燥機の燃料や粒状の固形燃料に加工してストーブ等で利用。
・ 製紙原料等については、今後とも十分需用が見込まれ、これへの供給を拡大。
・ 家畜舎の敷料や果樹園の被覆材料等としての利用促進など、増大する端材等の需要拡大にも努める。

エネルギー政策について
Q4. 東京都には約5万haの豊かな森林資源が存在します。かたや、大消費都市として大量の生ごみや下水汚泥なども抱えています。持続可能なエネルギーとして、使われていないバイオマスに着目し、その活用を進めていくことがこれからの課題と考えます。東京都の考えをお聞かせください。
A4.(環境局長)
・ これまで、廃棄物埋め立て処分場などから発生するメタンガスで発電を行うなど、バイオマスを有効活用。
・ 食品廃棄物のバイオガス発電も開始。
・ こうしたバイオマスの他、樹木の枝葉など多様な資源が存在。
・ 今後、これらの活用について検討。

障がい者の就労について
Q5. 「障害者の地域における自立した生活を支援する体制づくり」の推進のため、障害者自立支援法がスタートし、身体・知的・精神の3障がいに対応するサービス体系が一元化されました。同時に、改正障害者雇用促進法が施行され、障害者雇用率の算定に精神障がい者が加えられ、在宅就業の促進と福祉施策との連携が盛り込まれました。
ノーマライゼーションの進展を踏まえ、地域でともに学び、ともに働く社会の実現のための施策を早急に展開しなければなりません。
従来の福祉的就労に留めない障がい者の一般就労に向け、東京都は、どのような取組を行っているか、福祉保健局、並びに産業労働局に伺います。

A5.(福祉保健局長)
・ 都では障がい者の就労機会の拡大を目指し、平成15年度から、身近な地域で就労面と生活面の支援を行う区市町村障害者就労支援事業を実施してきた。昨年度は28区市において事業を実施し、700人を超える障がい者の就労を実現した。
・ 今後は、新たに策定した「障害者地域生活支援・就労促進3ヵ年プラン」により、この就労支援事業を大幅に拡大するなど、希望する障がい者が一般就労へ移行できるよう積極的に支援していく。
(産業労働局)
・ 都はこれまで、障害者雇用ハンドブックの配布、第三セクター方式による重度障害者雇用企業の設立を通じた普及啓発に努めるととともに、東京障害者職業能力開発校等における職業訓練や、企業や民間教育機関等を活用した委託訓練を実施。
・ 本年度からは、他の企業のモデルとなる取組を行う企業等を支援する「障害者職域開拓支援事業」を開始。今後とも障がい者の一般就労の拡大に向けた取組を行う。

Q6. 平成7年策定の「都における身体障害者に関する基本方針」で、身体障がい者の雇用目標を雇用率3%と設定し、都内事業者による障がい者雇用を促進してきました。この基本方針には、採用試験・選考方法について、点字試験の範囲拡大、ワープロ試験、及び拡大文字試験の導入などが明記されていますが、一部の実施にとどまっています。なぜ、すべてに点字対応ができないのか、伺います。
A6(総務局長答弁)
・ 東京都職員採用試験等における点字対応についてであるが、現在、都において視力を要件としない業務としては、「相談業務」「指導業務」などがある。
・ これらの業務に就く職員を採用するための試験区分としては、T類、U類の事務、福祉Cなどがある。
・ このため、これからの試験区分については点字受験を認めている。

Q7. 東京都は一つの事業体として、民間に先駆け、積極的に障がい者の職員雇用を進める立場にあると考えます。しかし、都が雇用する障がい者は身体障がい者のみに限定されています。知的障がい者については、「就労の機会の提供に努める」とのみ記載され、精神障がい者とともに雇用の対象になっていません。都は、今議会で、都庁舎内での障がい者のインターシップ導入には積極的に取り組むことを明言しています。
障がい者の一般就労を推進する自治体として、都は、パートや嘱託等雇用形態にも創意工夫し職域を広げることを検討するべきと考え、見解を伺います。

A7.(総務局長)
・ 都における、知的障がい者等の雇用についてであるが、都職員の職務は多様な業務が複合的に組み合わさっている。
・ その中から知的障がい者等に適する業務だけを抜き出して、一つの新たな職として成立させることは困難である。
・ 都としては、都の関連団体を通じた知的障がい者等の雇用や、作業所等への業務委託を進めるなどにより、障がい者の就労促進に取り組んでいく。

臨海副都心開発について
Q8. 5月連休明け、東京都は、臨海第三セクターの民事再生手続きの開始申し立てを発表しました。昨年、東京ファッションタウンとタイム24の民事再生手続きが開始され、今年3月にビッグサイトによる吸収合併が成立した直後の出来事に、やはりという思いです。この時点で、東京都の債務免除と出資金の減資をあわせて84億円を負担していますが、今回はあわせて380億円というさらに莫大な損失を出した上に、民事再生法申請による法的処理という事態を招いたことは、当然、経営責任が問われるものと考えます。これまでに至る臨海三セクへの対策とその総括を伺います。
A8.(経済港湾局長)
・ 臨海三セクは、平成10年に策定した経営安定化策に沿って経営改善に着実に取り組んできた。
・ その結果、平成17年度では7年連続の営業黒字を達成し、借入金残高も減少するなど、一定の成果を上げてきた。
・ しかし、臨海三セクは、借入金の完済に50年以上を要することから、金融情勢の変化が今後の経営に与える影響等を勘案し、民事再生により、早期に債務を圧縮して経営基盤の強化を図ることとした。
・ 都としては、臨海副都心開発を推進するため、引き続き、臨海三セクを活用する必要があり、民事再生を選択することが現時点では、最善の方策と考えている。

Q9. 臨海副都心事業は、スタート時から様々な問題指摘があり、生活者ネットワークは、都民不在のまま、おおよそ事業費8兆円といわれた副都心開発に、一挙に資金を投資し、一挙に開発するという手法は問題だと指摘してきました。しかし、この18年間、都はその課題に本質的に取り組まず、「大丈夫です」と議会答弁を繰り返し、関連会計の統合で7000億近くの現物出資をするなど、都民の財産を浪費し危機を隠して問題をわかりにくくしてきました。そこに今回の臨海三セクの破たん処理です。都は、これは臨海副都心事業と関係なく、単なる三セクの問題であるとしていますが、到底納得できるものではありません。
今こそ、謙虚に臨海副都心開発事業の収支と、開発計画全体を根本的に総括し、今後の10年に向けてのスタートにすべきです。見解を伺い、質問を終わります。

A9.(経済港湾局長)
・ 臨海副都心は、これまでバブル崩壊という試練に直面しながらも、現在では交通アクセスも充実し、来訪者が年間4000万人を超えるまちとして着実に成長しており、今年度からは、まちづくり総仕上げの10年という重要な段階に入ったところである。
・ こうした中で本年3月、都は、臨海副都心の開発を着実に進めるため、今後のまちづくりと財政基盤強化のための取組に関する考え方をまとめ、「臨海副都心開発の今後の取組」として公表したところである。
・ 具体的には、職・住・学・遊の均衡のとれた複合的なまちづくりの考え方に加えて、新たに観光と交流の視点を取り入れるとともに、確固たる財政基盤の構築に向けて、収支両面からの更なる取組を行うこととしている。
・ 都としては、この中で示した様々な増収増益策や経費縮減策を、引き続き着実に進め、臨海副都心開発の一層の進展を図りたいと考えている。


2006年3月27日

予算特別委員会締めくくり質疑
大西由紀子

食の安全について
 2005年6月の「くらしの健康」(東京都発行)に、組み換え大豆の動物試験の結果が掲載されています。国内で同様な報告例のない中、世界的にもトップレベルにある都の研究機関が、行ったことを評価いております。

Q1.東京都における遺伝子組み換え関係の「検査」は、平年的には、どのような位置づけと内容で行っていますか。
A1.(福祉保健局長)
1.遺伝子組み換え食品については、平成13年4月から食品衛生法に基づき、国の安全性審査が義務付けられ、その審査を経たものについて、輸入や販売が認められている。
2.販売に当たっては、食品衛生法及びJAS法により、遺伝子組み換え食品を含む旨の表示が義務付けられている。
3.都は、都内に流通する大豆、とうもろこし及びそれらの加工品など年間約250検体について、DNAを検査することにより、安全性未審査のものが混入していないか、あるいは表示が適正に行われているかを確認している。
 
遺伝子組み換え食品の動物実験については、遺伝子組み換え食品が登場する段階から、私たちは「慢性毒性検査」の必要性を提案し、要請してきました。食品の安全については「市民が決めていく」という立場からの提案です。
遺伝子組み換えで作られたものが、既存の食品と比べて構成成分などにおいて実質的に同等と見なし得るかどうかが、判断の分かれ目であり、消費者が不安を感じている点です。見た目が同じでも、アレルギーを引き起こす恐れや、将来における変異の恐れなど、まだ不確定の要素が多いと考えております。

Q2.国が「実質的に同等」として実施しない動物実験等について、都が先行して行うことには限界があることは理解しますが、今後このような実験の必要性についてどのように考えていくのか伺います。
A2.(福祉保健局長)
1.遺伝子組み換え食品の安全性については、現在、国の食品安全委員会が安全性評価基準を定め、審査を行っている。
2.委員会においては、既存の食品と比較し、構成成分などにおいて実質的に同等と見なし得るかどうかの判断を基本としており、必要に応じて、各種試験の成績に基づく安全性の確認を行い、総合的に評価することとしている。
3.したがって、動物試験を含めた各種試験の必要性については、安全性の審査を行う国が判断することとなる。

先頃、オーストラリアでは国の研究機構が開発したGMエンドウ豆が、マウスにアレルギー反応を引き起こしたことを発表し、商品化直前だった同エンドウ豆の開発を中止しました。コーデックスの基準によるチェックではアレルギー性は確認されず、基準外の動物試験によって、初めてアレルギー性が確認されたことは注目すべきことであり、基準の見直しが求められます。
これからは、開発者が自らの責任において長期的な実験を行い、安全性を保障することは当然のことですが、同時に、国や都のような公的研究機関が、別の視点から動物によるGM食品の摂取試験を独自に実施することは大いに意味のあることです。これこそまさに「公の役割」です。今後も大いに研究に取り組まれるよう強く要望しておきます。

Q3.遺伝子組み換え問題は、消費者の問題であるとともに、生産者の側の問題でもあります。まかり間違うと、丹精こめた自分の作物が台無しになる。都は遺伝子組換え作物の花粉の飛散や種子による交雑・混入などの「汚染」の問題について高い見識を持って、現在「栽培指針」を策定中です。自治体としてやれることは「遺伝子組換え作物を栽培しようとする」ことに「高いハードル」を設けることです。例えば、都の消費者行政において「被害者救済訴訟支援制度」があるように、「汚染被害者」に対する支援制度なども検討すべきであると考え、見解を伺います。
A3.(産業労働局長)
○消費者被害に関する救済制度は、都民の消費生活に著しく影響を及ぼすような紛争について、事後的に解決に向け、都があっせん、調停等を行う制度である。
○一方、今回の指針策定に当たっては、都は未然防止の観点から、遺伝子組換え作物の栽培をしようとするものに対し、情報提供や交雑防止措置を行うなどの一定のルール遵守を求め、計画書を提出してもらうなど、事前に調整機能を果たしていく予定である。

遺伝子組換え作物の影響について、日本ではもっぱら「食べて安全か」という議論に集中しがちですが、ヨーロッパでは、それよりも環境への悪影響を懸念する声が大きくなっています。アメリカでもオオカバマダラという蝶への組み換えとうもろこしの影響が危惧されています。環境は一箇所を操作すれば、他に悪影響をおよぼす可能性があることをもっと周知する必要があると考えます。

Q4.今ヨーロッパを中心に、世界的に遺伝子組み換えフリーゾーン運動が広がっています。これは単に遺伝子組み換え作物を拒否する地域を作り出すのが目的ではありません。地域自治、地元の農業振興、地産地消、農家と消費者の連携というようなものを包含する、食と農に関する新しい思想ともいうべきものです。北海道や新潟県のような農業を主な産業としている地域だけではなく、生産と消費が身近にある大消費地東京において、有機農業が都市農業として位置づけられつつあります。都は、農業者が自主的にGMフリーゾーンを設定することについて、どのようにお考えですか。
A4.(産業労働局長)
○今回の指針では、遺伝子組み換え作物を栽培しようとするものに対して、指針に基づく一定のルールの遵守をもとめていくが、いわゆるGMフリーゾーンは、地域の農業者等が、遺伝子組換え作物を栽培しないという区域を自主的に設定するものである。
○都内では、町田市などで市民団体・農業者団体等が、個々の農地を対象に、遺伝子組み換え作物を栽培しないことを表明している。
○一方、都内には消費者の理解が得られれば栽培を行ってみたいという農業者も存在しており、いわゆるGMフリーゾーンの設定に当たっては、あくまで地域での合意に基づく、自主的な取組が前提となるものと考えている。

一日も早い「栽培指針」の公表を待ち望んでいますが、実行性を担保するため、指針にとどまらず、条例化をすべきであることを申し上げておきます。

住宅政策について
都の住宅政策審議会「東京都における新たな住宅施策の展開について」中間まとめが出され、住宅政策は量から質へと大きく転換しています。                                 

Q5.既存の分譲マンションの多くが建て替え時期を迎え、建て替えを支援する施策の充実が求められています。2002年に作られた住宅マスタープランでもその必要性が示されており、都はマンションの建て替えにどのような支援を行い、また実際にどれくらいの実績が上がっているのか、伺います。
A5、(都市整備局長)
○都はマンションの円滑な建て替えに向けて、建て替え初動期の検討を支援するアドバイザーの派遣、都市居住再生促進事業による建て替え計画や工事費への助成、仮移転先としての都営住宅の提供など、さまざまな支援を行っている。
○平成14年に施行されたマンション建て替え円滑化法に基づく建て替え事業は、これまで約60の管理組合から相談が寄せられ、このうち現時点で9件を事業認可している。

大田区では築36年の5階建て8棟368戸の住宅供給公社の長期分譲住宅を、マンション建て替え円滑化法によって、最高18階建てを含む4棟534戸に建て替えました。新宿区では、築70年を経過した2棟258戸を、11階・7階・3階の3棟232戸へ建て替えが行われました。いずれも居住者の高齢化・建物の老朽化という問題を抱え、知恵をしぼっての大事業でした。資金力の弱い高齢者の同意を得られずして建て替えはできませんが、それぞれに新たな自己負担を伴う改築例となったことは今後の参考となります。

Q6.建て替え後の住宅に戻るための追加負担が困難な高齢者に対しては、共用施設としての住戸を設置し、低額な家賃で終身居住を可能にするしくみで「戻り入居」したという例もあります。建て替え後も高齢者の居住を支援する施策を、もっと豊かにすべきであると考え、見解を伺います。
A6、(都市整備局長)
○現在、高齢者の居住継続に活用できる制度としては、住宅金融公庫の融資において、元金については死亡時の一括返還とし、毎月の支払いは利息のみとする返済特例制度や、高齢者居住安定法に基づき、高齢者が生涯に渡り、住み続けることができる終身建物賃貸借制度がある。
○都は今後とも、こうした制度の利用について、区市や関連業界団体などと連携して普及を図り、高齢者の居住継続を支援していく。

Q7.お金の問題だけではなく、長年住んで築き上げた低層住宅ならではのコミュニティの良さをどうしたら残せるのか、と考えて建て替えを先延ばしにしている団地もあります。高層マンションとコミュニティの関係はまだ未知数です。超高層マンションにおけるコミュニティ形成について、どのように考えているのか伺います。
A7、(都市整備局長)
○都は昨年11月に公表したマンション管理ガイドラインにおいて、管理組合が取り組むことが望ましい事項として、居住者間のコミュニティ振興を取り上げたところである。
○マンションの良好なコミュニティの維持・形成に努めていくことは、超高層マンションを含め、適正な管理を行う上で、重要であると認識。
○今後とも、都は、このガイドラインを活用するなど、マンションにおけるコミュニティの振興について、関係業界団体や区市などと連携して普及啓発を図っていく。

超高層マンションにおけるコミュニティ形成は、これからの大きな課題です。子どもや高齢者が気軽に外出したり、人との関係性を築いていくために、すでに生活が始まっている超高層マンション入居者への調査などが必要ではないかと思います。ぜひ検討していただくことを要望します。

景観施策について
Q8.東京における今後の景観施策のあり方の答申が1月にだされました。今後は、景観条例の改正、景観計画の策定と進むとききました。現在、都と区市町村との連絡調整会議が持たれており、景観行政団体をどうするのか、23区や市町村も期待し、注目しております。都は、地域が主体的に景観行政団体として活動できるよう支援すべきです。
 そこで東京の中心でもある日本橋の景観問題について伺います。日本橋上空を覆う首都高速を、ソウル市の清渓川(チョンゲチョン)のように取り払い、日本橋を復活させようという動きがあります。3000億円から5000億円もかかる事業となるようですが、現時点での都の見解をうかがいます。

A9.(都市整備局長)
○日本橋上空を覆う高速道路はさまざまな意見があることは承知。
○首都高を撤去・移設する場合には、交通機関の確保や事業費など、多くの問題がある。
○これらについて、国が懇談会を設置。
○今後も、検討動向を見ながら、適切に対応していく。


2006年3月8日

「第31回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議案」に対する討論

都議会生活者ネットワーク
原田恭子     

 
 私は、都議会生活者ネットワークを代表して、第31回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議案に反対する立場から討論を行います。
 昨年9月の本会議で「前回の東京オリンピックから40年余りが経過し、この成熟した都市の姿を世界に示し、改めて日本の存在をアピールする絶好の機会である」として突然、表明されました。オリンピック招致については、石原知事自身が再三語られているように、オリンピックの成功をもう一度という、極めて個人的な思い入れの強いものです。表明から7ヶ月余、まだ、計画の全貌、その事業費も明らかになっていません。議会としても、なぜ、今、東京に二度目のオリンピックを招致するのかという都民への説明もまだまだ不十分です。
 その上、2013年には国体が多摩地域を中心に開かれる予定となっており、東京での開催に固執することは一極集中をさらに加速することにもなります。しかも、巨大イベントを短期間に相次いで開催することは、巨額の税金を投入することにつながり、やっと改善の兆しが見えた東京都の財政にまたもや危機を招きます。大きな財政負担が将来世代への負の遺産となることは避けなければなりません。知事のいう「低成長で質のいい」成熟社会をめざすならば、持続可能な発展こそ賢明な選択で、オリンピック開催にむけた市民不在の急テンポの開発は都市像そのものをゆがめてしまいます。大規模イベントで都市再生や求心力を高めようとする考え方はもはや時代遅れの発想といわざるを得ません。
 また、招致決議文にある「世界の国々が競い合う、喜びと希望に満ちたスポーツの祭典であり、世界平和を希求する人類の祭典」という位置づけには同感するものですが、東京オリンピック開催準備基金1000億円を積み立て、招致を有利にすすめようとしていること自体が、内外に東京の持つ力を誇示する手法であり、海外の国々との共存を前提とした平和や人権をベースとした人類の祭典をつくろうとする趣旨と矛盾するものと写ってしまいます。
国内では福岡市が立候補の意思を示していますが、むしろ開催したことのない国や都市にこそチャンスを与えるべきと考えます。
  都議会生活者ネットワークとしては、東京でオリンピックを開催する意義を見いだすことができず、東京オリンピックの招致決議には反対します。
 今なすべきことは、日本ばかりでなく、世界最大の自治体として、その公共の視点に立ち、都議会としての見識を示すべきであることを強調し、生活者ネットワ−クの討論と致します。


2006年3月2日

第一回定例会一般質問
都議会生活者ネットワーク
山口文江

今後の都政運営について
Q1.知事は、施政方針表明の中で、平成18年度予算について「財政の健全性の回復に全力を注ぎ、その上で、今後の新たな都政の発展を目指すことを基本に据えた」と述べています。一方、予算の内容、つまり施策の面において、「直面する課題への対応はもちろんのこと、オリンピック開催に向けた取り組みを始め、将来に対する布石もしっかり打った」と述べています。
しかし、「将来への布石」とは何か、はっきりしません。中・長期的な視点で、知事がこの東京をどうしたいのかという基本ビジョンや、そのための政策の柱が明確に示されていないからです。単年度の予算だけで将来を展望するには限界があります。
来年度から、都は全国に先駆けて、公会計に複式簿記・発生主義を導入します。すべての職員に「将来を見通して都を経営するという視点を持たせる」とか「成果主義を徹底する」などが目的と謳われています。
しかし、職員に経営感覚を求めるなら、その前に全体の「長期経営方針」が示されていなくてはなりません。また、「成果主義」を採るなら、都全体の政策目標が必要です。
2000年以降、分権の進行、人口減少など社会背景は大きく変わり、都は、それが都財政に及ぼす影響等についての研究・指針などをまとめています。これらをどのように活かすかは重要です。
知事は、10年後、20年後を見据えた「長期計画」を策定して都民の前に示すべきと考え、所見を伺います。

A1.(知事本局長)
○ 都政を取り巻く社会経済状況は大きく変化している。
○ 社会経済が構造的に変化している現在、長期的な視点から時代の潮流を捉え、将来展望を持って政策を展望することが重要。加えて、急速に変化する外部環境にも的確、柔軟に対応する必要。
○ このため、東京の将来を見据え、政策課題を明確にした上で、取り組みの方向を示し、取り組み状況と効果を検証していく新たな枠組みとして、重要施策、及び平成18年度重点事業を策定。

都有地の有効活用について
Q2.2006年度(平成18年度)の一般会計予算案は、税収が伸び、5年ぶりに6兆円を超える規模になり、隠れ借金の圧縮と基金残高確保につとめ、ほっと一息ついた感があります。基金残高が底をついた頃、都有地が相次いで売り払われたことは、財源確保策としての効果の裏側に、様々な問題を残しました。今後の少子社会では、使われない学校施設や土地が多く見込まれます。
一方、今年1月に出された「みどりの新戦略ガイドライン」では、区部のみどり率を2000年に比べ、2015年に1割、2025年には2割増加を掲げており、目標達成に向けては相当の努力が必要です。
都有地は都民の貴重な財産として、はじめに売却ありきではなく、防災拠点やみどりの確保など、各局の事業目標達成のために、一歩踏み込んだ有効活用をするべきです。都有地活用の今後のあり方について見解を伺います。

A2.(財務局長)
○ 都有地の有効活用は、都有財産利活用推進会議を設置し、各局保有財産の現況調査、施設の効率的な統廃合、新たな施策への転用などを進めている。
○ 所管局で施設の役割を終えた財産は、各局と活用について協議しており、売却を優先しているものではない。
○ 今後とも、前兆的な財産情報の共有化や活用手法の多様化を進め、都民ニーズを踏まえた効率的活用を図る。

震災対策について
Q3.昨年7月、都内で震度5強を記録した地震では、ターミナル駅は鉄道の復旧を待つ145万人もの客であふれ、都市災害の脆さを露呈しました。都心では旧耐震基準のビルが多く、倒壊の危険性のある建築物群が存在し続けています。更に、耐震基準の偽装が発覚しました。
2006年(平成18年)2月、東京都防災会議地震部会は、国の想定より詳細なデータに基づき、首都直下地震による東京の被害想定の中間報告をまとめ、区市町村別の被害を明らかにしています。東京湾北部でM7.3の地震が起こった場合、死者約4700人、建物全壊約44万棟、帰宅困難者約392万人などの被害が生じると想定しています。そこで、今後の震災対策について、知事の所見を伺います。

A3.(知事答弁)
自助、共助、公助に基づく備えを講じていくことが重要。これまで、全庁的な取り組みを強化し、実践的な訓練を積み重ね、防災力を高めてきた。優先順位を付けた震災対策の推進などに活用できるよう、マグニチュード6.9も加え、実態に即したデータを用い、被害を想定。この想定をもとに、地域防災計画を見直す。
Q4.中間報告では、震度5強の場合には鉄道等ほとんどの交通機関が停止し、外出者が約1,144万人、そのうちの約392万人が帰宅困難者になると予測しています。
ターミナル駅や繁華街を抱える大都市東京の大きな問題として、自治体や事業者との連携は、広域行政を担う都の責任であり、早急に具体的な対策が必要です。2000年(平成12年)には、震災時における昼間都民対策推進モデル地区として有楽町・日比谷・銀座地区で帰宅困難者対応マニュアル策定のためのガイドラインが策定され、この地域では現在も活動が継続されており評価しています。上野や浅草、巣鴨など観光客が多く集まる繁華街など、他の地域においてもこの成果を対策に反映すべきであると考え、見解を伺います。

A4.(総務局長)
モデル事業を実施し、混乱防止対策の基本ルールや、業種別ガイドラインをまとめた。都心区では、一時収容施設の確保などの対策を、周辺区や市町村では、沿道支援として休息所の設置などの対策を進めている。モデル事業の成果を活用した取り組みが進むよう、区市町村に対し、適切に働きかけていく。
Q5.自治体の防災計画には、組織に属さない人への対策が含まれていません。震災時における帰宅困難者対策について、都の基本原則は「組織は組織で対応する」、即ち、災害時には事業者の責任において従業員や買い物客等への対応を図り、帰宅者には安全確保に留意して順次帰宅せるとなっており、一時宿泊所や避難所、食料、水の確保について、帰宅困難者に見合う具体的な計画がありません。組織に属さない人や、帰宅困難者のための一時宿泊所や避難所、食料、水の確保が必要であり、都の今後の対策について伺います。
A5.(総務局長答弁)
都内事業者に対し、事業所防災計画の中に、帰宅困難者への情報提供や保護支援などの対策を盛り込むよう指導。区市町村に対しても、一時収容施設の確保や食料などの備蓄を働きかけている。都も、食料の備蓄や、飲料水の確保、帰宅支援ステーションの設置を実施。今後も、事業者や区市町村と連携し、帰宅困難者対策に努める。

Q6.帰宅困難者のなかでも、特に女性や障がい者は実態としての施策が不足しています。自治体の防災計画には寝たきりの高齢者を含む要援護者が位置づけられています。女性や障がい者の社会参加も進み、当然、妊娠中の女性や乳幼児を連れた人、高齢者、障がい者が帰宅困難者にも含まれ、都としての広域的な対策が急がれます。2006年度(平成18年度)中に東京都地域防災計画の見直しをすることになっていますが、要援護者を含めて計画を改定すべきであると考え、見解を伺います。
A6.(総務局長答弁)
「共助」を基本とした、災害要援護者への対策が重要。モデル事業でまとめたガイドラインを踏まえ、事業者に対し、事業所防災計画に災害要援護者の保護を盛り込むよう指導。現行の地域防災計画でも、バス等の代替輸送手段を確保。今後の地域防災計画の見直しにあたっても、災害要援護者への対応を検討。                       

若者の就労支援について
Q7.2003年6月に、国は「若者自立・挑戦戦略会議」のまとめとして「若者自立・挑戦プラン」を発表しました。このプランの目標として「フリーター約200万人、若年失業者・無業者が約100万人増加している現状をふまえ、当面3年間で人材対策の強化を通じ、若者の働く意欲を喚起しつつ、すべてのやる気のある若年者の職業的自立を促進し、もって若年者などの増加傾向を転換させる」としています。各自治体でもこの流れを受け、若者の就業支援は重点施策となって様々な政策が展開されました。3年経過した今、国は「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」の強化・推進をめざし、アクションプランの改訂が行われています。
東京都においては、2005年12月に出された雇用・就業対策審議会の答申で、ニート、フリーターといった不安定な立場におかれる者の急増を指摘し、「若年者のこのような状態が続くことにより、今後、職業能力の形成が不十分なまま年を重ね、社会経済に影響を及ぼしかねない」と報告し、さらなる対策の必要性を指摘しています。
東京都では、2004年のしごとセンターの設置において、都独自の取り組みを展開してきましたが、さらに、事業を推進させるための最大限の工夫が求められます。
都の2006年(平成18年)度重点事業には、「アクションプラン」として3ヵ年の展開が示され、「若者の働く意欲や能力を引き出す就業支援」として平成20年度までの包括的な事業計画があがっています。本来、アクションプランとは、集中的計画的に取り組みを進め、達成する目標を具体的に定め、その実施時期を定めたものとされます。特に工夫が求められる若者の就労支援は、実効性の高い施策を展開するため、検証が欠かせません。
とらえにくい成果を効果的に検証するために、まずは、数値などによる目標を設定し、事業を着実に推進することが必要です。また、事業実施にあたっては、関係局と連携した取り組みも重要と考えます。併せて見解を伺います。

A7.(産業労働局長答弁)
 都は、利用者の特性に応じて相談から就業までのきめ細かな支援を、ワンストップで行うため、しごとセンターの開設や、街角カウンセリングなど、独自の工夫を加えた若年者の就業支援策を展開。高校へのカウンセラー派遣、福祉分野の就職面接会等、関係局と連携し事業を実施してきたが、この2月、庁内に推進会議を設置したところであり、連携施策の拡大と着実な事業実施を図っていく。現在、国のプランの数値目標に基づき、都独自の取り組みも加え、評価・検証を行ったうえで、事業の充実を図っている。
Q8.しごとセンターでは、若者支援事業として、街角カウンセリングなど、実態に向かい合う施策を進めてきたことは評価するものです。東京には多くの若者が集まり、一方で事業者の数、種類の多さは他に類を見ません。さらなる施策の工夫として、事業者の意識改革や受け皿づくり、職業訓練やインターンシップのあり方、どのようなマッチングが望ましいかなど、当事者の若者のニーズを、的確に受けとめていく必要があります。例えば、就労やSOHO、起業に関する情報交換が若者同士でできる拠点づくりや、若者会議など、若者の本音が聞け、人と人を結び付けられる取組みを通じたボトムアップのしくみや若者自身が支援活動に関わる方策が必要と考えますが、見解を伺います。
A8.(産業労働局長答弁)
 若年者の就業支援に際しては、当事者である若者の目線に立った事業実施が効果的であると認識。このため、しごとセンターでは、利用者のアンケートやカウンセリングを通じ、若年者の声を受けとめ、事業の改善や施策に役立ててきた。平成18年度には若者自身が活動主体となっているNPO等から企画・提案を募り、必要な経費を助成する「若者による若者支援プロジェクト」を実施。さらに、技術専門校の地域に根ざした活動や、区市町村との連携を通じ、様々な若者の意見や要望についても把握することにより、事業の充実を図っていく。

男女平等参画について
Q9.国の第二次男女共同参画基本計画が昨年末に発表されました。今後一層、女性に対する間接差別をなくし、男女平等を実質的に推進するため、国及び東京都には積極的な姿勢と取り組みが求められます。
女性の政策決定など指導的地位に女性が占める参画の割合を示す2005年度国連開発計画のジェンダーエンパワメント指数によると、日本は、世界80カ国中43位です。
今年1月に発表された内閣府の審議会委員等の女性比率についての全国調査では、東京都の審議会等の委員への女性の登用率は21.7%で、全国都道府県で最下位です。鳥取県の42.3%をトップに、女性登用率が上昇する中、東京都は、平成16年までに35%とする目標値を掲げながら、年々低下してきました。このような状況について、都の見解を伺います。        
 
A9.(生活文化局長答弁)
 審議会等の委員は、その設置目的に応じて女性も含めて、適任者を選任。女性委員の任用率が低い理由は、専門分野によっては、女性が少なく、委員を委嘱できる人材が限られている。団体推薦により委員を委嘱する際に、男性が推薦される場合が多い。「付属機関等設置要綱」においても、「女性委員の積極的な登用を図ること」としており、毎年、任用計画を達成していない審議会については、各局ヒアリングを実施し、任用促進を働きかけている。現状を踏まえ、さらなる取り組みが必要。
Q10.こうした状況を全庁体制で打開し、目標達成にむけ、登用計画の明確化や具体的な方策が急務です。達成に向け、どのような取り組みと進行管理を行うのか伺います。
A10.(生活文化局長答弁)
 学識経験者の委員については、女性の登用に積極的に努める。団体代表の委員については、団体の長等の役職に限定せず登用に務める、など取り組む。本年度は、「審議会等女性委員名簿」を作成し、的確な情報提供を行うとともに、団体推薦の際に、女性委員選任の検討要請を行う。18年度からは、委員改選時の名簿の提出を義務付けるなど、進行管理に徹する。
Q11.女性人口が630万人を占める東京で、人材不足を理由に、審議会等の人材確保に工夫を惜しむべきではありません。多くの審議会委員の構成が学識経験者・議員・自治体代表などで占められ、一般の市民の参画が保障されていないことも課題のひとつです。一般市民の参画は、登用率の目標値を達成する具体策のひとつであり、また都民に有益な開かれた審議会を構成するためにも、公募など多様な市民参画をめざすべきであると考えますが、見解を伺います。
A11.(総務局長答弁)
審議会は、執行機関の付属機関の一つ。「付属機関等設置運営要綱の取扱」において、「付属機関の運営に当たっては、幅広く各方面の人の意見を聴くことが求められるものであり、可能な場合は、都民からの公募を積極的に行うよう努めること」と規定。今後も、この方針に沿って審議会の運営がなされるよう努めていく。
Q12.都における男女平等参画行動計画である「チャンス&サポート東京プラン」は平成14年から18年までの5ヵ年計画です。18年度は、19年度以降の計画策定に向けた年であり、新たな計画をつくるにために、現計画の課題別の検証が重要です。策定に向けた準備は、具体的にどのように行われるのか、伺います。
A12.「チャンス&サポート東京プラン」に基づき、雇用の分野:ポジティブアクション実践プログラムの作成と活用、子育て支援:認証保育所の推進、配偶者暴力対策:配偶者暴力相談支援センターの機能充実、などに取組んできた。毎年、事業予定及び実績を把握しており、19年度以降の計画改定に向けて、これらの取り組みや実績の検証に努める。  
意見:男女平等参画条例をいち早く策定した東京ですが、推進状況は道半ばの状態です。全庁での推進体制の強化と、男女平等参画審議会の常設化をもって、今後、行動計画等の検証と進行管理が着実に行われなければならないことを強く要望します。


2006年1月18日

平成18年度(2006年)予算原案の発表にあたって(談話)

都議会生活者ネットワーク
幹事長 大西 由紀子

 本日発表された平成18年度予算原案は、第二次財政再建推進プランの最終年度の予算として、「財政構造改革の足取りを確かなものとし、東京の更なる発展を目指すもの」とされています。
 一般会計の予算規模は都税収入の伸びを受けて、5年ぶりに6兆円を超え、前年度比5.4%増となりました。17年度に引き続いて臨時的な財源対策を行うことなく当初予算を編成し、いわゆる「隠れ借金」の圧縮や基金残高の確保に努めて、18年度末にはようやく基金残高が「隠れ借金」を上回る見込みです。しかし、三位一体改革や税制改革等に伴う都財政への影響、さらに今回は見送られた法人住民税の分割基準の見直しや地方特例交付金の廃止などの先行きは不透明であり、財政構造改革の流れを一層確かなものにしていく必要があります。
 昨年12月に人口減少社会が現実のものとなりました。人口減少は以前から指摘されてきましたが、そこに向けてのきめ細かな対策がなされなかった無策の現れです。政府は少子化対策を打ち出していますが、抜本的な解決策とはいえません。都民の多くが年金や医療制度改革、所得格差の拡大など将来への不安を抱いています。急浮上した耐震偽装や新型インフルエンザ、アスベストなどへの迅速な対策が盛り込まれていますが、行政として当然のことといえます。
 今抜本的に求められているのは、東京の将来を展望し、環境・経済成長・雇用・福祉・教育などがすべて成立できるような地域社会のしくみを再構築すべきであり、それは「持続可能な都市づくり」につながるものです。長期的な展望の下に、安心して子どもを生み育てやすい社会づくりや働く女性への両立支援などの具体的な提案こそ、今行政が示さなければなりません。早急に長期ビジョンを打ち出し、具体策に取り組まなければならない時に、今回の予算原案の中で目新しいものがオリンピックだけというのは、施策のバランスを欠いているといわざるを得ません。  
 私たちは以上の視点を踏まえ、平成18年度予算原案が未来ある予算となるかどうか十分精査し、復活要望や予算審議を通じて見極めてまいります。
 市民の提案が生かされるような活動を展開してまいりますので、皆様からのご提案・ご意見をお待ちいたします。

以上

   

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